健康ということでは順天堂大教授の小林弘幸氏は「自律神経のバランスを保つには、夜の過ごし方に気をつけてほしい」と強調する。自律神経には望ましいリズムがあって日中は活発に行動するための交感神経が緊張を緩める副交感神経よりも優位に働くが、夕方から夜にかけて逆転し眠る頃は副交感神経が優位になるというのだ。ところが近年はストレスから夜になっても交感神経が優位なままで興奮状態の人が目立つという。夕食後から寝るまでの 3 時間は質の良い睡眠に入るための準備をするとても大切な時間で、その時にする入浴も自律神経のバランスを整えるには欠かせないものなのだ。ただしよく意識することは眠る前の入浴が体を清潔に保つということが一番の目的ではないということだというのだ。
お風呂の入り方がポイントはリラックスできて副交感神経の働きに良い効果があるからだが、その最大の目的は一日の終わりに滞った血流をリカバーするということだという。そして心と体を究極にリカバーするにはお湯の温度は 39 ~ 40 ℃で、 入浴時間は 15 分が最適で最初の 5 分は首まで浸かり残り 10 分はみぞおちぐらいまでの半身浴がおすすめだという。高温のお風呂に長時間入浴するので特に注意が必要なのは高齢者で、熱いお湯が好きな傾向があるほかのどの渇きに気づきにくく脱水症状を起こしやすいという。この入浴法だと血流がよくなりそれでいて直腸温度を上げすぎず、体の深部体温を 38.5 ~ 39 ℃ という適温に保ってくれ、お風呂から上がった後は必ずコップ一杯の水を飲むべきだという。
有効な入浴方法はお湯の温度は 39 ~ 40 ℃で 入浴時間は 15 分とし、最初の 5 分は首まで浸かって残り 10 分はみぞおちぐらいまでの半身浴なのだが、この入浴法をすると脱水症状にもならずお風呂から上がった後もいつまでもほどよいポカポカ感が続くという。そして自律神経も整いスッと安眠できることから、 40 ℃ のお風呂に 15 分が一日の終わりに血流をリカバーし細胞レベルや血管レベルからきれいにしてくれる究極の入浴法というわけなのだ。逆に熱すぎるお風呂には十分注意しなければならず、一般的に適温であるといわれている 42 ~ 43 ℃ は医学的な見地からすれば実はかなり熱すぎるという。そして熱すぎるお風呂がなぜダメなのかといえば交感神経が急激に上がり血管が収縮してドロドロになるからだというのだ。
日本人は「浸かる派」で欧米人は「流す派」だと言われるが、お風呂に浸かるのがいいとはいうものの、忙しいときはどうしてもシャワーだけで済ませたい、あるいは朝に髪や体をきれいに整えるためにもやっぱりちょっとだけシャワーを浴びたいという人も多いと思うのだが、シャワーにも入浴とはまた別なリフレッシュ効果があることも確かだというのだ。自律神経的にいえばシャワーの一番の効果はお湯の刺激を肌に与えることで交感神経が活性化されるということだそうで、「朝のシャワーはコーヒーを飲むよりも目覚め効果が高い」という調査結果も出ているというのだ。何か気分を変えてみたいときや鬱々と落ち込んだ気持ちをスッキリさせたいときに、シャワーを浴びるのは案外効果的だと言われている。
自律神経によいシャワーの浴び方にはちょっとしたコツがあっていきなり熱いシャワーを浴びるのではなくぬるめのシャワーである程度体を慣らした後に、適温の熱さのシャワーを浴びることだというのだ。そうすることで自律神経もスムーズに整うし、またシャワーを浴びた後に体が急激に冷えることも防げるそうなのだ。シャワーを浴びるなら「最初はぬるめに、徐々に熱く。そして、浴びた後は、体を冷やさないように、十分注意する」が自律神経バランスを整えるシャワーの浴び方のコツだそうなのだ。お風呂以外に気をつけることというと、寝る時間が近づいたら蛍光灯など明るい光を避けることで、これは副交感神経が優位になるべき時間帯に光を浴び続けると交感神経を刺激し自律神経の乱れにつながるからだという。
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