連休中の贅沢ということで回転寿司に家族で行ったのだが、成長を続ける回転寿司は今や 6000 億円市場といわれるそうなのだ。数ある飲食店の業態の中でもとりわけ原価率が高いことで知られてきた「回転寿司の経営学」の著書がある評論家に米川伸生氏によると、生鮮食材を扱うためにロスが多くなり業界最大手でネタの味の良さを売りにする「スシロー」では、原価率が 50 %を超えるといわれているという。他の業態の外食チェーンでは 30 %を切るのが当たり前だから特筆すべき高さだそうで、 1 皿 100 円で出しているようなネタのなかでもとりわけ原価が高いのがウニ約 85 円で、マグロ約 75 円にイクラ約 70 円の 3 つだという。食材の原価率がそこまで高いメニューを出すとなると人件費などのコストが加われば大赤字になるという。
回転寿司と言ったらネタが楽しみだが、原価率が非常に高いネタがある一方でエビやツナマヨ・コーン・かっぱ巻き・タマゴなどは原価率が 20 円前後で著しく低く、赤だし等の味噌汁に至っては約 10 円だという。回転寿司という業態は原価率の高いネタと安いネタを客にバランスよく食べてもらうことで、生き残ってきた業態なのです。客層に圧倒的にファミリーが多いことにも意味があって子供は必ずといっていいほどツナマヨやタマゴの皿を手に取るそうで、お客様の入店時にスタッフが「大人何人、子ども何人」と入力すると、いつどの寿司をどのレーンに流すべきかという本部からの指示がすぐに画面に表示されるという。データベースに基づく管理による効率化と一手間を惜しまない姿勢が採算の取れる水準になってくるそうなのだ。
回転寿司でオトクなネタつまり原価の高いネタと考えてしまうのだが、原価が高ければ美味しいということではなく、安くて美味しいものつまりコストパフォーマンスに優れたものこそが回転寿司で本当にオトクなネタだといえるという。その代表的なのが「ハマチ」と「鯛」でなぜオトクだといえるのかというと、それはとても人気が高いネタなので店側もかなり気合を入れて提供しているからだという。この二種は大手回転寿司チェーンで国産の鮮魚を使っており、中には店舗で捌きたてのネタを出す企業もあるほどだという。回転寿司というと海外の冷凍ネタが多い中電力料金鮮度も味も抜群でしかも安いネタが本当にオトクなネタといえるそうなのだ。関西ではハマチや鯛の方が昔から人気が高くおめでたい席には欠かせない魚とされてきたという。
さらにレーンの上にも見逃せないオトクなポイントがあって、実はハマチや鯛の超希少部位がこっそりとレーンに流れていることがあるというのだ。タッチパネルでオーダーした場合は背に血合いの赤みが入った部位が提供されるそうなのだが、レーンには脂がたっぷりとのった腹身が流れてくることがあるというのだ。腹身は一尾からわずかにしかとれないためタッチパネルに載せるとすぐに売り切れになってしまうので、そこでこっそりとレーンに流し気が付いた人のみがその恩恵に授かることができるというシステムを取っているというのだ。回転寿司店に行ったらぜひ、レーンに注目するべきで、白味がかったハマチや鯛の腹身が流れてきたら「超ラッキー」ということで見逃す手はないという。
また今の物流の進化はものすごいといわれるが、 100 円寿司チェーンに届けられる代用魚は鮮度がよくてとてもおいしいそうで、回転寿司の発祥も大阪ならば大手回転寿司チェーンも大阪に本社を置いている企業が多く、そのあたりがハマチと鯛にこだわりを持つ要因の一つなのかもしれないといわれている。ある雑誌によると原価率の高い「スシロー」と「はま寿司」の二択しかないそうで、どちらも原価率が高いうえに品質も店舗オペレーションも優れており、「はま寿司」はもともと「スシロー」の運営会社である「あきんど・スシロー」の大株主だったゼンショーが始めた寿司業態で、平日なら1皿 90 円と「スシロー」よりもさらに大きく消費者還元を進めているそうで、この 2 つのチェーンは業界内でもコスパが抜きんでているとされている。
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