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2005.09.07
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すいかの匂い

~新潮文庫~

 この本には、11編の短編が収められています。やはり、一話ごとに紹介するのではなく、まとめて、印象深かったところを書いておきます。
 表題策「すいかの匂い」。叔母の家に預けられていた、夏の思い出。「私」はお金を持って叔母の家を抜け出し、ある家にやってきました。そこには、母親と、上半身を共有した双子がいました。 …そのときのすいかの光景が、怖くて仕方ありませんでした。
 同じく、怖かったのは、「水の輪」です。シネシネシネ…くまぜみの鳴き声。蝸牛を踏み潰す「私」。そんな「私」をずっと見ていた「やまだたろう」。「すいかの匂い」と同じく、虫が、ものすごく怖さをあおる効果を出しています。もちろん、「やまだたろう」が私にかけた言葉も、怖かったです。中途半端なスプラッタより、こういう心理的なところに訴えかけてくる作品の方が、こわいですね。
 「蕗子さん」は、「私」の家に下宿していた大学生、蕗子さんのことの回想です。この他、「薔薇のアーチ」「影」などは、いじめをテーマにしています。
 本作も再読なのですが、『つめたいよるに』に、心温まる物語が多いのに対して、『すいかの匂い』は怖いし、重い感じのする短編が多いです。
 先日、ある方と話していたのですが、本当になんでもない言葉が、文脈の中でうまく使われれば、とても印象的になります。この短編集のラストを飾る「影」の中でMさんが言う「会わなきゃ」で、それを感じました。もちろん、他のところでも感じていますが、それが特に印象に残っています。





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Last updated  2005.09.07 10:05:42
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

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