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2008.04.05
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Michel Pastoureau, "Cote vert et cote gris. S'asseoir a la Bibliotheque nationale, travailler, lire, ecrire, dormir, rever, se souvenir d'avoir aime"
dans Michel Pastoureau, Figures et Couleurs : Etude sur la symbolique et la sensibilite medievales , Paris, 1986, pp. 235-240.

 久々に、ミシェル・パストゥローの初期論文集 『図柄と色彩―中世の象徴と感性に関する研究』 に収録された論文の紹介です。今回は、「緑色の側と灰色の側―国立図書館に座り、仕事し、読書し、書き、眠り、夢を見、愛したことを思い出す」を読んでみました。詩的で、なんともきれいな副題ですが、内容は、息抜きのような感じでした…。

 パリ国立図書館にある大きな閲覧室は、入って右側が緑色、左側が灰色になっているそうです。私は行ったことがないので分からないのですが、カーペット(床)の色なのか、壁の色なのか…? 少なくとも、座席番号を示すプレートの色はそのようになっているようなのですが…。ちなみに、1番から180番までが緑色、181番から360番までが灰色だそうです。

 本論でミシェル・パストゥロー氏が行っている調査は、ここで仕事する研究者たちが、どの席に好んで座るか、ということです。どうも、調査を行う過程で、なに馬鹿なことやっているんだと、軽蔑されたようなこともあったとか…。

 いくつか書いているのは、自分がよく使う書棚のそばの席に座る人が多いということ。ところが氏は、どうしてよく使う書物のあたりに座る必要があるのかと、ご不満の様子です。
 一方、わずかではありますが、自分がよく使うコーナーから離れた席に座る人もいます。そうした方々は、立ち上がったり動き回ったり、目立とうとするのが理由とか…。



   *

 実際に図書館に行ったことがないので(それどころかフランスにも行ったことがないですが…)、あまりぱっとしなかったのですが、実際に国立図書館で研究を進めている研究者の方々は、本論を割と楽しく読まれるのだろうと想像します。
 ミシェル・パストゥロー氏は、紋章の歴史、色彩の歴史などの領域でばりばり活躍している研究者ですが、身近な対象を題材に、興味深い研究を発表されることも多いです。本論もその一つということなのでしょうが、氏の著作に見られるユーモアがふんだんに発揮されているように思います。
(2008/03/30読了)


 なお、私なりの、ミシェル・パストゥロー氏の経歴・業績に関する整理は こちら を御覧ください。





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Last updated  2008.07.12 18:01:04
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