のぽねこミステリ館

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2010.05.05
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~刀水書房、2010年~

 刀水書房から刊行されているシリーズ「世界史の鏡」の、環境テーマの第9巻にあたる著作です。このシリーズ、全101冊予定で、「国家」「都市」「環境」など、10のテーマから成ります。もはや「毎月刊行」ではありませんが、どれも興味深いタイトルの著作が刊行されており、また予定されています。
 さて、本書は、多数の著作を発表されていらっしゃる池上先生の、現時点での最新の業績です。タイトルどおり、中世の「森と川」を、社会史、制度史、心性史など多様な観点から明快に分析した著作です。
 本書の構成は次のとおりです。

ーーー
はじめに
第一章 森と川の法と権利
 1 森は無主地か王の所有地か

 3 森と川の交通
第二章 自然の恵みを集める仕事人たち
 1 森の民
 2 川の民
 3 修道士と隠修士
第三章 森と川を守れ!
 1 都市民にとっての森と水
 2 神々と妖精の棲まう土地
 3 エコロジー思想の源泉?
おわりに
あとがき


図版・写真出典一覧
ーーー

 第一章の法制史的側面からの概観・分析も興味深いですが、いちばん面白かったのは第二章です。森と川にかかわる人々の生活が生き生きと描かれています。川の渡し守さんがけっこうひどいことをしていたというのは、岩波書店のシリーズ「ヨーロッパの中世」第4巻、関哲行先生の『旅する人びと』でも印象に残っていました。こうやって知識が補強されていくのが、勉強する楽しみの一つだと感じます。

 読了から感想を書くまでに時間があいてしまったので(そして記事も構成までは割とすぐに書いたのですが、その後しばらくあいてしまったので)、あまり書けませんが、このあたりで。
 興味深い一冊でした。

(2010/04/11読了)





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Last updated  2010.05.05 07:12:32
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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