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2010.06.02
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~講談社学術文庫、2009年~

 池上先生が「仕掛け人」の、講談社学術文庫「西洋中世奇譚集」シリーズの第2弾です。もともとこのシリーズ、青土社から刊行されていたのですが(池上先生訳の『皇帝の閑暇』、有光秀行先生訳の『アイルランド地誌』の2冊があります)、講談社学術文庫にレーベルを移したのですね。『アイルランド地誌』の文庫化もぜひにと思います。
 さて、本書は文庫オリジナルです。7世紀から12世紀頃に西欧で作られた、東方(インド)にまつわる3つの史料の邦訳が収録されています。
 本書の構成は以下のとおりです。

ーーー
はじめに 「インド」の幻想

I.アレクサンドロス大王からアリストテレス宛の手紙〔ラテン語〕
II.司祭ヨハネの手紙(1)〔ラテン語ヴァージョン〕


訳注
訳者解説
主要参考文献
ーーー

 司祭ヨハネは、プレスター・ジョンの名で有名です。「インド」(その概念の広さについては、本書解説に詳しいです)にいると考えられた、キリスト教国の君主ですね。プレスター・ジョンについては、以前池上先生の 『狼男伝説』 の記事でもふれたことがありますが、福田誠先生の論文が参考になります。
・福田誠「プレスター・ジョンの出現-『プレスター・ジョン伝説』(1)-」『就実女子大学史学論集』3、1988年、157-186頁
・福田誠「プレスター・ジョンとモンゴル帝国-『プレスター・ジョン伝説』(2)-」『就実女子大学史学論集』4、1989年、43-82頁
・福田誠「プレスター・ジョンとエティオピア-『プレスター・ジョン伝説』(3)-」『就実女子大学史学論集』6、1991年、163-195頁
 本書を読んで面白かったのは、プレスター・ジョンがその(想像上の)国のトップでありながら、「司教」などの称号でなく、「司祭」なのかにふれたくだりです(ラテン語バージョン訳では、110-111頁)。想像上の国、人物でありながら凝った造形で、勉強していて面白いなぁと思います。

 アレクサンドロス大王の手紙(偽文書ですが…)も面白かったです。東方に遠征しているアレクサンドロス大王の一行が、やたらめったら化け物に襲われます。サソリの群れや象、キュノケファルス(犬頭人)グリフォン、などなど…。ほとんど冒険小説を読んでいるような感じでした。


(2010/05/03読了)





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Last updated  2010.06.02 07:14:52
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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