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2012.08.27
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Michel Pastoureau, "La diffusion des armoiries et les debuts de l'heraldique"
dans Michel Pastoureau, Figures et Couleurs : Etude sur la symbolique et la sensibilite medievales , Paris, 1986, pp. 89-113.


『図柄と色彩―中世の象徴と感性に関する研究』 所収の論考を紹介します。今回は、「紋章の普及と紋章学の起源」を紹介します。
 まず、本稿の構成は次のとおりです。

ーーー
[序]
I.史料
II.紋章の普及
 1.普及の諸要因
 2.普及の諸段階

  b.社会的問題
  c.想像上の紋章
 3.家系の紋章学的構造
III.紋章規則の誕生
 1.図柄と色彩
 2.紋章学的構成と紋章用語
 3.紋章の意味作用
IV.王家の紋章の問題
ーーー

 本稿は、序の部分で、紋章の普及に関する研究が不十分であると指摘した上で、本論に入ります。

 Iの史料では、紋章研究に使われる史料と、その性格が簡潔に指摘されます。とりわけ重要なのが印章で、ほかにも細密画や墓碑、貨幣、絵画などが、史料としてあげられます。


 地理的観点からいえば、1225年頃には、紋章は全西欧に広まりました。
 社会的観点については、女性や高位聖職者の最古の紋章の事例が紹介され、その他庶民や都市、同職組合などによる紋章の使用についても論じられます。
 IIの3では、家系の紋章を受け継ぐ際、長男は完全な図柄を受け継ぎ、長男以外は微妙な変更を施す「差異化」を行うことや、家臣団が保険領主の紋章を採用して形成される「同一紋章集団」(groupes d'armoiries)(註1)が紹介されます。
(註1:この訳語はのぽねこによる試訳です。 『紋章学概論』第1巻第2章「中世社会全体による紋章の採用」 の記事のなかでも、この語についてふれています。また、本稿は、構成や内容の点からも、まさに同章を下敷きにして、簡潔にまとめた論文といえます)

 また、「語呂合わせ紋章」(例:ノルマンディー地方の農民Raoul Cuvierさんが、たらい[cuvier]を紋章としたこと)や、文学作品に描かれる紋章が、その紋章をもつ人物の性格を暗示する役割を担っていたことなどが指摘され、興味深いです。

 IVは、フランス王家の紋章「青地に金の百合の花の散らし」の起源や背景に関する考察となっています。

 先に註1で書いたとおり、『紋章学概論』の1つの章を整理した内容なので、復習のような位置づけとなる読書でした。





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Last updated  2012.08.27 21:16:47
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 なにぶん…

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