のぽねこミステリ館

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2016.09.17
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~慶應義塾大学出版会、2015年~


 著者の神崎忠明先生は慶應義塾大学文学部教授。次の著書の訳者です。

・ジャン・ルクレール(神崎忠昭・矢内義顕訳)『修道院文化入門―学問への愛と神への希求―』知泉書館、2004年

 さて、「本書はもともと慶應義塾大学通信教育課程の教科書として企画された」(2頁)1冊で、中世ヨーロッパに関する(わが国ではおそらく最新の)概説書です。
 本書の構成は次のとおりです。

―――
イントロダクション
第1章 大いなるローマ
第2章 古代世界の終焉とゲルマン人
第3章 フランク王国

第5章 鉄の時代――混乱と再編
第6章 皇帝
第7章 教皇
第8章 修道士
第9章 英仏の葛藤
第10章 都市
第11章 新しい宗教生活
第12章 国民国家
第13章 それぞれの国制の模索
第14章 隣人から一員へ
第15章 中世後期の教会

第17章 人の一生
第18章 宗教改革
第19章 近代へ
エピローグ

人名索引

図版出典一覧
―――

 構成からも分かりますが、後期古代から近代の幕開けまでの約1000年間という時間軸のなかで、様々なテーマが扱われています。

 興味深く感じたのは、「隣人」の名で、北欧や東欧、イスラームなど、幅広い地域にも目を配られていることです。

 図版も豊富で嬉しいです。

 ただ、参考文献一覧がないのが少し残念でした。たとえば章ごとにでも、特に重要な参考文献だけでも紹介されていると、さらに自分で勉強を深めるきっかけになると思うのですが…。

 とはいえ、上に書いたとおり、時間的にも地理的にも広い目配りがされていて、とても勉強になる概説書だと思います。イントロダクションで、中世ヨーロッパの自然環境にもふれられているのが嬉しいです。また、著者自身の時代区分が明示されているのも興味深いです。最近では、佐藤彰一先生が 『中世世界とは何か』 の中でヨーロッパ中世という時代の位置づけを行っていますので、読み比べてみるのも勉強になると思います。

 今後も適宜読み返して、勉強したいと思います。





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Last updated  2016.09.17 13:55:35
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Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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