ゲーテ(高橋義孝訳)『若きウェルテルの悩み』
~新潮文庫、 1995
年 100
刷改版~
Johann Wolfgang von Goethe, Die Leben des Jungen Werthers
, 1774/1784
詩人、作家、学者のヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ (1749-1832)
物語は、「編者」が、ウェルテルから主にその友人(?)のウィルヘルムに宛てた手紙を整理して提示する、という形式で進みます。
若き絵描きのウェルテルが、ある悲しい出来事をきっかけに、一人故郷を離れます。
そこで、ウェルテルは、婚約者がいるという女性、シャルロッテに出会い、熱烈な恋をしてしまいます。
彼女の言動の一つ一つに一喜一憂しながら、何度も彼女のもとを訪れるウェルテルですが、話に聞いていたとおり、彼女には婚約者―アルベルトがいました。
アルベルトの人柄も認めながら、3人の奇妙な関係が続いていきますが、やがて少しずつすれ違いが起こり始め…。
という物語です。
この物語が刊行されたのち、自殺が増加するという現象があったようです。少し調べていると、著名人の自殺報道を受けて自殺が増加する現象を「ウェルテル効果」というそうですね。
作中でも、ウェルテルは、ある女性の死を念頭におきながら、自殺を擁護するような発言をし、アルベルトと対立する印象的なシーンがあります。
なんともやりきれない思いの残る物語です。
(2025.08.05 読了 )
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