仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.03.27
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カテゴリ: 東北
何日か前に新聞で見たのだが、社民党宮城連合が頑張っているな、と思った。佐高信さんを塾頭にして政治塾を開催、4月から11月まで8回の連続講義。そのうち公開講座は随時参加も可能(1回2千円)というもの。公開講座は、初回と最終回の佐高さん、第5回の福島瑞穂党首。他の回は、地元の学識者の方々で、年間受講料1万円で塾生になることが必要とのこと。
「佐高信」政治塾 (社民党宮城県連合のHPに出ている。なお、これを見て、佐高さんが酒田市の出身と知りました。)

うたい文句には、無理心中解散を断行した小泉ヒトラーと対決するとき、などと威勢が良いが、政党が関与しているから(形式上は運営委員会主催になっているけど)そうなのだろう。ただ、私は佐高さんの肉声も一度聞いてみたいとの興味を持った。初回講演のテーマは「『歴史と人間』をどう読むか 司馬遼太郎と藤沢周平」。

でも、思い直した。たしかに良い機会だが、おそらく内容的には著作を読んで知る以上のことが講演で得られるとは思えないし、実物を是非見たいほど氏に心酔している訳でも全然ない。「頑固に平和」の純朴な社民党ファンの雰囲気の中にポツネンと座っている自分も、やっぱり何か珍奇だし。

最近仙台での講演モノで関心を持ったのでは、他にZ会の野口悠紀雄さんの講演がイベントホール松栄で。あ、これは昨日26日(日)だから、もう終わっていますね。(昔東京で研究会に来て頂いたことがあります。「超」整理法で超有名になる前ですが。)

ところで、社民党には、党勢を支える佐高さんのようなキーパーソンが何人かいる。私には、佐高さんに対しては、昨年の総選挙で返り咲いた保坂展人と重なるイメージを持っている(不勉強ですが)。保坂は憲法判例で超有名な麹町中事件の当事者だ。その彼が今では教育に関する本まで書いているという。ちなみに保坂氏も仙台生まれだそうだ。

これらのシャープで自意識の固まりのような論客を活用して、社民党宮城県連も何とか盛り返そうと努力しているのだ。

高校くらいの頃の私は、全国的には社会党はまだ知識人の拠り所だと思っていた。現にそうだったろう。大都市地域では学者出身の首長が多かった。市民運動の政治チャネルの役割も果たした。そして、自分も若さゆえの反体制ムードに染まっているから、河野洋平の新自由クラブや社会民主連合(江田三郎も離党していなければ社会党も変わっていただろうに。)に注目していた。大学では学生運動の残党たちには全く共感を持たなかったが、それでも成人して自民に投票するのはためらわれた。単純に言えば、若かった。


今のような「政策本位」(マニフェストなどと耳障りだけで、本当に政策本位か疑問だけれど)ではないにしても、有権者は冷静に判断するから、政府の施政に反対なら自民党員でも自民党に投票しない。そこに、社民党も確固たる地盤をもち実力ある候補者もいるから、票は流れた。

今はどうだろう。社民党は三宅坂の会館だけは伝統を受け継いだが、縮小純化し、反体制票の流動先の地位も民主党に明け渡した。私自身、社民党の党としての憲法に対する考えについては理解できないし、教育や環境問題にしても、理念や手法論がどうしても出てしまい(拭えない体質なのだろう)、よくわからない。

ただ、それでも、地域では根強い支持があるようにも思える。宮城県では、県議会に6議席、仙台市議会にも6議席を持つ。県議会の民主会派が7人であることと対比。

余計な憶測だが、地域の声を真摯に聞こうとする社民党議員にとって、中央レベルの理念や手法論はどう映るのだろうか。とにかく、混乱してくれるな、シャープな著名人もいいけど、福島さんのイメージ戦略もいいけど、地元の今の課題である雇用と生活をどう守っていくのか。党自体の将来と政策の混乱に不安を持ちながらも、うすれゆく自らの組織と地盤を必死に保ち、日々生活者の声を聞こうと努めているのではないか。何か、そんな政治家像が浮かんでくる。

そう言えば、ベテラン議員が多い。自民に若手が多く生まれたのと好対照だ。

最後に、東北の他県の社民党議席をみてみよう。(社民党各県連合のHP等から。推薦含む。数は不正確かも知れない。)
 ○宮城(定数60)県6 なお仙台市6
 ○青森(50) 県3
 ○岩手(47) 県3 なお盛岡市4
 ○秋田(46) 県4
 ○福島(56) 県3 なお福島市4 郡山市4


やっぱり宮城は社民党が根強いと言えるかも。民主王国と言われながら総選挙では惨敗したこととの関係は、どうだろうか。





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最終更新日  2006.03.27 05:50:23
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