仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.05.17
XML
カテゴリ: 東北
平成の合併で生まれた様々な自治体名を論評する書物を読んでみた。

竹内正浩『日本の珍地名』文藝春秋(文春新書697)、2009年

テーマ毎に分類されていて、わが東北の関係では、
----------
(1)地名相似形
 山形市・山県市(岐阜県)
 宮古市・宮古島市(岩手県)
(2)所在地不明地名
 美里町(宮城県ほか)・美郷町(秋田県ほか)

 北秋田市
 奥州市
 洋野町
(3)リミックス地名
 由利本荘市
 中泊町(青森県)
 八峰町(秋田県)
(4)まぼろし地名(実現に至らない)
 はながさ市(山形県)
 白神市(秋田県)
 平泉市(岩手県)

 松島町・東松島市(宮城県)
 八幡平市
 おいらせ町(青森県)
 相馬市・南相馬市
(6)小手先変更地名

 南部町(まち→ちょう)
 由利本荘市
 にかほ市
(7)難読・誤読地名
 大仙市
 登米市
----------
といった具合だ。他地域民から見て一般にその土地を察することのできる名称であるべき、という独自の地名観に基づくように思える部分も多く、おそらく観光業に携わった著者としての地名への愛着や見識ではあるのだろうが、私は、地域自身が将来に抱く主体的な思いをより重視して良いと思う。それはともかく、面白い本ではある。

例えば、所在地不明地名番付とされた「奥州市」だが、広域市名の双璧として、同じページに紹介されたのは、鹿児島県の南九州市だ。これは、私も指摘されて初めて気がついた。北九州市と南九州市、なのだ。壮大な地名だが、実際に北九州市と交流協定を結んで交流事業をはじめているというから、面白い。

奥州市については、著者は「岩手県の一地域が、大きく出たものである」と冷ややかだが、客観的にはそうかも知れない。しかし、以前記したように、名が歴史を作ることもある。その思いを大事にしたい。
■関連する過去の記事
誕生!奥州市 (06年2月20日)
「北上市」という命名を50年後の今賞賛する (05年11月18日)

たしかに奥州とはビッグであるが、ビッグな地名をいうなら、その名もズバリ東北町(青森県)ではないだろうか。05年3月に、東北町と上北町が合併して、東北町の名を引き継いだ。上北郡の甲地村が昭和30年代の町制施行で東北を名乗ったものだ。

今や、南九州市、四国中央市もある。そして東京には西東京市もある。もともと「東北」が方位なのだから、これにまた方位を付するのは混乱するが、思考上では面白い。ならば、北東北市、南東北市。究極は、東北南西市とか。山形あたりか。

そう言えば、岩沼市にあるのは南東北病院だが、最初は、方位が3個もついて奇異に感じた。郡山にある病院の系列だそうだから、納得。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.05.17 06:12:24
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

コメント新着

ななし@ Re:北のキリシタン聖地-旧大津保村を中心に(その3 大籠地域)(09/10) 『1917年(元和3)年頃の統計では、佐竹藩…
おだずまジャーナル @ Re[3]:水の森公園の叢塚と供養塔(08/03) 風小僧さんへ 規模の大きい囲いがあった…

プロフィール

おだずまジャーナル

おだずまジャーナル

サイド自由欄

071001ずっぱり特派員証

画像をクリックして下さい (ずっぱり岩手にリンク!)。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: