仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2013.06.08
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カテゴリ: 東北
小泊は、想像したよりは市街地が集積した町だった。日本海漁火センターに水槽やビデオもあり、遺跡も学習できるなどとと事前に調べていたのだが、実は場所がよくわからずじまい。

折戸から峠を越え、中学校を過ぎて程なく小さな四つ角にさしかかるともう小泊の町。海に出て走っているうちに、たぶんセンターと反対方向に向かったのだろう、着いたのは小泊マリンパークというところで、夏季の海水浴施設のためなのか閉鎖されていた。

小泊漁港に引き返すのを断念し、浜から内陸部に上がってみると、交番の近くに小説「津軽」の像記念館が見つかった。穏やかな海が見える高台。すぐそばに小学校があって、静かな中にも子ども達の元気な声が響いていた。

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旅人は再び国道339号で更に北を目指す。竜泊ラインは山道からまた海ぎわに降りてくる。折越内地区だ。そこの道の駅こどまり(折越内交流施設ポントマリとも標記)で車を停めた。

画像は駐車場から見た小泊北部の海岸。

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直売所、レストラン、売店。ヤリイカの姿焼き300円にも心は傾いたが(昨日の風合瀬でもガマンした、下北半島で今日の夜か明日味わおうと言い聞かせ)、売店でミネラルを一本。そして「小泊銘菓ごんげんざき」を一箱おみやげに買った(小、1150円)。家族に珍しいことと後で評されたように、立ち寄り先でこまめにお菓子を買うことはめったにしない自分である。しかし、もう午前10時、昼には龍飛、日没前には尻屋崎を目指す旅の予定から、小泊の名所や海岸奇岩をほぼ素通りしてしまう申し訳なさだったのか、とにかく手が伸びて買ったのだ。

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だいたい買って帰った菓子は知らぬ間に家族が食べてしまうものだが、後日この「ごんげんざき」は私も食べた。何とも言えぬ美味しさで、結局2個も食べてしまった。

味や素材には全く無頓着なので表現できないが、玉子を練り込んだ白あんを小麦粉か何かの生地で包んで焼き上げたのだろうか(たぶん違う。失礼)、軽い甘さがあって、ボリュームもあるので、かみしめながら小泊を思い出した。たしかに、どこにでもありそうな菓子と言えばそれまでだが、私には静かな海と津軽の像記念館、そして子ども達の明るい声が思い出された。菓子の包み紙では小泊の町中のお菓子屋さんのようだ。ではあの近くだったろうか。

土産は、そこに行かなかった人に自分は行ってきたよ、というものだと思っていた。自分が食べて旅を深める、という味わい方もあるのだ。おそらく、もう行くことはなかろう。一度だけの訪れ。今また書きながらの回想も含めて、何度も噛みしめて心に残るのが、旅の情けか。





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最終更新日  2013.06.08 07:50:59
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