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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(202) ユリと女 1990年代前半 ※これも、おそらく何か小説かエッセイの挿絵のために制作されたのであろう作品。斜め上から見下ろすような構図、対象も画面全体には描かず、見る人の想像力に任せる。一徹氏の絵の配置ではよく見られる手法である。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/30
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ITTETSU GALLERY:もう一つの成田一徹(181)~(200) バー・シーンを描いた切り絵で有名な成田一徹(1949~2012)ですが、実は、バー以外をテーマにした幅広いジャンルの切り絵も、数多く手掛けています。花、鳥、動物、職人の仕事、街の風景、庶民の暮らし、歴史、時代物(江戸情緒など)、歴史上の人物、伝統行事・習俗、生まれ故郷の神戸、小説やエッセイの挿絵、切り絵教則本のためのお手本等々。 今回、バー・シーンとは一味違った「一徹アート」の魅力を、一人でも多くの皆さんに知ってもらいたいと願って、膨大な作品群のなかから、厳選した逸品を1点ずつ紹介していこうと思います(※一部、バー関係をテーマにした作品も含まれますが、ご了承ください)。 ※故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします。(181)作家の万年筆 1995年 ※作家・邱永漢氏(1924~2012)のエッセイ「鮮度のある人生」(月刊「ほんとうの時代」誌連載)のための挿絵として制作。連載は1994~96年の約2年、計20回続いた。(182)大都会は人間カクテル 2012年 ※兵庫県人権教育研究協議会の広報誌(2012年1月発行)の表紙のために制作。月夜の摩天楼、カクテルグラス、その周りを飛ぶ鳥たち。一徹氏がこの絵(モチーフ)で何を表現したかったのかはよくわからない。もちろん、「人権教育」のための媒体という性格上、何らかのメッセージ(意味)が込められていたことは疑いない。 私なりに解釈すれば、ニューヨークのような人種のるつぼの街は、まるでカクテル(混ぜ合わせたお酒)のようで、そんな多様性が愛される街の方が、一人ひとりの人権も大切にされ、文化も文明も発展していくということだろうか。周りを飛ぶ鶴たちは「幸せを運んでくる鳥」のようにも見える。一徹さん、私の解釈は合ってますか?(183)アーネスト・ヘミングウェイ 2005年頃 ※白い紙は一切使わず制作した異色の作品。Ernest Hemingway(1899~1961)は、20世紀を代表する米国の小説家。シカゴに生まれ、高校卒業後の1917年、地方紙の見習い記者となるも退職。翌年、赤十字の一員として第一次世界大戦における北イタリア戦線に赴くが、瀕死の重傷を負った。戦後の20年代はカナダ紙の特派員としてパリに渡り、そこで小説を書き始めた。 行動派の作家で、1930年代にはスペインの人民戦線政府側として内戦に積極的に関わり、その経験を元にして『誰がために鐘は鳴る』『武器よさらば』などを著した。 1954年にはノーベル文学賞を受賞。他に代表作は『日はまた昇る』『老人の海』など。晩年は、躁うつなど精神的な病気に悩まされ執筆活動も滞りがちになり、1961年7月2日の早朝、散弾銃による自殺を遂げた。 ヘミングウェイはその生涯で、パリのほかフロリダ、キューバなど世界中の様々な場所で居を構えた。なかでも、キューバでは人生の3分の1を過ごした。ハバナで常連客として通ったバーでは、フローズン・ダイキリやモヒートを愛飲したことでも知られ、前者は「パパ・ダイキリ」「ヘミングウェイ・スペシャル」との異名で、今も愛されるカクテルになっている。(184)神戸港・中突堤 1984年 デッサン用黒鉛筆&彩色 ※プロデビュー前、サラリーマン(準公務員)として勤めていた神戸市の外郭団体「神戸港振興協会」の建物は、岸壁のすぐそばにあった。仕事の合間には、スケッチができる対象がいろいろあった。この水彩もその1枚。本人はこの頃、すでに「プロになるか、ならないかは別にして将来、(表現手法は)切り絵1本で」と決めていたので、「中突堤」と題されたこの水彩は、単なる気分転換のための習作だったのかもしれない。(185)文藝春秋の目次ページのために 1996年 ※一徹氏はプロデビュー直後から、文藝春秋からしばしば挿絵作品の依頼を受けた。同社発行の月刊「文藝春秋」のほか月刊「オール読物」などが発表の場だった。作品は作家の小説やエッセイの挿絵であったり、目次ページを彩るカットであったりした。 これは1996年1月に発行された別冊「文藝春秋」の目次ページのために制作されたもの(2枚の作品は、見開き&折りたたみの目次ページの左右の端に配置された)。黒とブルー、オレンジ、白の色使いのみならず、スパッタリング(霧吹き手法)によるグラデーション処理などが個性的で面白い。小さい仕事でも手を抜かなかった一徹氏らしい作品である。(186)ニューヨークのバーにて(2つのヴァージョン) 1993年 ※バー切り絵作品集『NARITA ITTETSU to the BAR』にも収録された「ニューヨークのバーにて」という切り絵。80年代に当地を訪れた一徹氏が見たであろうバーに集う人々が、生き生きと描かれている。実は、この切り絵には通常ヴァージョン(上=本に収録したもの)の他に、白黒反転ヴァージョン(下)がある。なぜ2種類を制作したのかは、今となっては天上の一徹氏に聞くしかない。 前者の原画は現在、一徹氏の母校・大阪経済大学の「成田一徹」ギャラリーのコレクションに所蔵され、学内で公開されている。後者はバーUK店内のギャラリー壁面で常設展示されている。(187)月夜の外航客船 1990年代前半 ※一徹氏は同じような構図の切り絵を、生涯に何点か制作しているが、これは珍しいカラー作品。ただし、何の媒体用に制作したかは現時点では分かっていない。(188)クラシック・ファッションのための小品<D> 1990年代前半 ※この連載の第18回目、48回目、90回目で紹介したクラシック・ファッションの作品と同時期の作品。とくに48回目の作品(下の画像ご参照)の連作として制作されたと思われる。切り絵技法書の作例としても掲載された。(189)Shall we dance? 1996年 ※この連載の第162回でも紹介した故・伊藤精介氏のエッセイ「今宵どこかのBARで」(集英社刊「スーパージャンプ」誌連載)の挿絵として制作された。エッセイは、東京・鶯谷にあったキャバレー「スター東京」を伊藤氏が訪れた際のエピソードを綴っているが、一徹氏は、エッセイの中に登場する「ダンスフロアでジルバを踊る男女のペア」を描いた(服の柄には珍しくスクリーントーンを使っている)。景気低迷とコロナ禍もあって、このようなキャバレーはほとんど姿を消した。そのうち「キャバレー」という言葉自体が死語になるかもしれない。(190)刃(やいば) 1990年代? ※正確な制作時期は、はっきりしないカラー作品。冷気すら感じさせ、シュールな雰囲気も漂う。刃身の向こうに見える紅い円は、月か太陽か、それとも何かを象徴するものか。一徹氏に制作意図を聞いてみたくなる。(191)雨宿りの一杯 1990年代前半 ※何かの挿絵として制作した作品だろう。傘を持った紳士がカウンターに座っている。ゴムの長靴まではいているくらいだから、きっと、外はかなり酷い雨に違いない。こういう天気の時は、雨が小降りになるまでバーでひと休みするに限る。「カウンターでのゆったりとした一杯は、冷えた心を温めてくれるなぁ…」。初老の男性客の背中からは、そんな気持ちが伝わってくる。(192)画家のペン立て 1990年代後半 ※アーチストの商売道具を立てておく筒を描いた作品。中にはナイフ、ペーパーナイフ、かぶらペン、竹ペン、筆、ハサミなどが収められている(一徹氏自身のペン立てをイメージしたのかどうかは分からない)。よくよく見れば、上に向かって広がる形状、かすかに泡立つ液体のような外観。これはグラスなのかもしれない。背後からは、なぜかフクロウがこちらを見つめている。現実にはあり得ない光景である以上、やはり、空想の産物なのだろう。(193)ケンタウロス 1980年代前半 エッチング版画 ※プロデビュー前に、表現手法を試行錯誤していた時期の作品。ギリシャ神話にも登場する半人半獣(馬)の「ケンタウロス」を描いている。 野心深いイクシオンという青年が神妃ヘラに欲情したので、大神ゼウスがヘラの形に似せた雲を身代わりにした所、イクシオンとその「身代わり雲」の間に生まれたのがケンタウロスという。酒が好きで好色。弓矢を持ち、凶暴という性質を持ち、「英雄に退治される側」であることが多いが、時には「騎士」として「殺す側」に回ることもある不思議な存在である。 一徹氏はこの時期、切り絵、水彩、デッサンなどと並行して版画にもチャレンジしており、この連載の第24回「バーの情景」、第68回「デス・ヴァレー(死の谷)」、第107回「船長の肖像」で紹介した作品もエッチング版画(下の画像ご参照)。(194)不思議なカクテルグラス 1995年頃 ※エッセイの挿絵として制作した作品。カクテルグラスの向こうには大海原、グラスの中には入道雲をバックにした帆船が見える。一徹氏にとっては、カクテルグラスに、様々な空想上の光景をプラスするモチーフはお手の物で、生涯にこのような作品を数多く制作した。(195)シラサギ(連作) 1990年代前半~後半 ※鳥の中で、一徹氏が最も得意としたのはシラサギやツル。1枚目と2枚目は同じポーズのヴァリエーション(2枚目の絵のひらがなの「落款」は極めて珍しい)。3枚目は少しポーズを変えている。貴方はどれがお好みですか?(196)雪国の農家 1990年代前半 ※雪国の冬の朝だろうか、長閑な雰囲気が漂う。空の表現に注目してほしい。スパッタリング(霧吹き手法)で空や雲をどれだけ上手く描けるにチャレンジしてみたのだろうが、その試みは成功し、どんよりとした冬の空を見事に表現している。(197)フランク永井 2002年 ※この連載第31回のちあきなおみ、第103回の青江三奈、第131回の松尾和子と同様(下の画像ご参照)、ビクターレコードからの依頼でベスト盤CDのカバージャケット用として制作された。 フランク永井(1932~2008)は魅力的な低音を生かして、ムード歌謡の歌手として活躍した。1951年(昭和26年)頃から、進駐軍のクラブ歌手として活動を始め、1955年にビクターと契約。「恋人よ我に帰れ」でデビューした。 当初はジャズを中心に歌っていたが作曲家・吉田正と出会ったのを機に歌謡曲に転身、1957年に発表した「有楽町で逢いましょう」が空前のヒットを記録し、一躍トップスターとなった。 1961年に発売した「君恋し」は同年の第3回日本レコード大賞を受賞、人気を不動のものとした。他に代表曲は「夜霧に消えたチャコ」「霧子のタンゴ」や、松尾和子とデュエットした「東京ナイト・クラブ」など。 NHK紅白歌合戦の常連出場者としても知られ、1957年から1982年まで連続26回出場した。しかし、1985年10月21日(当時53歳)、自宅で首吊り自殺を図った。夫人による発見が早かったこともあり、辛うじて一命は取り止めたが、脳などに重い後遺症が残り、以後、歌手活動をすることはなかった。2008年10月27日、東京の自宅で肺炎のため死去。76歳だった。ちあきなおみ(第31回)青江三奈(第103回)松尾和子(第131回)(198)大仏開眼 1995年 ※この年開催された京都市内での切り絵原画展のために制作された作品(案内はがきにも使われた)。黒と金だけで構成されたカラー作品。スパッタリング(霧吹き手法)を使ったグラデーションが重厚な雰囲気を醸し出している。朱色の落款もワンポイントとしてとても効果的だ。(199)海の男たち 1980年代前半 木版画? ※プロデビュー前の作品。原画の存在は確認されていないが、勤めていた神戸港振興協会の広報紙のために制作されたと思われる。「切り絵」とは記されておらず、印刷部分の粗さを見てみると、ひょっとしたら、現在確認されている一徹氏の作品の中では、唯一の木版画(またはゴム版画?)ではないかとも考えている。(200)稜線越しの月夜 1990年代前半 ※横長の構図からして、おそらくは「文藝春秋」か「オール読物」誌上でのエッセイか小説の挿絵として制作したものと思われる。シンプルなカッティング(線)だけで山の稜線も浮かび上がらせる技量は見事と言うしかない。 ※絵の制作時期については正確に分からないものも多く、一部は「推定」であることをお含みおきください。★過去の総集編ページをご覧になりたい方は、こちらへ。 【Office Ittetsuからのお願い】成田一徹が残したバー以外のジャンルの切り絵について、近い将来「作品集」の刊行を計画しております。もしこの企画に乗ってくださる出版社がございましたら、arkwez@gmail.com までご連絡ください。・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2021/04/29
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(201) 飛べるよ、ボクは! 1990年代前半 ※何かのエッセイのための挿絵のために制作された作品だろうが、切り絵技法書の「作例」としても収録された。石段の上からのジャンプ。一見、危険な遊びだが、男性なら、幼い頃に一度や二度はやった経験があるのではないだろうか。それにしても、一徹氏の描く子どもたちの表情は生き生きして、可愛い。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ★こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2021/04/29
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マスターが企画・制作に協力したゲームソフト「エンパイア・オブ・シン」が発売されて約2カ月が過ぎました。マフィアが暗躍した米国の禁酒法時代(1920~33)。その中心地でもあったシカゴを舞台にした異色の戦略シミュレーション・ゲームです。そこで、発売時にマスターが制作スタッフ側から受けたインタビューを、改めてゲームソフトの宣伝ページから紹介してみたいと思います(以下、ゲームのWEB宣伝ページで紹介されたインタビューからの転載です。今回、このBar UK公式HP&Blogに掲載にあたって少し補筆しました)。 この『エンパイア・オブ・シン』では、敵から奪った金や施設をもとに密造酒を作り、「もぐり酒場」や「裏カジノ」などに卸すことで巨万の富を築き、暗黒街の支配者を目指していきます。お酒に関する事柄が、ゲームを進めていく上で重要な要素として盛り込まれているのです。1920年代の米国といえば、有名な「禁酒法」の時代。この時代だったからこそ、お酒は多くのマフィアの資金源となりました。果たして、「禁酒法」の実態とはどのようなものだったのでしょうか。 今回、この禁酒法を「お酒」のエピソードから紐解き、『エンパイア・オブ・シン』の時代設定をより深く楽しみ、理解するべく、カクテル史研究家にして大阪・北新地の「Bar UK」のオーナー・バーテンダーでもあるマスター(荒川英二氏)に取材を敢行しました。本記事が『エンパイア・オブ・シン』へ興味を持つための一助になれば幸いです。 *******************************************************――今日はよろしくお願いいたします。まず最初に、マスターのプロフィールをお聞きできればと思います。マスター 大学を卒業した1977年から長らく新聞社に勤めていたのですが、仕事の傍らバーへよく通っていました。その後、バーを通して様々な方たちと親交を深めていく中で、40歳くらいから、「定年後に自分でバーをやってみたいなぁ」という夢を漠然と思い抱くようになりました。 新聞社勤めからなぜ接客業に?とよく聞かれるのですが、新聞記者も取材相手と会って信頼を得ないと、いいネタがとれない=いい記事が書けないという仕事なので、ある意味接客業みたいなものなのです。だから今、カウンターの中に入っていろんなお客様と接することに、まったく抵抗はありませんでした。 記者や編集者の仕事をしながら開業資金を毎年少しずつ貯め、ウイスキーのボトルも少しずつ買い集める一方、お酒やカクテルの歴史も個人的に勉強・研究して、ブログなどで発信するようになりました。禁酒法時代のことも、そうした勉強・研究の中で学びました。 バーの切り絵で知られる故・成田一徹氏とは、私が20代後半の1982年に出会って以来、彼が亡くなる(2012年)までの30年間、ずっと親しい飲み友達でした。そして、成田氏に背中を押される形で、ちょうど60歳になった2014年に自分のバーを開きました。今年でちょうど8年目ですね。店は一人で営んでいます。当たり前ですが、バーテンダーとしての仕事からトイレ掃除まで、なんでもやっていますよ(笑)。――バーテンダーとしてのスキル的な部分も、お酒の勉強をする中で身につけていったのでしょうか。マスター そうですね。独学で学びながら、仲の良い神戸のバーのマスターに時々教えてもらって修業していきました。ちなみに、バーテンダーを「バーテン」と呼ぶ方も居るかとは思いますが、これはバーテンダーという職業を「一段低く見てきた時代の蔑称」なので、嫌がる同業者もいます。現在のバーテンダーはみんな、自分の仕事に誇りやプライドを持っています。「バーテンダー」と正しく呼んでもらえると嬉しいです。――なるほど、気をつけます。では早速『エンパイア・オブ・シン』の舞台となっている「禁酒法」の時代についてお話を伺えればと思います。マスター 「禁酒法」(The Prohibition law)という名前自体は有名ですが、その実態については知られていないことも多いようです。「禁酒法」というのは米国で1920年~1933年まで、約13年間も続いた法律ですが、その成立の背景には、1914年に勃発した第1次世界大戦の戦争準備があります。戦争に備えて法律で飲酒を禁止し、労働への意欲を高めなければならないという動きが1910年頃から起こってきました。 そして元々「酒を飲むことは罪悪」と考えていた敬虔なピューリタン(清教徒)の影響があったと言われています。米国は様々な国からの移民で出来たのですが、英国からの移民であるピューリタンが「反飲酒運動」で強い影響力を持っていたことも大きかったと言えます。 もう一つの背景には、当時米国の酒造業界で主流だったビールやバーボン、ライ・ウイスキー業を牛耳っていた人たちにドイツ系移民が多かったこともありました。どういうことかというと、第1次世界大戦では米国はドイツを敵国として戦うことになります。そこから、ドイツ系移民への反感が高まり、彼らが造る酒まで憎しということになったのです。実際、戦争は1918年まで4年間続きました。このような背景から、「禁酒法」が1919年に公布。約1年の猶予期間の後、翌1920年に施行となりました。――その実態はどのようなものだったのでしょうか。名前だけ見ると、飲酒や製造は一切禁止されてるようなイメージもありますが。マスター これは意外と知られていないのですが、実際は「アルコールの製造・販売・輸送・輸出入」が禁止されていただけであって、「家庭内での飲酒や医薬品としてのアルコール販売」までは禁止されてはいなかったんです。当時、医師はバーボンウイスキーなどを、「医療用」として処方することもでき、国民は医者の処方箋さえあれば、薬局でお酒を買うことができたのです。他にも、自身で消費するための自家製ワインやシードルも禁止されていませんでした。かなり抜け穴だらけの法律だったというわけです。――ですが、当然お店で飲むのはダメだった、と。マスター 「建前上は」ダメでしたね。しかし、『エンパイア・オブ・シン』のゲームにもあるように、「もぐり酒場(スピークイージー)」という酒場が多く誕生しました。この「もぐり酒場」は、最盛期は全米で20万軒ほどあったとされ、その程度もピンからキリまでありました。 富裕層が通うホテル付属のバーや高級クラブでは、禁酒法公布から実際に施行されるまでの1年の猶予期間に、たくさんのお酒を買いだめして隠し、施行後にそれらを秘密裏に提供しました。一方、こんな高級なクラブなどには通えない庶民たちは、もっと安い「もぐり酒場」へ出向いたり、粗悪な密造酒を手にして家で飲んでいたのです。――そこまでくると、法律としてはあってないようなものですね……。マスター だからこそ、ゲーム内でも資金稼ぎの要素として盛り込まれているように、マフィアたちの裏稼業の場として使われたのです。彼らはこの法律の裏をかいてお酒を密造し、そして他国から密輸入していました。この「禁酒法」は、あくまで米国内でのみ有効だったので、主に隣国のカナダから陸路でお酒を密輸入したり、南のカリブ海の島国からは、ラムを海路で密輸していました。 しかし、これらの密輸入されたお酒は比較的高級品で、一般庶民へは密造したジンやウイスキーや、実際はそこそこアルコール度数はあるのに、見かけは「合法なアルコール度数0.5%以下」をうたったビールが出回っていたようです。――『エンパイア・オブ・シン』のゲーム内でも、アルコールは大きな要素の一つとなっていますし、飲むと健康を害するようなお酒を作っていたというエピソードも見ることができます。色々お話を聞いていると、人間のお酒への欲望の強さがわかりますね。マスター お酒(アルコール)を飲みたいという人間の欲求を法律で禁止するなど、土台無理があったんでしょうね。後世の歴史家は、「人類史上のある種の壮大な実験だった」とも言っています。ただ、米国は、最近でもトランプ氏のようなおかしなキャラクターの人が大統領にまでなってしまうなど、何かのスイッチが入ると、国民が一方向へ一斉に走り出してしまう国民性があるので、「酒を禁止する」なんて、いまの時代ならあり得ない法律でもあれよあれよと成立してしまったんでしょうね。――ゲームで描かれるのはそんなマフィアたちが蔓延(はびこ)り、もぐり酒場が軒を連ねた禁酒法の時代なのですが、逆にこの時代に発展し、今なお飲まれているお酒というのはあるのでしょうか。マスター 実はこの時代、米国内のバーボン業界、ワイン業界は壊滅的な打撃を受けましたが、カクテルは、意外かもしれませんが「もぐり酒場」を舞台にして発展していったんです。優秀なバーテンダーは禁酒法の施行に合わせてヨーロッパなどへ逃げ出していったのですが、そこまでできないバーテンダーは「もぐり酒場」で働くことになりました。 彼らは禁酒法の摘発逃れのために、「お酒に見えないようなお酒」、つまりカクテルの創造にチャレンジしたのです。「これはジュースである」とごまかせるようなカクテルや、生卵やはちみつを使ったカクテルが発展したのもこの時代ですね。――ゲーム内でも、酒を求める不審者(実際には覆面警官)に「サイダーならある」と言うシーンが有るように、お酒をお酒として見えないようにしていたと。マスター そうですね。また、この頃の一つの大きな変化として、カクテルの発展以外に、女性の酒場への進出というのも挙げられます。実は禁酒法が施行され、もぐり酒場が登場するまで、女性はあまりバーへ行くことがなかったのです。 ところが、1920年代に入っては女性が様々な場で力を持ち進出してきたということもあり、それに合わせて「もぐり酒場」へ行く女性も多くなりました。女性にも飲みやすく喜ばれるカクテルが進化した背景には、このような理由もありました。――なるほど。そういえばゲーム内にも女性のボスがプレイアブルなキャラクターとして何人か登場します。中には架空の人物もいますが、そうした背景も影響しているかもしれません。ちなみに、このとき生まれたカクテルにはどのような物があるのでしょうか。マスター 1920年代に生まれ、今でも残っているカクテルでいうと、例えば「オレンジブロッサム」などがあります。これは簡単に言えば、ジンのオレンジジュース割りのショートカクテル(【注】)です。スクリュードライバーの(ベースである)ウォッカをジンに変えたもの、というとイメージしやすいかもしれません。 他にも「アビエーション」や「クローバー・クラブ」「ブロンクス」「バカルディ・カクテル」「ロングアイランド・アイスティー」などがこの時代に生まれたと言われています。やはり時代背景もあり、ベースになっているのはジンやブランデー、ラム、ウイスキーが多くなっていますね。(【注】短い時間で飲むことを目的としたカクテル。通常は少量・氷なしで提供され、アルコール度数も高め。対になるロングカクテルは、ゆっくりと飲むことを目的としているため、量が多く氷も入り、度数も低めで提供されることが多い)――やはり当時のマフィアたちもカクテルを飲んでいたのでしょうか。マスター 飲んでいたかもしれませんね。史実ではアル・カポネが支配し、このゲームの舞台になっている「シカゴ」の名を冠するカクテルも当時からありましたから。ただ、財力のあるマフィアは、映画の「アンタッチャブル」でもそんなシーンがありましたが、より高級なお酒であるシャンパンやブランデーを飲むことの方が多かったのではないかと想像しています。――ゲームをプレイしながら、当時生まれたお酒を飲み、1920年代や禁酒法の時代に思いを馳せる、というのも良さそうですね。ちなみに、先程挙げていただいたカクテルの中で、飲みやすいものや、マッチするつまみなどはありますか?マスター 最初に挙げた「オレンジブロッサム」は比較的飲みやすく、シンプルなので家庭でも作りやすいと思います。アルコールに強くない方でも、ジンの量を調整してもらえれば弱めに作ることもできます。もちろん、氷を入れてロックスタイルで飲んでもいいと思います。シェイカーもあれば、ショートカクテルも作れるのでなお良しですね。 つまみにはチョコレートやドライフルーツ、ミックスナッツなどが合うと思います。おそらく当時も、そんなつまみを楽しみながら、カクテルを飲んでいたことでしょう。――自宅で当時生まれたお酒を楽しみながら、ゲームに浸る……。最高の楽しみ方だと思います。では最後に、マスターが考えるお酒の楽しみ方を教えていただければと思います。マスター 私自身がそうしてきたというのもありますが、ひとりでじっくり味わい、楽しむのがオススメですね。お酒そのものの香りや味などの個性、そしてお店の雰囲気を感じながら、マスターとの会話も楽しみながらじっくりと…。できれば、チェイサー(お水)を横に置いて、ストレートでゆっくり味わってみてください。こういうコロナ禍のご時世でもあるので ぜひ、バーのカウンターや、あるいは時には自宅でも、そういう楽しみ方も試してもらえればと思います。――『エンパイア・オブ・シン』もひとりでじっくりとプレイするゲームなので、マスターの考えるお酒の楽しみ方とマッチしそうですね。本日はありがとうございました。 「禁酒法」という法律は今日では悪法として有名ですが、その裏で動いていたマフィアたちや「禁酒法」という名前とは裏腹に、発展していったカクテルの動きなど、非常に興味深いエピソードの多い法律でもあります。『エンパイア・オブ・シン』は、その禁酒法の時代を舞台に、濃厚な戦略を体感できるゲームであり、同時に特殊な時代の面白さを味わえるゲームでもあります。 1920年代アメリカへ思いを馳せながら、暗黒街の頂点を目指してみるのも良いのではないでしょうか。もちろん、そのときは当時生まれたのお酒用意を忘れずに。▼Bar UKマスターが企画・制作に協力した異色のゲームソフト! 禁酒法時代(1920~33)にマフィアが暗躍した米国シカゴを舞台に繰り広げられる戦略シミュレーション・ゲーム(PS4版、SWITCH版の2つがあります)Empire of Sin エンパイア・オブ・シン PS4版価格:5600円(税込、送料無料) (2021/4/25時点)楽天で購入Empire of Sin エンパイア・オブ・シン Switch版価格:5600円(税込、送料無料) (2021/4/28時点)楽天で購入・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2021/04/28
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(200) 稜線越しの月夜 1990年代前半 ※昨年10月11日から休みなく続けているこの連載も200回に! かなり横長の構図からして、おそらくは「文藝春秋」か「オール読物」誌上でのエッセイか小説の挿絵として制作したものと思われる。シンプルなカッティング(線)だけで山の稜線も浮かび上がらせる技は見事と言うしかない。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/28
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「インターネットや電話での受付は回線がパンクしてつながらない」「役所の窓口でも受付できるようにしたら、今度は大行列」とか、ワクチン接種申し込みが各自治体で大混乱しているというニュースが相次いでいます。一日でも早く受けたいという高齢者の気持ちも分からなくもありません。私の自宅にも先日、地元の市役所からワクチン接種券が郵送で届きました。ただし具体的な申し込み方法は、「5月10日発行の市政ニュースで改めてお知らせする」となっていたので、どうなるのか分かりません。今は待つしかありません。ただ、コンサートのチケットじゃないので、対象人数分のワクチンは必ず確保されているはずですから、(ワクチン接種を受けるけるつもりの)私自身もまったく慌てていません。ある程度落ち着いてからの、後の方での接種でも全然構わないと思っています。そもそも、パソコンやスマホを使い慣れない高齢者に、インターネットで申し込めというのも気の毒というものです。私からの提案ですが、いっそアナログな方法がかえって混乱を回避できると思うのです。具体的には、(1)ワクチン接種券を対象者に郵送する際、返信用葉書を同封し、第一希望日(時間帯)から第三希望日(同)くらいまでを書いて返送してもらう(2)その回答に従って、行政側で事務的に接種日・時間帯を決め、郵送で通知していく(後日、どうしても都合が悪くなった場合は、役所まで直接電話で連絡して変更してもらうという方式で)。こうしたやり方だと、インターネットや電話申し込みでの混乱は、間違いなく回避できると思うのですが、お役所の皆さん、いかがでしょう?
2021/04/27
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(199) 海の男たち 1980年代前半 木版画? ※プロデビュー前の作品。原画の存在は確認されていないが、勤めていた神戸港振興協会の広報紙のために制作されたと思われる。「切り絵」とは記されておらず、印刷部分の粗さを見てみると、ひょっとしたら、現在確認されている一徹氏の作品の中では、唯一の木版画(またはゴム版画?)ではないかとも考えている。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/27
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(198) 大仏開眼 1995年 ※この年開催された京都市内での切り絵原画展のために制作された作品(案内はがきにも使われた)。黒と金だけで構成されたカラー作品。スパッタリング(霧吹き手法)を使ったグラデーションが重厚な雰囲気を醸し出している。朱色の落款もワンポイントとしてとても効果的だ。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/26
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吉村・大阪府知事が今夜の民放テレビで「大阪に関しては、医療体制が危機的状況だから、17日間で(緊急事態宣言を)解除するのは難しいかもしれない」と話していました。大阪はきょうも千人を超す新規感染者が出ています。素人目で考えてもわずか2週間余で、ステージ2まで持っていくのは至難の業だろうと思います。 日本では、欧州のようなロックダウンは現状では出来ないでしょうが、もはや、せめて「夜間外出禁止令」に近いものを出さないダメだと思います。さらにコンビニでのお酒の販売中止(とくに夜間の時間帯)を要請し、各都道府県で「(昼夜を問わず)路上での飲酒は禁止する条例」を急いで作るべきでしょう。 あと、エッセンシャル・ワーカー以外の許可証のない人は、都道府県境をまたぐ移動は禁止(公共交通機関の利用を禁止)するとかしないとダメのような気がします。そうなると、兵庫県に住む私も店(大阪市北区)へ行くのは難しくなりますが、それは仕方ないけど我慢します。 個人の自由を制限する権限を国や自治体にはあまり与えたくありません。しかし現状をみていると、個人の自発的・自主的な努力に頼っていても、もはや期待できないレベルに来ているような気がします。
2021/04/25
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【政府による3度目の緊急事態宣言が5月末まで延長されたため、バーUKは不本意ながら31日まで休業させて頂きます。以下の告知は無視してくださいませ】 皆さま、Bar UK・2021年5月の店休日のお知らせです。ご承知のように、4月25日から3度目の「緊急事態宣言」が発令されました(現時点では5月11日まで)。バーを含む飲食店には、宣言期間中のアルコールの提供が禁止されました。このため、大変残念で不本意ながら、5月の店休日は以下のようにさせて頂きます。 【5月の店休日】 5月1日(土)~11日(火)=緊急事態宣言に伴う休業、16日(日)、22日(土)、23日(日)、26(水)、30日(日) 緊急事態宣言解除後は、現時点では以下のような時短営業を検討しております。何卒ご了承くださいませ。(1)基本、平日の午後4時~9時(ご入店&アルコール提供は午後8時まで)と致します(土曜営業の場合は、午後2時~7時<ご入店は6時半まで>で営業致します)。営業延長はございません。(2)午後8時の時点でノー・ゲストの場合、早めに閉店致します(8時以降にご来店の場合は、8時以前に店まで必ずお電話<06-6342-0035>ください)(3)事前にご連絡なく午後8時以降にご来店された場合は、ご入店をお断りいたします。 コロナ禍収束の見通しは依然不透明で、宣言解除後もおそらく、感染予防対策は緩められる状況にはありません。また、リモートワークの定着、グループのお客様の激減、飲食スタイルや意識の変化などオーセンティック・バーを取り巻く営業環境も大きく様変わりしております。 このため、今後の営業日、営業時間等については営業環境・状況を踏まえて見直すことも検討しております。何卒ご理解、ご協力の程を宜しくお願いします。【Notice for April 2021】the bar UK is closed on 1st~11th、16th、22nd、23rd、26th、30th.【Bar UK】大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F 電話06-6342-0035 店内の基本キャパは、カウンター7席、テーブルが一つ(4~5席)。オープン~午後7時まではノーチャージ、午後7時以降はサービス料300円・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2021/04/25
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(197) フランク永井 2002年 ※この連載第31回のちあきなおみ、第103回の青江三奈、第131回の松尾和子と同様(下の画像ご参照)、ビクターレコードからの依頼でベスト盤CDのカバージャケット用として制作された。 フランク永井(1932~2008)は魅力的な低音を生かして、ムード歌謡の歌手として活躍した。1951年(昭和26年)頃から、進駐軍のクラブ歌手として活動を始め、1955年にビクターと契約。「恋人よ我に帰れ」でデビューした。 当初はジャズを中心に歌っていたが作曲家・吉田正と出会ったのを機に歌謡曲に転身、1957年に発表した「有楽町で逢いましょう」が空前のヒットを記録し、一躍トップスターとなった。 1961年に発売した「君恋し」は同年の第3回日本レコード大賞を受賞、人気を不動のものとした。他に代表曲は「夜霧に消えたチャコ」「霧子のタンゴ」や、松尾和子とデュエットした「東京ナイト・クラブ」など。 NHK紅白歌合戦の常連出場者としても知られ、1957年から1982年まで連続26回出場した。しかし、1985年10月21日(当時53歳)、自宅で首吊り自殺を図った。夫人による発見が早かったこともあり、辛うじて一命は取り止めたが、脳などに重い後遺症が残り、以後、歌手活動をすることはなかった。2008年10月27日、東京の自宅で肺炎のため死去。76歳だった。ちあきなおみ(第31回)青江三奈(第103回)松尾和子(第131回)◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/25
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(196) 雪国の農家 1990年代前半 ※雪国の冬の朝だろうか、長閑な雰囲気が漂う。空の表現に注目してほしい。スパッタリング(霧吹き手法)で空や雲をどれだけ上手く描けるにチャレンジしてみたのだろうが、その試みは成功し、どんよりとした冬の空を見事に表現している。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/24
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(195) シラサギ(連作) 1990年代前半~後半 ※鳥の中で、一徹氏が最も得意としたのはシラサギやツル。1枚目と2枚目は同じポーズのヴァリエーション(2枚目の絵のひらがなの「落款」は極めて珍しい)。3枚目は少しポーズを変えている。貴方はどれがお好みですか?◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/23
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(194) 不思議なカクテルグラス 1995年頃 ※エッセイの挿絵として制作した作品。カクテルグラスの向こうには大海原、グラスの中には入道雲をバックにした帆船が見える。一徹氏にとっては、カクテルグラスに、様々な空想上の光景をプラスするモチーフはお手の物で、生涯にこのような作品を数多く制作した。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/22
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報道によれば、大阪府から政府に提示されている緊急事態宣言発令時の「飲食店に対する3案」とは、(1)全面的に休業(2)酒の提供を禁止したうえで平日は午後8時までの時短営業。週末は休業(3)酒の提供を禁止したうえで週末も含めて午後8時までの時短営業吉村知事様、いいですか、どの案に決まったとしても、これだとオーセンティック・バーは営業できません。酒の提供ができなければオーセンティック・バーは存立し得ません。何度も言いますが、お酒やお酒を飲む行為、お酒を提供する行為が、本当にコロナ感染拡大の原因なんですか?それを裏付ける科学的なエビデンスはあるんですか?何度も言いますが、コロナウイルスは夜行性なんですか?(ウイルスは)週末は活動を活発化させて、平日はおとなしくしているんですか? そもそも、時短営業は果たして感染予防に効果はあったんですか?コロナの新規感染者を増やす要因は、日にちや時間帯やお酒の有無よりも、飲食のスタイル(人数や客同士の距離、騒ぎ方等)や、飲食を含む様々な場所での「密」の度合いでのではないのですか? 路上で集団で飲んで騒ぐ行為は、なぜ問題にされないのですか?私は、時短営業よりも、入店人数を50%までに制限する方が感染予防に効果があると信じていますが、イベントでは屋内外を問わず人数制限を要請するのに、なぜ飲食店には人数制限を要請しないのですか?(バーUKでは現在、自主的に、同一時間帯での入店人数を店のキャパ<12人>の50%、6人までに制限しています)。オーセンティック・バーに来られるお客様は、ほとんどが1人のお客様です。基本的に同じ方向を向いて、皆さん大声は出さず、騒がず、静かにお酒を味わっておられます。オーセンティック・バーでクラスターが発生したという話もまったく聞きません。政府や自治体や専門家と言われる皆様にお願いです。「飲酒=集団で飲んで騒ぐ飲酒行為」という偏見を広めないでください。お酒やオーセンティック・バーをいじめるのは、ほんとに、やめてほしいです。どうせ緊急事態宣言を再々発令するなら、お酒を提供できない時短営業より、全面休業を要請してくれた方がすっきりします。
2021/04/21
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(193) ケンタウロス 1980年代前半 エッチング版画 ※プロデビュー前に、表現手法を試行錯誤していた時期の作品。ギリシャ神話にも登場する半人半獣(馬)の「ケンタウロス」を描いている。 野心深いイクシオンという青年が神妃ヘラに欲情したので、大神ゼウスがヘラの形に似せた雲を身代わりにした所、イクシオンとその「身代わり雲」の間に生まれたのがケンタウロスという。酒が好きで好色。弓矢を持ち、凶暴という性質を持ち、「英雄に退治される側」であることが多いが、時には「騎士」として「殺す側」に回ることもある不思議な存在である。 一徹氏はこの時期、切り絵、水彩、デッサンなどと並行して版画にもチャレンジしており、この連載の第24回「バーの情景」、第68回「デス・ヴァレー(死の谷)」、第107回「船長の肖像」で紹介した作品もエッチング版画(下の画像ご参照)。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/21
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(192) 画家のペン立て 1990年代後半 ※アーチストの商売道具を立てておく筒を描いた作品。中にはナイフ、ペーパーナイフ、かぶらペン、竹ペン、筆、ハサミなどが収められている(一徹氏自身のペン立てをイメージしたのかどうかは分からない)。よくよく見れば、上に向かって広がる形状、かすかに泡立つ液体のような外観。これはグラスなのかもしれない。背後からは、なぜかフクロウがこちらを見つめている。現実にはあり得ない光景である以上、やはり、空想の産物なのだろう。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/20
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(191) 雨宿りの一杯 1990年代前半 ※何かの挿絵として制作した作品だろう。傘を持った紳士がカウンターに座っている。ゴムの長靴まではいているくらいだから、きっと、外はかなり酷い雨に違いない。こういう天気の時は、雨が小降りになるまでバーでひと休みするに限る。「カウンターでのゆったりとした一杯は、冷えた心を温めてくれるなぁ…」。初老の男性客の背中からは、そんな気持ちが伝わってくる。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/19
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(190) 刃(やいば) 1990年代? ※正確な制作時期は、はっきりしないカラー作品。冷気すら感じさせ、シュールな雰囲気も漂う。刃身の向こうに見える紅い円は、月か太陽か、それとも何かを象徴するものか。一徹氏に制作意図を聞いてみたくなる。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/18
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(189) Shall we dance? 1996年 ※この連載の第162回でも紹介した故・伊藤精介氏のエッセイ「今宵どこかのBARで」(集英社刊「スーパージャンプ」誌連載)の挿絵として制作された。エッセイは、東京・鶯谷にあったキャバレー「スター東京」を伊藤氏が訪れた際のエピソードを綴っているが、一徹氏は、エッセイの中に登場する「ダンスフロアでジルバを踊る男女のペア」を描いた(服の柄には珍しくスクリーントーンを使っている)。景気低迷とコロナ禍もあって、このようなキャバレーはほとんど姿を消した。そのうち「キャバレー」という言葉自体が死語になるかもしれない。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/17
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(188) クラシック・ファッションのための小品<D> 1990年代前半 ※この連載の第18回目、48回目、90回目で紹介したクラシック・ファッションの作品と同時期の作品。とくに48回目の作品(下の画像ご参照)の連作として制作されたと思われる。切り絵技法書の作例としても掲載された。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/16
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(187) 月夜の外航客船 1990年代前半 ※一徹氏は同じような構図の切り絵を、生涯に何点か制作しているが、これは珍しいカラー作品。ただし、何の媒体用に制作したかは現時点では分かっていない。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/15
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(186) ニューヨークのバーにて(2つのヴァージョン) 1993年 ※バー切り絵作品集『NARITA ITTETSU to the BAR』にも収録された「ニューヨークのバーにて」という切り絵。80年代に当地を訪れた一徹氏が見たであろうバーに集う人々が、生き生きと描かれている。実は、この切り絵には通常ヴァージョン(上=本に収録したもの)の他に、白黒反転ヴァージョン(下)がある。なぜ2種類を制作したのかは、今となっては天上の一徹氏に聞くしかない。 前者の原画は現在、一徹氏の母校・大阪経済大学の「成田一徹」ギャラリーのコレクションに所蔵され、学内で公開されている。後者はバーUK店内のギャラリー壁面で常設展示されている。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/14
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(185) 文藝春秋の目次ページのために 1996年 ※一徹氏はプロデビュー直後から、文藝春秋からしばしば挿絵作品の依頼を受けた。同社発行の月刊「文藝春秋」のほか月刊「オール読物」などが発表の場だった。作品は作家の小説やエッセイの挿絵であったり、目次ページを彩るカットであったりした。 これは1996年1月に発行された別冊「文藝春秋」の目次ページのために制作されたもの(2枚の作品は、見開き&折りたたみの目次ページの左右の端に配置された)。黒とブルー、オレンジ、白の色使いのみならず、スパッタリング(霧吹き手法)によるグラデーション処理などが個性的で面白い。小さい仕事でも手を抜かなかった一徹氏らしい作品である。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/13
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(184) 神戸港・中突堤 1984年 デッサン用黒鉛筆&彩色 ※プロデビュー前、サラリーマン(準公務員)として勤めていた神戸市の外郭団体「神戸港振興協会」の建物は、岸壁のすぐそばにあった。仕事の合間には、スケッチができる対象がいろいろあった。この水彩もその1枚。本人はこの頃、すでに「プロになるか、ならないかは別にして将来、(表現手法は)切り絵1本で」と決めていたので、「中突堤」と題されたこの水彩は、単なる気分転換のための習作だったのかもしれない。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/12
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(183) アーネスト・ヘミングウェイ 2005年頃 ※白い紙は一切使わず制作した異色の作品。Ernest Hemingway(1899~1961)は、20世紀を代表する米国の小説家。シカゴに生まれ、高校卒業後の1917年、地方紙の見習い記者となるも退職。翌年、赤十字の一員として第一次世界大戦における北イタリア戦線に赴くが、瀕死の重傷を負った。戦後の20年代はカナダ紙の特派員としてパリに渡り、そこで小説を書き始めた。 行動派の作家で、1930年代にはスペインの人民戦線政府側として内戦に積極的に関わり、その経験を元にして『誰がために鐘は鳴る』『武器よさらば』などを著した。 1954年にはノーベル文学賞を受賞。他に代表作は『日はまた昇る』『老人の海』など。晩年は、躁うつなど精神的な病気に悩まされ執筆活動も滞りがちになり、1961年7月2日の早朝、散弾銃による自殺を遂げた。 ヘミングウェイはその生涯で、パリのほかフロリダ、キューバなど世界中の様々な場所で居を構えた。なかでも、キューバでは人生の3分の1を過ごした。ハバナで常連客として通ったバーでは、フローズン・ダイキリやモヒートを愛飲したことでも知られ、前者は「パパ・ダイキリ」「ヘミングウェイ・スペシャル」との異名で、今も愛されるカクテルになっている。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/11
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(182) 大都会は人間カクテル 2012年 ※兵庫県人権教育研究協議会の広報誌(2012年1月発行)の表紙のために制作。月夜の摩天楼、カクテルグラス、その周りを飛ぶ鳥たち。一徹氏がこの絵(モチーフ)で何を表現したかったのかはよくわからない。もちろん、「人権教育」のための媒体という性格上、何らかのメッセージ(意味)が込められていたことは疑いない。 私なりに解釈すれば、ニューヨークのような人種のるつぼの街は、まるでカクテル(混ぜ合わせたお酒)のようで、そんな多様性が愛される街の方が、一人ひとりの人権も大切にされ、文化も文明も発展していくということだろうか。周りを飛ぶ鶴たちは「幸せを運んでくる鳥」のようにも見える。一徹さん、私の解釈は合ってますか?◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/10
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ITTETSU GALLERY:もう一つの成田一徹(161)~(180) バー・シーンを描いた切り絵で有名な成田一徹(1949~2012)ですが、実は、バー以外をテーマにした幅広いジャンルの切り絵も、数多く手掛けています。花、鳥、動物、職人の仕事、街の風景、庶民の暮らし、歴史、時代物(江戸情緒など)、歴史上の人物、伝統行事・習俗、生まれ故郷の神戸、小説やエッセイの挿絵、切り絵教則本のためのお手本等々。 今回、バー・シーンとは一味違った「一徹アート」の魅力を、一人でも多くの皆さんに知ってもらいたいと願って、膨大な作品群のなかから、厳選した逸品を1点ずつ紹介していこうと思います(※一部、バー関係をテーマにした作品も含まれますが、ご了承ください)。 ※故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします。(160)サクラ(5) 1990年代と2000年代 ※サクラの枝ぶりは違うが、同じコンセプト(構図)で制作されたカラー作品。左側は90年代、右側は2000年以降につくられた。画面上の配置(バランス)、バックのグラデーションなど、一徹氏の美的センスが光る。(161)サクラ(6) いずれも1990年代後半 ※サクラをテーマにした切り絵を紹介してきたシリーズもとりあえず、きょうでおしまい。最後は、散り始めたサクラの儚げな美しさをモノクロームで描いた作品を2枚…。1枚目の作品、水面のグラデーションは、一徹氏がしばしば見せる霧吹き(スパッタリング)加工のなせる技である。(162)追憶のブルックリン・ドジャーズ 1996年 ※ノンフィクション・ライター伊藤精介氏(故人)の連載「今宵どこかのBARで」(集英社刊「スーパー・ジャンプ」誌上)の第49回「追憶のブルックリン(2)」の挿絵として制作。 現在はロサンゼルスを本拠地とするプロ野球チーム、ドジャーズは、かつてニューヨークのブルックリンを本拠地としていた。連載では、伊藤氏がかつてドジャーズ・ファンが集ったブルックリンのバーを尋ね歩く内容だったが、この切り絵は、当時のドジャーズの主力選手たちの肖像である(右端の選手は黒人初のメジャー・リーガーとなった伝説のジャッキー・ロビンソン)。(163)ブローニュの森 1982年 筆ペンとデッサン用黒鉛筆 ※久しぶりに切り絵以外をご紹介。一徹氏のスケッチブックには、訪れたパリの思い出が何枚か絵にとして残されているが、これもその一つ。プロデビュー以前から、筆ペンは好きな道具だったが、この時期、講談社フェーマススクールズ(後に自らも講師になった)の講座で、しばしば素描の課題をこなしていたこともあり、スケッチ力、表現力は大きく向上してきた。(164)犬を連れた女性 1993年 ※切り絵技法書のために制作された作品。切り絵作品ではあるが、女性が肩にかけているファーのストールや、犬(プードル)の毛並みは、黒い和紙で「ちぎり絵」風に表現しているのが面白い(カッティング・ナイフで切るのではなく、ピンセットを使って紙の周囲をちぎり取ったという)。(165)White Horse Tavern of New York 1993年 ※エッセイスト&作家・常盤新平さん(故人=1931~2013)のエッセイ(旧・中小企業経営者災害補償事業団の広報誌「愛’s」掲載)の挿絵として制作された作品。ニューヨークのマンハッタン、グリニッジヴィレッジにある有名な老舗バー「ホワイトホース・タバーン(White Horse Tavern)」を描いた。 ホワイトホース・タバーンは1880年創業。1950年代から1960年代にかけて、ディラン・トーマスやボブ・ディランら小説家や詩人、また歌手が集まったバーとして知られている。 一徹氏は、プロデビュー直後から常盤氏のエッセイの挿絵を手掛け、本人とも終生交友を持った。ニューヨークのバーで偶然出会い、一緒に飲んだこともあると話していた。(166)アルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock) 1990年代半ば ※言わずとしれた、20世紀最高のサスペンス&ミステリー映画の監督(1899~1980)。この切り絵は、何の媒体のために制作したのか不明だが、おそらくは「ミステリー・マガジン」からの依頼と思われる。図柄は、ヒッチコックの有名なポーズ(表情)だが、割れたガラス窓越しに描いたのは、一徹氏のオリジナルな発想だろう。 英国生まれのヒッチコックは、当初英国内で映画を制作したが、1939年以降は米国に拠点を移した。代表作は「ダイヤルMを廻せ」「裏窓」「レベッカ:」「めまい」「鳥」「北北西に進路を取れ」「サイコ」など本当に数多い。どれを代表作と言っていいのか迷うほど。米アカデミー賞には度々ノミネートされたが、受賞したのは1940年の作品賞(「レベッカ」)の一度だけだった。(167)花 嫁 1996年 ※自著「切り絵12カ月1000カット」という本で、お手本として制作した作品。白い紙を切って黒い紙に貼り付けるスタイルだが、一徹氏は、花嫁のウェディングドレスの「ピュアな白」を表現するにはこの手法が一番と考えたのだろう。(168)マッチ箱に描かれた男たち 1990年代後半 ※実に面白い、ユニークな作品。4個のマッチ箱の表面(上)と裏面(下)それぞれに、違うポーズの男の顔が貼り付けられている(一つのマッチの表面・裏面は共通のポーズ)。よく見れば、4種類のポーズそれぞれに違う質感(地模様)の紙で切っている。 依頼があって制作したのか、それとも「お遊び」でつくったのかは、残念ながら分からない。表現手法からして、この連載の第100回目で紹介した立体オブジェ「バーの情景」(下の画像ご参照)とほぼ同じ時期の作品と思われる。(169)見つめられる耳(3態) 1980年代後半~90年代前半 ※切り絵作家としての生涯で、一徹氏は同じ構図の絵を、少しずつアレンジ、変化させながら何度もつくることがあった。この女性の耳のアップの図柄もその実例。いずれもエッセイや小説の挿し絵として制作されたものだ。図柄を変えていくことは、本人もおそらく、試行錯誤や新たなチャレンジの一環と考えていたのだろう。貴方はどの絵が一番お好みだろうか。(170)ウグイス 2010年 ※切り絵技法書のお手本として制作。定番の梅ではなくサクラにウグイスを配置した。本では「あえて黒い紙一枚で切ってみた」との解説。サクラも鳥も「命の美であり、切り絵の大切なテーマ」とも語っていた。(171)神戸港今昔 1990年代前半 ※ある会報誌の表紙のために制作。明治から大正、昭和、平成に至る神戸港にちなむ様々なモチーフが描かれている。横に長い図柄となったのは、切り絵が表表紙から裏表紙に渡るように配置されるデザインになったためという。(172)ネコヤナギ 1990年代前半 ※エッセイの挿し絵として制作。ヤナギ科の落葉低木。花言葉は「自由」。北海道〜九州までの河川の水辺に自生し、早春に銀白色の綿毛に包まれた花穂を付け、春の訪れを告げる植物とも言われる。実は雌雄異株で、ハチによって花粉が媒介され、雄株と雌株がそれぞれに花を咲かす。「ネコヤナギ」の和名はこれをネコの尾に見立てたことによる。地方によって「ネコジャラシ」「ネコノマクラ」「イノコロヤナギ」「ベコヤナギ」などの異称があるという。(173)花と蝶 1980年代後半 ※花、鳥と並んで、一徹氏が度々好んで切り絵のモチーフにした蝶。蝶の羽の模様は、カッティングの練習に持って来いの素材だったのだろう。これはプロデビューした頃に制作されたと思われるシンプルな作品。(174)「ススキノララバイ」のための挿絵 1994年 ※ハードボイルド小説で知られる東直己氏(1956~)の小説「ススキノララバイ」の挿絵のために制作。東氏は、映画化された「探偵はバーにいる」(2011年公開、大泉洋・主演)の原作者としても知られる。(175)若い男の肖像 1980年代前半 デッサン用黒鉛筆 ※プロデビュー前の作品。スケッチブックに遺されていた習作の一つだが、完成度は高い。パッションを感じさせる鋭い視線や、陰影のつけ方等は、後に、切り絵の中でもしばしば登場する若い男性像に発展・完成してゆく。(176)串揚げ屋さんの風景 1995年頃 ※どの媒体(雑誌等)のために制作したのかは不明だが、おそらくは誰かのエッセイの挿絵としてつくったと思われる。このような横長の構図は、「文藝春秋」誌上での仕事でよく使用された。(177)落 花 2001年 ※文芸評論家・清水良典氏のエッセイ「ポケットに栞(しおり)」(中日新聞&東京新聞紙上での連載)のための挿絵。月1回のエッセイの連載期間は約3年(2000年~2003年)に渡ったが、一徹氏は毎回、「グラス+何かのモチーフ」という構図の切り絵を提供した。(178)江戸情緒:潮干狩り 2000年頃 ※一連の「江戸情緒」シリーズの一つとして制作されたもの。絵の一部分だけカラーにしているのはこのシリーズの特徴の一つであるが、これが完成形だったのかどうかは、現時点ではわからない。(179)猫(三態) 1995年頃 ※自著「切り絵12カ月1000カット」での作例として制作された作品。珍しくスクリーントーンを多用している。実際に家では猫を飼ってはいなかった一徹氏だが、猫は大好きな動物だったのか、多数の小作品を残しており、描かれた表情や仕草の表現には愛情が感じられる。(180)視線の先には… 1990年代後半? ※往年の米女優、ローレン・バコール似の金髪の女性が、煙草を手にしながら、横目でこちらを見つめている。表情は限りなくミステリアス。おそらくは推理小説の挿絵用に制作された作品。正確な制作時期や掲載媒体、何の作品のための挿絵かは、現時点では不明である。 ※絵の制作時期については正確に分からないものも多く、一部は「推定」であることをお含みおきください。★過去の総集編ページをご覧になりたい方は、こちらへ。 【Office Ittetsuからのお願い】成田一徹が残したバー以外のジャンルの切り絵について、近い将来「作品集」の刊行を計画しております。もしこの企画に乗ってくださる出版社がございましたら、arkwez@gmail.com までご連絡ください。・こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2021/04/09
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(181) 作家の万年筆 1995年 ※作家・邱永漢氏(1924~2012)のエッセイ「鮮度のある人生」(月刊「ほんとうの時代」誌連載)のための挿絵として制作。連載は1994~96年の約2年、計20回続いた。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/09
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(180) 視線の先には… 1990年代後半? ※往年の米女優、ローレン・バコール似の金髪の女性が、煙草を手にしながら、横目でこちらを見つめている。表情は限りなくミステリアス。おそらくは推理小説の挿絵用に制作された作品。正確な制作時期や掲載媒体、何の作品のための挿絵かは、現時点では不明である。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/08
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(179) 猫(三態) 1995年頃 ※自著「切り絵12カ月1000カット」での作例として制作された作品。珍しくスクリーントーンを多用している。実際に家では猫を飼ってはいなかった一徹氏だが、猫は大好きな動物だったのか、多数の小作品を残しており、描かれた表情や仕草の表現には愛情が感じられる。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/07
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何度も書きますが、そもそもコロナに感染する場所って飲食店だけなんですか? なぜ、飲食店だけを悪者にするんですか?そもそもコロナウイルスって夜しか活動しないんですか? そんなはずはありませんよね。ウイルスには夜も朝も昼もありません。なのに、なぜ夜の時短ばかりに力を入れるんですか? 相変わらずクラスターを発生させている朝や昼間のカラオケ喫茶には、なぜ休業命令を出さないのですか?夜の早い時間帯の「密」を生み出す時短より、時間帯に関係なく(同一時間帯の)飲食店への入店人数をキャパの50%に制限する方が、よほど感染予防対策になるはずです。行政や専門家は、野球やコンサート会場では人数制限を指示するくせに、なぜ飲食店の人数制限のことを誰も言わないんでしょうか? 疑問で疑問で仕方がありません。意味&効果不明の「マスク会食」の推奨や、形ばかりのアクリル板やCO2センサー設置義務化、そして「見回り隊」という発想も含めて、理解できないことが多すぎて、正直バカバカしくて悲しいです。
2021/04/07
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(178) 江戸情緒:潮干狩り 2000年頃 ※一連の「江戸情緒」シリーズの一つとして制作されたもの。絵の一部分だけカラーにしているのはこのシリーズの特徴の一つであるが、これが完成形だったのかどうかは、現時点ではわからない。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/06
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成田一徹・バー切り絵作品集『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(177) 落 花 2001年 ※文芸評論家・清水良典氏のエッセイ「ポケットに栞(しおり)」のための挿絵。月1回のエッセイの連載期間は約3年(2000年~2003年)に渡ったが、一徹氏は毎回、「グラス+何かのモチーフ」という構図の切り絵を提供した。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/05
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皆さま、本日5日(月)から1カ月間、大阪市を含む6市に「まん延防止等重点措置」が適用されます。5日以降のバーUKの営業時間を改めてお伝えしておきます(以前お知らせした4月の店休日に変更はありません)。 (1)基本、平日の午後4時~8時(ご入店&アルコール提供は午後7時まで)で営業致します(土曜営業の場合は、午後2時~7時<ご入店は6時半まで>で営業致します)。営業延長はございません。 (2)午後7時の時点でノー・ゲストの場合、早めに閉店いたします(7時ぎりぎりにご来店の場合は、事前に必ず店までお電話<06-6342-0035>ください)。 バーUKでは現在、感染予防対策として、同一時間帯での入店人数を最大50%(6人)までに制限し、お客様同士の距離も取っています。また、「店内の換気(扉の開放)」「手指消毒液」「サーキュレーター」「アクリル板」「CO2センサー」「加湿器」を設置・実行し、店主はマウスシールドの装着しています(非接触体温計も常備しています)。 以上、何卒ご理解、ご協力の程よろしくお願い致します。なお、平日の午後3時以降の早めの開店をご希望の場合は、前日までにマスターまでご相談ください。 一日も早く平穏な日々が戻り、普通に仕事が出来る日が来ることを願っています。Today(5th of April) the bar UK is open from 4:00 to 8:00 pm(Your entry and alcohol service are until 7:00)pm.★ご参考:4月の店休日はこちら
2021/04/05
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(176) 串揚げ屋さんの風景 1995年頃 ※どの媒体(雑誌等)のために制作したのかは不明だが、おそらくは誰かのエッセイの挿絵としてつくったと思われる。このような横長の構図は、「文藝春秋」誌上での仕事でよく使用された。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/04
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(175) 若い男の肖像 1980年代前半 デッサン用黒鉛筆 ※プロデビュー前の作品。スケッチブックに遺されていた習作の一つだが、完成度は高い。パッションを感じさせる鋭い視線や、陰影のつけ方等は、後に、切り絵の中でもしばしば登場する若い男性像に発展・完成してゆく。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/03
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政府による大阪市など6市への「まん延防止等重点措置」が5日にも適用されます。期間は5月5日までの1カ月間とのことです。時短要請も強化され、営業可能時刻は、現在の「午後9時まで」が「午後8時まで」に繰り上がります。何度も言いますが、コロナウイルスは夜行性でも何でもありません。朝でも昼でも、感染リスクの高い行動をとった人には当然、感染する確率も増します。営業時間を午後9時までと制限することが、かえって早い時間帯に「密」な状態を生んでいると思います。午後11時くらいまで営業可とすれば、客はもっと分散し、集中しないでしょう。コロナ対策としての夜の時短要請には、私ははなはだ懐疑的というか、ほとんど意味がないと思っています。時短要請よりも、「密」を作りださないよう、入店人数の制限する方がより効果的だと信じています。人数制限には手をつけず、時短を重んじる考え方には首をかしげざるを得ません。吉村・大阪府知事は一昨日の会見で、「飲食店でのマスク着用を義務化したい。また(設置費用を補助したうえで)アクリル板設置や店内換気測定センサーの設置も義務化できないか検討していく」とも語りました。バーUKではすでに以下のことを実行(近く実行予定も含む)しています1.時短営業、2.店内の換気(扉の開放やサーキュレーターの設置)、3.手指消毒液の設置、4.感染症対策順守店としての登録&ステッカー掲示、5.アクリル板の設置、6.CO2センサーの設置(近日中に)。また、行政からの要請事項ではありませんが、以下のことを自主的に実行しています。1.マウスシールドの装着、2.入店人数の制限(50%まで)とお客様同士の距離順守、3.加湿器の設置、4.非接触体温計の常備。それが「法に基づく要請だ」と言われたら、法治国家の国民(飲食店主)ですから、これ以外でも、やれることなら何でもやります。ならば、政府や自治体のトップの方々、専門家の皆さんも、きちんと有効な対策を打ってほしいと思います。現在の大阪のリバウンド状況を見る限り、明らかに、緊急事態宣言の解除が早すぎたということです。政府に解除を急がせた吉村知事以下府の幹部の皆さんは、反省したうえで、どこが問題だったのかきちんと総括して、同じ愚を繰り返すことのないように心から願います。加えて、時短が果たして感染拡大予防に効果があるのか、エビデンスを示してください。そして、(時短営業内とは言え)超過密な状態にまで客を詰め込んでいる店をきちんと指導してください。それが私からのお願いです。私は先日、吉村知事宛てに「コロナ新規感染者増加を防ぎたいなら、飲食店に対する時短要請(午後9時まで)よりも、入店人数の制限をかけるべきだと思う」と実名で、身元もちゃんと明らかにしたうえでメールを送りました(府のHPにちゃんとそういう要望を送れる書式フォームがありますので、それを使いました)。具体的には、バーUKで実践しているように、「その店のキャパの50%を上限にすべき」と提案しておきました。3月以降、政府や自治体に目新しい対策らしいものはほとんどなく、心配で仕方がありません。盛り場では居酒屋などで、恐ろしいくらい客を詰め込んでいる店も目立ちます。以前知事に送ったメールと同様(過去にも2回、「接待を伴う」という言葉の使い方等の問題で要望メールを送りました)、返事は前回同様来ないでしょうが、意見は必ず(知事か最高幹部の)目に触れるとは信じていますので、何もしないよりはいいかなと自分で思っています。コロナ禍との闘いは1年が過ぎ、長期化しています。モチベーションを保つのに四苦八苦しています。一日も早く、普通に仕事ができる日が来てほしいです。
2021/04/02
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皆さま ご承知の通り、大阪市を含む6市に「まん延防止等重点措置」の適用(4月5日~5月5日まで)が決まりました。 このため、バーUKの営業時間は5日以降、以下ようになります。何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願いいたします。平日=午後4時~8時(ご入店は7時半まで)。営業延長はございません。 土曜営業の場合(4月は24日のみ)は、午後2時~7時(ご入店は6時半まで)。 ※平日午後7時の時点でノー・ゲストの場合、早めに閉店することもあります(7時以降にご来店の場合は、7時までに必ず店までお電話ください)。
2021/04/02
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(174) 「ススキノララバイ」のための挿絵 1994年 ※ハードボイルド小説で知られる東直己氏(1956~)の小説「ススキノララバイ」の挿絵のために制作。東氏は、映画化された「探偵はバーにいる」(2011年公開、大泉洋・主演)の原作者としても知られる。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/02
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【お客様へのお知らせ】 すでに今週ご来店された方には順次お伝えしていますが、コロナ禍収束の見通しも立たない現状と将来のことも考え、3月29日(月)からフードメニューを見直すことにしました。 具体的には、オープン以来、お客様に愛されてきた(と店主が信じる(笑))ポテトサラダとコンビーフサンドの2つ、さらにサケトバをメニューから外しました。 理由はいろいろありますが、コロナ禍による来客者の減少で、フードの注文が少なくなってきて、(廃棄が増える等)費用対効果が釣り合わなくなったきたことが大きいです。 ポテサラやコンビーフサンドの具は、事前に仕込まないといけないのですが、残念ながら、冷蔵庫に入れてもあまり日持ちしません。とくに、ポテサラは、焼いたベーコンやいぶりがっこを細かく刻んで混ぜた自信の一品でした。 コンビーフサンドも、一旦熱を加えたノザキのコンビーフに刻んだピクルスを混ぜ、チリソースと塩胡椒、タバスコで味付けした秘伝?の具をバゲットに乗せてオーブントースターで焼くというお腹の膨れる一品でした。サケトバは、仕入れコストは結構高いのに、いったん開封すると、真空で再パックしても日に日に変色し、硬くなっていきます。 こういう状況もあって、在庫を抱えるリスクも考え、大変残念なのですが、今回の見直しとなりました。腹持ちの良いメニューが若干少なくなりましたので、コロナが収束するまでの間は、お客様のフードの持ち込みはOKにしたいと思いますので、どうぞ自由に持ち込んでくださいませ。 なお、別の人気メニューでもある「おかかチーズ」「お酒がススム君」「いぶりがっこWithスモークチーズ」は今後もお楽しみ頂けます。お腹が空いた方にはガーリックトーストやオイルサーディン(クラッカー付き)がおすすめです。 今後ともバーUKを何卒宜しくお願い致します。
2021/04/01
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成田一徹・バー切り絵作品集 『NARITA ITTETSU to the BAR』 完全改訂増補版 発刊記念! ITTETSU Gallery:もう一つの成田一徹(173) 花と蝶 1980年代後半 ※花、鳥と並んで、一徹氏が度々好んで切り絵のモチーフにした蝶。蝶の羽の模様は、カッティングの練習に持って来いの素材だったのだろう。これはプロデビューした頃に制作されたと思われるシンプルな作品。◆故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします(著作権侵害に対する刑罰は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金という結構重いものです)。※「ITTETSU GALLERY:もうひとつの成田一徹」過去分は、こちらへ
2021/04/01
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