Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/04/21
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カテゴリ: アート&ブックス
 「サイバラ」こと西原理恵子と言えば、今をときめく、売れっ子漫画家。シンプルで、大胆なキャラクター。過激なギャグからほのぼの路線まで、幅広い作風で、人気を集めている。自慢じゃないが、僕はサイバラがデビュー直後からの、熱烈なファンである。まぁじゃんほうろうき

 僕とサイバラとの出会いは1990年、会社の同僚から借りた、「まぁじゃんほうろうき」( 写真左 )という1冊の漫画だった。自分をネタにした麻雀ギャグ漫画なのだが、これが抱腹絶倒の面白さ(ただし、麻雀というゲームを知らないと、面白さは半減するから、そのつもりで…)。大学生の頃、一時期麻雀にはまり、何度も徹マンしたくらい麻雀好きだった僕は、すっかりこの漫画のとりこになってしまう。サイバラ式

 「まぁじゃんほうろうき」は当時、週刊「近代麻雀」という雑誌で連載中だった。僕自身は、80年代後半から、ほとんど麻雀をしなくなったのだが、それでも、このサイバラの連載が読みたくて、毎週、ちょっぴり恥ずかしさを感じながら、「近代麻雀」というマニアックな週刊誌を買っていた(「まぁじゃんほうろうき」は4巻まで出ています。何度読んでも笑えます。これ絶対オススメ。)

 その次に出合ったのは「サイバラ式」(92年刊)という本( 写真右 )。これは漫画というより、漫画付きの自伝的エッセイという感じのものだが、この本のなかには、サイバラの生き方というか、ポリシー(原点)がぎっしり詰まっている。バカとか身勝手とか言われようが、自分を信じて突っ走る生き方が…。西原理恵子

 サイバラは高知県の浦戸という小さな漁業の町に生まれた。確か1964年生まれだったから、今年誕生日が来たら、41歳かな? 小さな町の、裕福ではない家庭に生まれ育って、高校を中退。大検を受けて上京し、予備校に通う。そして「むさび」(武蔵野美術大)に進み、貧乏暮らしの在学中から、小さなカットのような仕事からコツコツとこなして、ようやくデビューした( 写真左 は、西原先生のご近影= 公式HP「鳥頭の城」 から拝借、多謝!)。

サイバラ

 そして、「ゆんぼくん」や「ぼくんち」など童話のようなほのぼの路線では、絵柄まで変わって、メルヘンチックな、心地よい余韻の残る物語を描いてしまう。同じ人とは思えない多才さ。神足裕司と組んでの「恨ミシュラン」は、サイバラの名を完全に「全国区」にしてしまった。( 写真右 =週刊誌の抽選で当たったサイバラ自作の版画と肉筆の絵です)。

 現在、毎日新聞朝刊で連載中の「毎日かあさん」は、仕事と育児の両立にてんてこまいしてるサイバラ自身の日常を描いているが、ここでは03年に離婚したプライベートなこと(現在6歳の男の子と4歳の女の子が一緒)までギャグのネタにしている。上京ものがたり

 「離婚して落ち込んで」(本人の弁)も、それをしばらくしたら、生きるエネルギーに変えるたくましさに、僕は心打たれる(「なんてオーバーな反応!」とサイバラに言われそうだが…)。昨年出版し、ベストセラーになった「上京ものがたり」( 写真左 )という絵本のようなコミックは、あの「サイバラ式」以来の自伝的な内容。

 高知から一人で上京して、貧乏暮らしに耐えながら、絵で食べていけるようになり、「大嫌いだった東京に『ありがとう』と素直に言えるようになるまで」(これも本人の弁)を、ギャグは抑えめに描いているが、これがまた心に染みるような味わいで、「とにかく凄くいいー!」としか言いようがない。

 サイバラの漫画には、どんな教科書や哲学書を読んでも得られない、人生を生きるための何かが詰まっているような気がする。仕事がうまくいかなくて、人間関係がうまくいかなくて、落ち込んだとき、僕はサイバラを読んで元気をもらう(お酒は癒しにはなっても、元気はくれない)。

 僕は、サイバラへの熱い共感と、同時代に生きている幸せを今、かみしめている。サイバラ、頑張れー!(僕も頑張るから…)。





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Last updated  2005/04/21 01:41:32 PM
コメント(13) | コメントを書く


■コメント

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なんか意外です  
pattie  さん
うらんかんろさんって難しい小説を読むイメージだったからびっくりです。

サイバラさん面白いです♪
私も実は20代の頃社員旅行でおやじ達に混じって「麻雀」をしていました。

麻雀の漫画といえば私は中学の頃から「植田まさし」の「フリテン君」を愛読していました。
4コマの漫画でこれも麻雀がわからないと面白さ半減だと思います。

私はサイバラさんはエッセー漫画と呼んでいるのですがいいですねぇ。 (2005/04/21 06:13:17 PM)

Re:ビバ!サイバラ!/4月21日(木)(04/21)  
久里風  さん
このように共感できる漫画、漫画家がいてうらやましい限りです。何事でも共感できて没頭できることは幸せだと思います。

私には何があると聞かれると考えてしまいます。私の頃は漫画と言えば「少年」という月間漫画雑誌があり、手塚治虫の「鉄腕アトム」とか横山光輝の「鉄人28号」ですかね。ちょっと、うらんかんろさんの好みとニュアンスがことなりますが。

この頃から技術系のことが好きでした。次世代のロボットを連想することが出来夢中になりました。これらの作家の発想の凄さというのは感じましたが、人生の何ぞやを感じることはなかったようです。ただ元気になれたことは確かです。 (2005/04/21 06:23:24 PM)

私も  
カピタン さん
好きで良く読みます。しかし奥様がお嫌いなので、それについては家でお話が出来ません。「まいにちかあさん」などは子育て中の我々にはいい話しだと思うのだが。
とにかく好き嫌いが出てしまうタイプのマンガだと思います。
追伸、「ぼくんち」は読売新聞連載の「あたしんち」の向こうをはってるって言う噂ですが、ホント? (2005/04/21 08:07:30 PM)

Pattieさんへ  
 Pattieさん、こんばんはー。

>うらんかんろさんって難しい小説を読むイメージだったからびっくりです。

 えーっ? そんなことないですよー。ミステリー小説は別に「難しい小説」ではないですよー。
基本的には、乱読です。小説に限らず、あれこれ何でも読みまうしょ。

>サイバラさん面白いです♪ 私も実は20代の頃社員旅行でおやじ達に混じって「麻雀」をしていました。

 おーっ、仲間が増えて嬉しいなぁー。僕の連れ合いも麻雀知ってるから、サイバラ大好きです。

>麻雀の漫画といえば私は中学の頃から「植田まさし」の「フリテン君」を愛読していました。

 植田まさしの「フリテン君」、僕も好きですよー。麻雀漫画と言えば、
片山まさゆきという漫画家の「ぎゃんぶらぁ自己中心派」という漫画も、
めちゃ面白いですよ(シュールな面白さですが…)。機会があれば読んでみてください。
(2005/04/21 11:09:57 PM)

久里風さんへ  
 久里風さん、こんばんはー。

 僕も、「鉄腕アトム」や「鉄人28号」は大好きですよー。小学生の頃からよく読みましたよー。
とくに、手塚治虫の漫画は 僕の人生に多大な影響を与えたと思っています。
久里風さんの好みと、そう変わらないと思いますよ。 (2005/04/21 11:15:51 PM)

カピタンさんへ  
 カピタンさん、こんばんはー。

>好きで良く読みます。しかし奥様がお嫌いなので、それについては家でお話が出来ません。

 それは困りましたね。好き嫌いは、個人の好みなので、どうしようもないですけどね…。
(漫画そのものが、あまり好きじゃないのですかねぇ…)。

>「ぼくんち」は読売新聞連載の「あたしんち」の向こうをはってるって言う噂ですが、ホント?

 そんな話は初めて聞きましたよ。ガセネタではないですかー。 (2005/04/21 11:26:24 PM)

Re:ビバ!サイバラ!/4月21日(木)(04/21)  
ayakh  さん
私もサイバラ大好きです。
最初に知ったのは出世作の「恨ミシェラン」でした。それ以降はサイバラ作品を自分の不得手なギャンブルものまでおっかけて読んでます。サイバラ作品は、笑いや下品や毒もありつつ、優しさや貧しさ、悲しさもきちんと描くから大好きです。銀玉親方と組むより鴨ちゃんと組む方が好きだったから、離婚はさみしかったのですが、当事者にしかわからない事ですものね。。

毎日かあさんも、ちくろ幼稚園も、ゆんぼくんも、できるかなシリーズも鳥頭紀行もみんな大好きです。 (2005/04/22 12:33:37 AM)

Re:ビバ!サイバラ!/4月21日(木)(04/21)  
はるる!  さん
ここにも居ます。

サイバラ・フリーク。笑

あの、「まあじゃんほうろうき」って、同名の有名なばくち小説があるのを知らないで、最初「麻雀放浪記」にしちゃう予定だったんですよね、確か。

それにしても、しっかり売れっ子になっちゃいましたね♪

カモちゃんは、いったいどうしてるんだろうか?! (2005/04/22 01:29:16 AM)

Re:ビバ!サイバラ!/4月21日(木)(04/21)  
上京物語読みました。

またあと出来ます。 (2005/04/22 09:22:13 AM)

ayakhさんへ  
 ayakhさん、こんにちはー。
「サイバラ大好き人間」の仲間が増えて、嬉しいです。

>最初に知ったのは出世作の「恨ミシェラン」でした。それ以降はサイバラ作品を自分の不得手なギャンブルものまでおっかけて読んでます。

 おーっ、かなり本格的にはまってますねー。

>サイバラ作品は、笑いや下品や毒もありつつ、優しさや貧しさ、悲しさもきちんと描くから大好きです。

 そうですね。漫画家はたくさんいるけど、こういう本音をさらけ出して描く人って、
これまでいなかったから、サイバラが出てきたとき、僕にはとても新鮮でした。

>毎日かあさんも、ちくろ幼稚園も、ゆんぼくんも、できるかなシリーズも鳥頭紀行もみんな大好きです。

 もう、負けそう! ayakhさん、僕以上のサイバラ・フリークかも。 (2005/04/22 10:41:13 AM)

まつもとちあきさんへ  
 ちあきさん、こんにちはー。

>「上京ものがたり」読みました。またあとで来ます。

 とてもシンプルなコメントありがとー(笑)。またあとで来てねー!
(2005/04/22 10:47:50 AM)

はるる!さんへ  
 はるる!さん、ご訪問&書き込み、有難うございました。

 「サイバラ・ファン」の輪がもっと広がればいいなぁと思う一方で、あまりメジャーになって、
毒が抜かれたようなサイバラは見たくない、とも願うこの頃です(笑)。

 ご覧のように、趣味的なことばかり、好き勝手に書いているページですが、
お時間がありましたら、また遊びにきてくださーい。 (2005/04/22 10:50:35 AM)

Re:ビバ!サイバラ!/4月21日(木)(04/21)  
私もマンガはけっこう好きでよく読むんですけど
絵がかわいいなぁとおもって、また、
強烈な印象です。

家が昔、スナックやる前は雀荘でしたが私は全く出来ません。麻雀憶えてたら良かったなあぁ。
ボケ防止になるそうですし。


(2005/04/23 09:35:33 PM)

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