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2020/06/05
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 今回のコロナウイルス禍では、食品衛生法、風営法などの法律をしばしば詳しく読み込む機会がありました。その結果、恥ずかしながら、これまで知らなかった事実も、いくつか知ることになりました。バーや飲食業界に詳しい方からもご指摘頂いたことがありました。
 その中でも、私自身が今回初めて知って、とくに驚いたのは以下の3点です。バー業界関係者でも意外と知らない人が多かった点ですが、ダブリ承知でもう一度おさらいしておきたいと思います。

(1)ガールズ・バーは風俗営業ではない

 ガールズ・バーの法律上の定義はありませんが、「女性従業員がメインとなりカウンター越しに酒類を提供するショット・バー」です。オーセンティック・バーの関係者がよく「ガールズ・バーなんかと一緒くたにせんといてくれ」と言いますが、一般的なガールズ・バーは風俗営業ではなく、「飲食店営業許可」だけで開業できるのです。

 ただし営業できるのは午前零時まで。午前零時以降も営業する場合は、さらに「深夜営業届出」(正式名は「深夜酒類提供飲食店届出」)が必要です。
 ガールズ・バーは「飲食店営業許可」なので、当然、風営法で規定された「接待」行為はできません。なので、特定の客との長時間の談笑やお酌、ゲーム、カラオケのデュエットも当然できません。しかし、ガールズ・バーの中には違法な「接待」行為をしている店も散見されます。

 ただし、ややこしいのはガールズ・バーでも時には、「風俗営業の1号許可」も取って営業しているところがあることです。「1号許可」とは風営法で「客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業形態」で、いわゆるキャバクラ、スナック、ラウンジなどに相当する店です。

 このように、ガールズ・バーと言っても2種類の店が存在します。いま街場にあるガールズ・バーは基本、飲食店営業許可の店が多数派で、ハードルが高い風俗営業許可まで取っているのはごく少数派かと思います。
 なので、不可解に思われるかもしれませんが、風俗営業まがいのことをしている店があっても、ガールズ・バーのほとんどは、法律上は飲食店営業の店なのです(決してガールズ・バー業界の肩を持つわけではありませんが…)。

(2)料亭は「飲食店営業許可」+「風俗営業許可」で営んでいる

 料亭の中でも、とくに高級料亭ですが、私はこれまで「飲食店営業許可」だけで営んでいると考えていました。しかし、「風俗営業許可」も必要な業種だということを今回初めて知りました(料亭業界は「風営法の対象から外してほしい」と警察庁に陳情しているようですが…)。

 料亭の店内では、従業員の皆さんがお客様のすぐ側でお酌をしたり、芸妓さんが踊りなど歌舞音曲を披露したりします。これがまさに風営法でいう「接待」「遊興」行為に当たるからです。なので、祇園のお茶屋さんもおそらく風俗営業許可を取っているはずです(もちろん「接待」「遊興」行為のない小規模な料亭なら、飲食店営業許可だけで営めます)。

 しかし、今回のコロナ禍での休業要請対象には、少なくとも私が確認した限りでは、「風俗営業許可」でもある高級?料亭は含まれておらず、短縮営業が要請されただけでした。すなわち「普通の飲食店扱い」でした。

 バーについては、飲食店営業許可で営むオーセンティック・バーなど「接待を伴わないバー」にも休業が要請されたのに、料亭への「特別扱い」は理不尽と言うしかありませんが、裏で何があったのか私は知りません(※「接待を伴わないバー」は後に、大阪府の実際の運用では「飲食店扱い」になり、短縮営業できるようになりましたが…)。

(3)風俗営業許可=深夜営業の店ではない

 何度も書いていますが、一般的なオーセンティック・バーは「飲食店営業許可」で営んでおり、午前零時まで営業できます(くどいようですが、「風俗営業許可」ではありません)。午前零時以降も営業したい場合は、「深夜営業届出」を管轄の警察署に出す必要があります。

 風俗営業許可の店(スナックやキャバクラ、ラウンジ、ナイトクラブなど)も、基本、午前零時まで(地域によっては午前1時まで)しか営業できません。なので、「風俗営業の店=深夜営業」というのは大いなる誤解です。早朝まで営業している飲食店やバーなどは「深夜営業届出」で営む店であって、風営法の規定で「接待」行為は禁止されています。

 さらに言えば、風俗営業許可と深夜営業届出は両方同時には取れません。どちらかしか選べません。「風俗営業許可」のスナックで午前零時を過ぎても「接待」行為をしていたら、厳密に言うと「違法」ですが、現実には警察も(午前1時~2時くらいまでは)黙認しているかと思います。

 なお、スナックを名乗っていても、「お酒を飲ませることがメインで、接待行為はしません」という場合は、飲食店営業許可だけでもスナックは開業できるそうです(現実にはそんな店、ほとんどないでしょうが…)。

【追記】 ちなみに、「飲食店営業許可」で営むオーセンティック・バーで、午前零時を超えて午前1時、2時頃まで営業されている店も多いかと思いますが、もし「深夜営業届出」を管轄の警察署に出していなければ、それは、厳密に言えば「違法」行為です。最悪の場合、50万円以下の罰金が科せられます。
 摘発されたという話はまず聞きませんが、もし不安なら届出を出された方がいいかと思います(ただし、食事提供がメインの定食屋さんなどは、特例として深夜営業届出をしないでも、早朝まで営業できるそうです)。


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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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