ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 26, 2006
XML
去年の秋、ロンドンRオーケストラで弾いてるうちに

 このKフィル、本番に向けて気合い充分。BBC交響楽団を振っちゃうような一流指揮者のもとで、いろんな経歴の奏者が競って演奏していた。
 曲が自分の好きなラフマニノフの交響曲2番だったこともあって、とても楽しく練習に参加させてもらった。ビオラは第一バイオリンに負けず劣らず難しかったけど。

 しかし(!)、このオケでは、自分のアマチュアオケ人生でも一、二を争うほどの 大失態 をしでかしてしまった。 

 リハーサル中に、指揮者がいきなり僕を指して、「そこのキミ、これからは本番も含めてここに座りなさい」とおっしゃる。そこは首席奏者の座る席……。

 ビオラパートが人数不足なのは一目瞭然で、前のほうに座らされる可能性はあったけど、僕のような新参者に首席を弾かせるとは、なんて太っ腹、いや いーかげん なオケなのだろう。


 そしたら、世のビオラ弾きのなかでは広く知られているトリビアらしいけど、英国のオケでは、ビオラに限って オモテとウラの奏者の座る位置が逆 なのだそうだ。
 どういうことかというと、ビオラセクションが第二バイオリンとチェロとに挟まれているとして、普通だったら、譜面台に向かって左側つまりチェロ側(=客席側)の人がオモテで、右側の人がウラ。
 英国ではこれが逆になり、ビオラの首席は右に座る。

 だから、僕は首席に任命されたのでもなんでもなく、単なる1プルトのウラであって、隣で黙々と弾いているお兄さんこそがホンモノの首席だったのだ。

 この英国特有のビオラ事情を知らない僕は、勝手に 首席としての使命感 に燃え、弓使い(ボーイング)を勝手に変えちゃったり、ビオラセクションのみんなに偉そうに指示しちゃったり、傍若無人。
 譜めくりも、当然のように隣のお兄さん(ホンモノの首席さま)に任せきり。

 自分が首席じゃないことを知ったときは後の祭り、得意の「英語わかりましぇーん」の ガイジン特権 を駆使して煙に巻くこともできず、ひたすら自分の粗相を恥じた。

 なお、当の首席ベン氏は、英国紳士を絵に描いたような人で、なんにも文句言わずにニコニコしてて、かつ完璧に弾きこなしてた。そんな健気な彼を見て僕はますます赤面してしまうのだった。



 ↓当時の写真。黄色が首席のベン氏で、白が僕。london k phil





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  Jul 29, 2006 07:27:28 PM コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ピカルディの三度TH

ピカルディの三度TH


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: