さて、新年1枚目。 いつもと変わらずエヴァンスで。 これは73年に初来日公演を行う前の音源だ。 エディ・ゴメスとマーティン・モレルのトリオ。 このトリオの作品としてはこのアルバムの頃が一番完成度が高いのではないだろうか。 同年2月のパリ公演ではいささか凡庸に感じられた音も、ここでは新たな展開を感じさせる。 リリカルな『Up With The Lark』で始まる。 この曲はこの演奏が初演とのこと。 その後、ラストトリオの最後の演奏までレパートリーに加わることになるナンバーだ。
エヴァンスのトップの出し方も心地よい。 『What Are You Doing The Rest Of Your Life?』は曲のイメージとしてはエレピのほうがよく似合う気もする。 ルグランの曲だが、ルグラン自身の演奏よりもいいと感じる。 やはりルグランは作曲家であって、エヴァンスは演奏者であるのだなということで。 『My Romance』を聴くと、ゴメスではやはり・・・と思ってしまう。
これはジョニー・マンデルのナンバー。 『Yesterday I Heard The Rain』邦題、”雨のつぶやき”ともいう。 この演奏が発見されるまでは、日本での演奏が初演と言われていた。 『Who Can I Turn To』はミュージカルより。 『Some Other Time』はラファロとのバンガードでの演奏も有名。 このゴメス、モレルのトリオ以降は演奏としては残ってない。 『Autumn Leaves』『Someday My Prince Will Come』も折にふれ何度も演奏した愛演曲だ。 リリカルなエヴァンスの魅力を引き出してくれる名曲だ。
1.Up With The Lark 2.What Are You Doing The Rest Of Your Life? 3.My Romance 4.Emily 5.Yesterday I Heard The Rain 6.Who Can I Turn To 7.Some Other Time 8.Autumn Leaves 9.Someday My Prince Will Come