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March 8, 2016
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カテゴリ: 教授の読書日記
 昨日、江本勝氏の『水は答えを知っている』という本を読んでいたのですけど、これは聞きしに勝る本でしたね。

 大体、冒頭から江本氏は駆っ飛ばしておりまして、「人間はそもそもこの世に誕生する前、受精卵のときは九九%が水です。そして、生れたときは体の九〇%が、成人になると七〇%が水で、おそらく死ぬときになってやっと五〇%を切るのでしょう。すなわち、人間は一生を通じてほとんど水の状態で生きているといってもいいのです。」(14頁)と語り、その帰結として「物質的にみると、人間とは水です。」(15頁)と喝破する。

 強引! そうでしたかぁ! 人間とはすなわち水であると!

 この辺からすでに「アレ?」って感じですけれども、ここからさらに江本氏は水の神秘に突入していきます。

 氏によれば、水は人間の言葉とか音楽に反応すると。だから「ありがとう」という紙を貼った瓶に入れた水を凍らせるときれいな結晶ができるのに、「ばかやろう」と書いた紙を貼っておいた瓶に入れた水は、ぐちゃぐちゃな結晶しかできないと。

 あ、ちなみに瓶に紙を貼る時は、瓶の中の水に読めるように、ちゃんと裏返して、水の方に表が見えるように貼らないとダメですよ。

 で、水は音楽も解するので、ベートーヴェンとかモーツァルトを聴かせると、それぞれの曲調にあった結晶を作るらしい。

 それからショパンの「別れの曲」を水に聴かせてみたら、なんと結晶が二つに別れてしまったと。曲のタイトルまで水は理解するらしいんですな。

 だけど、そもそもショパンのこの曲にはもともと「別れの曲」なんて名前はついてなくて、どこぞの日本人が勝手にそういう名前を付けたわけですよ。だからショパンの曲を水が聴いて、「これは別れの曲だから」ってんで分裂した結晶を作ったなんてはずがない。



 だからね、薬を水に溶かすじゃん? その水を希釈して希釈して、ほとんど薬の分子が残らないほどに希釈したとしても、水は薬の記憶を保持しているので、その水には通常の濃度の薬と同等の薬効が残ると江本さんは豪語しております。ルルドの泉が病人を癒す、なんてのも、この原理によるらしいし。

 あ、それから、人の願いだけで水を浄化することも可能で、琵琶湖の水を浄化しようと三百五十人ほどのボランティアで「宇宙の無限の力が凝り凝って、真の大和のみ世が生り成った」と断言したら、琵琶湖の水も澄んでしまったとのこと。

 ひゃーーーーー!

 あ、あと、江本さんは、地球に水があるのは、宇宙から飛んできた水の塊が今もなお日々、地球を潤しているからであって、このままだと地球は水浸しになってしまうかもしれないことを本気で心配なさっています。 

 ま、この本はそんなことを述べている本でございます。


 一言で言って、やばいな。この本はやばい。とはいえ、この本、世界31カ国で180万部が売れたんだけどね。


 自己啓発本の言説にはまともなものとそうでないものとありますが、「そうでない」方も、この本あたりが極北であってほしい。そうじゃないと、これ以上、この研究続けていく自信が無くなってくるよーーー。




 さてさて、昨日、ラジカセの話をし始めましたので、その続き。

 そう、昭和四十年代末に、日本では一大ラジカセブームが起ったのでした。

 この時、何がウリだったかというと、まず「ステレオ」っていう部分。それ以前のラジオって、大体「モノラル」でしょ。それが「ステレオ」になった。当然、音の質が全然違う。右の音は右から、左の音は左から聴こえるわけですから。それはスゴイことだった。

 それから、スピーカーも、高音用のツィーターと低音用のウーハーに別れていたりして、見た目的にもド迫力。いわゆる「2ウェイ4スピーカーシステム」って奴。でまた、高音・低音、それぞれ別々に調整できるタイプもあったりして、好みの音質に変えられるものもあったりしてね。

 そして、なんといってもカセット付っていうね。これが魅力だった。なにせ、ラジオの音声をそのまま録音できるんだもの。ほんとの「エアチェック」時代の到来ですよ。

 でまた、録音用のカセットテープがまた、色々あるんだ。

 最初の内はそれほど種類も無かったですけど、しばらくしてから「クロムテープ」が、そしてその後さらに「メタルテープ」が出た。「クロムって何? メタルって何??」という素朴な疑問はさておき、とにかく「メタルにすると音質がいいらしい」ってことになって、普段は普通のテープでも、ここぞと言う時にはちょっとお値段高めのメタルテープを奮発する、みたいな。

 カセットテープって、もう、我々の世代にとっては本当に素晴らしいものだったのよ。だから、TDKとか日立マクセルとか、ソニーとか、それぞれのメーカーが趣向を凝らしたテレビコマーシャルを打ち出しててね。

 特によく覚えているのはたしか加藤和彦が歌ったのだったかなあ、「富士フイルムのカセットに、一杯音楽あれば、後はどうにか、なってゆきます」って言う奴。ほんとにそうだったんだもん。カセットがあれば、後はどうにかなる、っていう時代が確かにあった。今だったら「スマホがあれば・・・」ということになるのだろうけれども。




 さてさて、世の中がそんな風になっている中で、私もラジカセ買ってもらって。本当はソニーのが欲しかったのだけど、ちょっと値段が高かった。で、結局、アイワのラジカセを買ったの。妥協して。

 そう、この頃ね、音質に関してはさておき、デザイン面ではこの種の製品ではソニーのデザインがダントツでさ。私たちの世代は、ソニーを中心に世界が回っていたわけよ。我々の世代のソニー信奉ってすごいからね。子どもの時から植えつけられているのでなかなか抜けない。

 ま、それはともかく、アイワでもいいよ。とにかく自室にラジカセがあるってことが重要だったんだから。今でも思い出すけど、自分の部屋の勉強机の両端にZライトとラジカセがあるってことが、どれだけ幸せなことだったか。部屋の灯りを消し、Zライトだけにして、それでラジカセでFMを聴く、なんてのはさ、ホントに至福の時でしたよ。

 大人になると、その程度のことで至福を体験できるってことがなくなって、ホントにつまらないよね・・・。


 ところで、私の場合、ラジカセに加えてもう一つ、大きな宝物がこの時期にありました。それはね、「短波ラジオ」。これもまたね、この時期流行ったんだ。

 で、私が小学校6年生の時だけど、誕生日だったか、親にねだってついに買ってもらったの。秋葉原まで行ってね。

 買ってもらったのはソニー(ついにソニーだよっ!)の「スカイセンサー5900」って奴。これ、めちゃくちゃカッコよくてさ。

 短波放送だと、世界中のラジオが聴ける。例えば、当時人気だったのが「ラジオ・オーストラリア」で、夜7時だったかにダイヤルを合わせると、笑いカワセミの声で始まる日本語放送が聴ける。今聴いているのは、オーストラリアで発信された電波なんだ、っていうのが、子どもにとってはロマンでね。番組自体は別に特に面白いものでもなかったんだけど、とにかく、電波が世界を経巡って今、自分の手元に来たというところが何ともいえず楽しかった。

 だから、結局、私たちの世代の青春時代の入口って、「電波を通じて世界に開いていた」っていう感覚なんだよね。

 ひょっとすると、我々の一回り上、団塊の世代の連中って、もっと生身の世界体験をしていたのかもしれない。だから学生運動とか、デモ参加とか、しちゃうんじゃない? だけど我々の世代は、そこに電波が一つ挟まる。その意味で、「メタ体験」なんですよね、なんでも。テレビ世代ってこともあるけど。

 ともかく、そんな感じで、私の小学校高学年時代には、ラジオ&ラジカセがすごく大きな比重を占めていたのでございます。





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Last updated  March 8, 2016 02:06:30 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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