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June 21, 2025
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カテゴリ: 教授の雑感
授業の小テストを採点していて、「ほう」と思うことがありまして。

 日本の学校制度とアメリカやドイツの学校制度を比較した授業だったんですけど、小テストの問題としては、「アメリカやドイツの学校制度の中で、日本の学校制度に取り入れてもいいと思われるものを挙げ、その理由を述べよ」というもの。

 で、私がちょっと驚いたのは、ドイツの学校制度をいいと思う学生が圧倒的に少数派だったこと。

 ドイツの学校制度の特徴は、早い時期から生徒の進路が決まるところ。大学進学に必要な「ギムナジウム」に進むかどうかは10歳くらいで決まりますからね。で、中学卒業くらいの時点で、職能学校に進学する生徒が出てくる。農業とか商業とか工業とか、自分が進みたい職能に特化した学校に、比較的早い時点から進学することになる。

 で、これは明治時代の日本の学校制度によく似ているのね。っていうか、明治時代に日本が学校制度を作った時、ドイツをモデルにしたので、そういうことになるわけですが。

 だから明治時代の日本の学校も、ドイツ同様、中学くらいから複線的になる。大学を目指すなら旧制中学校に進むし、学校の先生になりたければ高等小学校を経て師範学校へ進む。医者になりたければ医専に進むし、そのほか、商業学校・農業学校・工業学校などに進む生徒もいる。

 今みたいに、小学校を終えたら全員が中学校、中学校を終えたらほぼ全員が高等学校、それを終えたら半分は大学生に、残りの半分は就職に、というような「高校までは全員が一本道」という単線的な学校制度は、戦後、アメリカの学校制度を取り入れたからそうなったのであって、それ以前はドイツ的な複線式だったのよ。

 で、私なんかは、「全員が高校に行かなくてもいいんじゃね? 国民の半分が大学に行かなくてもいいんじゃね?」と思っているので、ドイツのような複線式を復活させた方がいいのじゃないかと思っているのですが、小テストをやると、ほぼ全員が「ドイツ式はよろしくない」と意見を言うんだよね。

 その解答の文面を見ていると、どうもドイツ的複線式の学校制度を「不公平」と捉えているらしいのよ。そこに、私はビックリする。



 つまり「多様性」より「平等」が好きなわけ。平等を重視するあまり、多様性は無視すると。

 私は、むしろ多様性を重視することが、平等を重視することにつながると思うんだけど、最近の学生はそうは思わないのかな? 

 人間には、色々なことに対して向き・不向きがある。これが多様性ということであって、全員が同じ進路に進むということになると、この多様性を無視することになるわけよ。そうなると、たとえば「勉強の出来る子がいい子」という価値基準で同学年の全員が判断されることになり、中には「勉強ができないからダメな子」と言われてしまう子が出てくる。その子は、勉強以外のことで素晴らしい素質があるかもしれないのに。

 それは不公平だ、とは思わないのかな? それぞれの多様性に合わせた基準で判断した方が、むしろ平等に、公平に、個々人を判断することになると、私は思うのだけど。

 というわけで、何が何でも同学年の子が同じ進路の進むのが公平であり平等だと考えている学生が大半であると知り、ホントにそれでいいの? と思ってしまったのでした。





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Last updated  June 21, 2025 10:31:34 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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