イルカみたいに生きてみよう~心の力を抜いて楽しく生きていきませんか

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2006年08月27日
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カテゴリ: 親父のがん
妹から電話があった。

田んぼの手伝いに行ったのだが、思うように作業が進まないので、怒鳴り散らすのだと言う。妹としては、せっかく手伝ってあげているのにという切ない気持ちになったのだろう。

昔からそうだった。
腕のたつ職人だった父は、ほかの人がやっていることを見ているのがまどろっこしくてたまらなかった。いつも母が手伝いについて行ったが、朝から晩まで、母は怒鳴られっぱなしだった。「よく、耐えられますね」と、施主の人に同情されたようだ。僕も、高校時代には、何度か手伝いに行ったが、いつも「できるわけないやろ。ふざけるな!」と、途中でふてくされて帰ってきたものだ。

だから、妹が怒っているのもよくわかる気がする。

妹は言った。
「あの人には感謝の気持ちが足りない」

僕には、ものすごく考えさせられる言葉だった。


しかし、決定的な思い違いが、父にはある。

それは、父の口癖から読み取れる。
父は、僕が帰るたびに言う。
「先祖さんを守らなければならない」

父は、子どものときからそう教えられてきたのだろう。そして、それを自分の使命として、疑うことなく、75歳まで生きてきた。
だから、自分が先祖を守った後は、長男である僕が守るのは当然のこととなっている。

しかし、ちょっと待ってくれよ。
先祖というのは、「守るもの」ではなくて、子孫を「守っている存在」なのではないのか。

「先祖を守る」
「先祖に守られている」

親父に感謝の気持ちが足りないとしたら、「俺が先祖を守っている」という思いが強いからではないだろうか。


昔、父は、仕事中に1メートルほどの高さから落下したことがあった。下は鉄筋が針地獄のごとく、立ち並んでいた。そこへ落ちたのだから、大怪我、もしくは最悪の場合は、死んでしまうこともあっただろう。ところが、父はお尻から針地獄に落ちて、鉄筋の1本が肛門にすぽっと入り、それでも腸を傷つけることもなく、かすり傷ですんだのだ。奇跡としか言いようがない。

守られているのだ。

今回、母がうるさく言うので健診を受けたら早期のうちにがんが見つかったというのも、守られている証拠だろう。
そして、治療が終わったばかりなのに、この暑い中、田んぼ仕事をしようとする無謀さ。まわりの反対に耳を貸そうとしない。すると、どんなことが起こったか。コンバインが故障してしまったのである。コンバインの故障は、父の怒りの主たる原因になったのだが、故障したことで、稲刈りを業者に頼むことができたのだ。今は、養生しろという先祖の声なき言葉ではないのか。

「しょうがない奴や」


ありがたや、ありがたや。





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Last updated  2006年08月27日 09時31分20秒
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さそい水 @ Re:ありがとうの思いを現実化するのがお金の役割(12/12) 大谷君は、 野球が好きで好きでたまらなく…
ハピハピハート @ Re:娘の結婚式(03/12) 美しい花嫁さんですね🌸
さそい水 @ Re:本当の自分?(12/27) いろいろな自分が同居しているんじゃない…
ハピハピハート @ Re:本当の自分?(12/27) 興味深いお話しですね✨ わたしは女を演じ…

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