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“斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇”
★★★★☆
全11話。
人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。
(P408より)
中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じことだ。
(P416より)
それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために走っているのだ。
(P419より)
お久しぶりですーー。本は数冊ほど読了済みのがあるんですが、ブログ更新まで辿りつけませんでしたーーr( ̄_ ̄;)なんだか毎日お疲れモードでして・・・。気力も体力もミニマムです(笑)
さて本題。
“駈込み訴え”はおもしろかった。初めて知って初めて読みました。いいですね(o^∇^o)
“あの”出来事をこういう風に解釈するのかーー奥が深い。でもわかる。愛と憎しみって表裏一体ですものですね。人間心理を非常に鋭く描いていて素晴らしいです。これぞ文学っ!!
王道ですが、“走れメロス”がめっちゃ気に入りました!!教科書に載ってたけど詳しい内容はまったく覚えてないな~程度で、個人的に腰を据えて読んだことなかったですが、読んでびっくり!!
これまでは、友情を貫くことは素晴らしい!!的な単純な教訓話だと思ってましたが、ノンノンノンっ(ー_ー )ノ"
様々な感情がメロスの中に渦巻いて葛藤するのです。そこの心理描写が絶妙で、メロスと一緒になって懊悩してしまいます。
正義を貫きたい!そういった崇高な思いは誰もが持っている。ただ、それを何の迷いもなく貫けるような人間って果たしているだろうか?正しいことなんて誰もが知ってる。ただそれを正しいと主張し実行し続けることって難しい。時に迷い、諦めそうになったりする。それが人間なのです。
メロスも例外でなく、正義を実現するべく走りだすのですが、その途中で様々な困難が彼を襲います。そこで諦めそうになったり、自分の正義が揺らいだりする。
その葛藤がたまらなくいい。メロスの葛藤が読んでいるだけで体中に駆け巡り、こちらまで叫びだしたくなります。
すっかり太宰治に魅了されてしまった今日この頃です(≧ω≦)
=== 12冊目 読了 ===
谷崎潤一郎 『春琴抄』 2011年01月26日
上田秋成 『春雨物語』 2011年01月23日
谷崎潤一郎 『鍵・瘋癲老人日記』 2010年12月27日