逆説の日本史 <全X> 0
ローマ人の物語 <全X> 0
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春琴抄評価:★★★★★ --- 梗概 -------------盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の著点をなす作品。幼い頃から春琴に付添い、彼女にとってなくてはならぬ人間になっていた奉公人の佐助は、後年春琴がその美貌を弟子の利太郎に傷つけられるや、彼女の面影を脳裡に永遠に保有するために自ら盲目の世界に入る。単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔の世界をくりひろげる。(裏表紙より)-----------------------先日、『帰れま10』で洋麺屋五右衛門が取り上げられてて。めっちゃおいしそうーー♪うちの近くにはないのかな?と調べたら・・・すんごい近くにありました(笑)しかも、週に何度も通る道沿いに(笑)どんだけ私って周囲に目が行ってないんだろうか・・・。 ページ数にしてわずか80ページ足らず。にもかかわらず、読み終えた後の心地よい疲労感。素晴らしいです。非常に深遠な物語です。 有体な説明をすれば、主人の春琴を慕う奉公人佐助が深い愛でその身を犠牲にしてまで愛し続けるって話なんですが。これじゃ皮相的な理解にすぎないと思います。これは決して佐助の、己を犠牲にした献身愛を描いたものではない。むしろ逆に、佐助のエゴイステックな愛の物語と言った方がまだ正鵠を射ているのかもしれない。 佐助は、自らの美貌に自信を持ち、高慢な態度で接する主人の春琴が好きなんです。女主人春琴にぶたれたり、なじられたりして恍惚としている。しかし、春琴はある時その美貌を奪われてしまう。自信を失くし、かつての高慢さを失う春琴を見たくないがため佐助は自分の目を突き盲目となる。こうして彼は永遠に自信に満ち溢れ高慢な春琴を手に入れることに成功するのです。その後も奉公人という立場を決して譲らず献身的に春琴を世話する佐助。これって自己犠牲の献身愛に傍からは見えるんだけども、実際は、佐助は被虐的立場にその身を置くことが快感でたまらなく、佐助自身の喜びのためにやっていることなのだと思う。後年、結婚をしたがらなかったのが春琴ではなく佐助であるという描写があり、その中で佐助の被虐趣味が窺知できる。この描写からも、佐助は決して主人への愛のためだけに献身してきたのではないということがわかる。 春琴の方は大分気が折れて来たのであったが佐助はそう云う春琴を見るのが悲しかった、哀れな女気の毒な女としての春琴を考えることが出来なかったと云う畢竟めしいの佐助は現実に眼を閉じ永劫不変の観念境へ飛躍したのである彼の視野には過去の記憶の世界だけがあるもし春琴が災禍のため性格を変えてしまったとしたらそう云う人間はもう春琴ではない彼は何処までも過去の驕慢な春琴を考えるそうでなければ今も彼が見ているところの美貌の春琴が破壊されるされば結婚を欲しなかった理由は春琴よりも佐助の方にあったと思われる。佐助は現実の春琴を以て観念の春琴を喚び起す媒介としたのである(略)(P70より) ・・・なんとも深い。色んなエッセンスがギュッと凝縮されてきれいにまとまり、一つの物語になっている。様々なテーマを絡ませながら物語へと昇華させる。繊細な感性が織り成す美しい布のようです。読んでいるだけで、柔らかく心の襞に触れられているような感じがするほど。すーーっと脳に言葉がしみ込んでくる。表現法、言葉選び、すべてが完璧なんです。何もかもが。さすがは文豪谷崎潤一郎って感じです。感無量。間然するとこなし!! 今度は『細雪』に挑戦したいなーー(*´∀`*)=== 11冊目 読了 ===
2011年01月26日
春雨物語評価:★★★☆☆ 心を収めれば、誰も仏心を得、解き放てば妖魔となる(P129より) 春雨とビーフンとマロニーさん。似て非なるものなのか?どう違うんだろう?(笑) 本題。上田秋成は、以前『雨月物語』を読みました。そちらの方がおもしろかったなぁ。現代語訳していただいてはいるんですが、如何せん時代背景から登場人物から、なにかと歴史・古典の知識がないと理解しきれない・・・(笑)浅学菲才の私には難しかったです。お恥ずかしい限り(´;ω;`) でも古典はなかなかおもしろいですね。色々と読んでもっと古典に親しみたい。この角川ソフィア文庫は、ビギナーズクラシックスシリーズとか、古典に親しむ一助になるよい本がたくさん出ているので、たくさん読んでいきたいと思います(*´∀`*)=== 8冊目 読了 ===
2011年01月23日
鍵/瘋癲老人日記改版 === 25冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2010年12月27日
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“お伽草紙”評価:★★★★☆ お伽草紙が読みたくてだいぶと前に購入したまま埃かぶってました(笑)ようやっと読みました~(´・ω・`)おもしろかったです。文学苦手でも関係ない。ずんずん読めちゃいます(o^∇^o)=== 28冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2009年07月13日
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇”評価:★★★★☆ 全11話。 人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。(P408より) 中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じことだ。(P416より) それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために走っているのだ。(P419より) お久しぶりですーー。本は数冊ほど読了済みのがあるんですが、ブログ更新まで辿りつけませんでしたーーr( ̄_ ̄;)なんだか毎日お疲れモードでして・・・。気力も体力もミニマムです(笑)さて本題。“駈込み訴え”はおもしろかった。初めて知って初めて読みました。いいですね(o^∇^o)“あの”出来事をこういう風に解釈するのかーー奥が深い。でもわかる。愛と憎しみって表裏一体ですものですね。人間心理を非常に鋭く描いていて素晴らしいです。これぞ文学っ!!王道ですが、“走れメロス”がめっちゃ気に入りました!!教科書に載ってたけど詳しい内容はまったく覚えてないな~程度で、個人的に腰を据えて読んだことなかったですが、読んでびっくり!!これまでは、友情を貫くことは素晴らしい!!的な単純な教訓話だと思ってましたが、ノンノンノンっ(ー_ー )ノ" 様々な感情がメロスの中に渦巻いて葛藤するのです。そこの心理描写が絶妙で、メロスと一緒になって懊悩してしまいます。正義を貫きたい!そういった崇高な思いは誰もが持っている。ただ、それを何の迷いもなく貫けるような人間って果たしているだろうか?正しいことなんて誰もが知ってる。ただそれを正しいと主張し実行し続けることって難しい。時に迷い、諦めそうになったりする。それが人間なのです。メロスも例外でなく、正義を実現するべく走りだすのですが、その途中で様々な困難が彼を襲います。そこで諦めそうになったり、自分の正義が揺らいだりする。その葛藤がたまらなくいい。メロスの葛藤が読んでいるだけで体中に駆け巡り、こちらまで叫びだしたくなります。すっかり太宰治に魅了されてしまった今日この頃です(≧ω≦)=== 12冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2009年02月13日
【Amazonで購入】 “津軽”評価:★★★☆☆ 信じるところに現実はあるのであって、現実は決して人を信じさせる事が出来ない(P50より) エッセイ?紀行文?そんな感じです。太宰治の故郷である津軽について書いた本(*^m^*)津軽に詳しい人はもっと楽しめたんだろうな~。私は全然津軽に明るくないので、読んでいて「あぁ~!!あそこね!!」みたいに自分も太宰と一緒になって津軽を楽しむというところまではいけませんでした(;^ω^A でも、よかったです。これまでは太宰治ってものすんごく陰気なイメージがあって、常に頭を抱えて懊悩しているという印象でした。が、これはそのイメージを根底から覆してくれます。人間って色んな面があって、始終陰気な人間も、始終陽気な人間もいないんだっていう当たり前のことを改めて痛感しました。陰気で、生に懊悩するのも太宰治。冗談言って、友達と軽口たたき合いながら津軽を旅する陽気さもまた太宰治であるのです。そういう意味でもものすごく収穫のある一冊でした(*^m^*) === 123冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年11月09日
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“好色一代男”評価:★★★★☆ 簡単に内容を説明するならば、女(時には男)が大好きな遊び人♂の一生を書いた作品です(笑)いやーーおもしろい。源氏物語が女が書いた男の一生なのに対し、これは男が書いた男の一生。それだからか?明け透けで読んでておもしろいです(笑)一話あたりも5ページ前後と短いし、さくさく読めます。えーーこんなことまで書いていいの!?ってな具合に若干エロめですし(笑)挿絵がまたいい。主人公が女の恥ずかしいところをのぞき見する挿絵には思わず笑いが吹き出しました(≧∇≦)古典ってとっつきにくいし、きっと古くさくってつまんないんだろうと思いましたが、全然です。めちゃくちゃおもしろい。訳者の力量もあるのでしょうが、楽しめました!!=== 114冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年10月19日
【Amazonで購入】 “源氏物語(一)”評価:★★★☆☆ 源氏物語第一巻。谷崎潤一郎訳のものを読もうと思って、二巻までは買ってあったのですが、円地さん訳のものを発見し思わず買ってしまいましたーー♪ちなみに、全六巻で既刊が二巻です。日本人なら源氏物語やろーーー!!(笑)ってなわけで、きちんと腰を据えて読んでみたいと思っていました。千年ほど前に書かれたものとは思えませんね。だって、恋愛中の男女の気持ちは現代と何らかわらないんですもんっ。人間は進歩するけど、男女は進歩しないといったところでしょうか?あっと驚かされるような表現や描写も多くあります。訳もすごくきれいな日本語で読んでいて心が癒されます(*´▽`*)日本が誇る古典ということで、すばらしいはすばらしい。ただ、やっぱり恋愛なんだなーー。最初はおもしろおかしく読んでいましたが、途中から、光源氏のあっちゃこっちゃ目移りしまくる尻軽ぶりに辟易(笑)彼女が真剣に好きだと言った口で今度は違う女への愛を語る。お前は中学生か!!と思わず突っ込んでみたり(笑)なにはともあれ、日本が誇る古典です。読んでその時代風景を感じる、美しい日本語の訳に触れる。それだけでも十分に価値がある本だと思います。=== 97冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年09月17日
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“仮面の告白”評価:★★★★☆ --- 梗概 -------------「私は無益で精巧な一個の逆説だ。この小説はその生理学的証明である」女性に対して不能であることを発見した青年が、幼年時代からの自分の姿を丹念に追求するという設定のもとに、近代の宿命の象徴としての“否定の呪われたナルシシズム”を開示して見せた本書は、三島由紀夫の文学的出発をなすばかりでなく、その後の生涯と文学の全てを予見し包含した戦後文学の代表的名作である。(裏カバーより)----------------------私は何ものかが私を殺してくれるのを待っていた。ところがそれは、何ものかが私を生かしてくれるのを待っているのと同じことなのである。(P193より) ちゃんと読んだ三島作品ってこれが初めてです、恥ずかしながら(;^ω^A (以前『不道徳教育講座』を読みましたが、それはエッセイでしたので。)女性に対して全く欲望を持てない主人公の煩悶が描かれています。とはいうものの、単なるマイノリティーの悩みという浅薄なテーマに終始するのではなく、それを端とした深い深いものが描かれています。ん~いいです。とっても深遠。やはり文学作品はすごいですね。太宰治を読んだときにも思いましたが、思春期の苦悩や人間としての懊悩等、誰もが経験するぼんやりとしたものを明確な形にする。これぞ文学っ!!(*´ー`)文豪はやはり凡人とは違います。誰しもが経験するけど時がたつうちに忘れ去られてしまう気持ち。そういうものを、さらりと通り過ぎてしまわずに思索する。そして文学作品へと昇華させる。ここが文豪の文豪たる所以なのではと思います。時には難解で、婉曲な言い回しがあったりしますが、それもまた妙味。じわじわと文学のおもしろさに目覚め始めた(気がする)今日この頃(*^m^*) === 88冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年09月04日
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“人間失格”評価:★★★★☆ 長編。ジャケ買いした三冊のラスト。これもすごかった。これで、ジャケ買いした作品は全て購入して正解だったことになります(*´ー`) 『恥の多い生涯を送ってきました』という文言はあまりにも有名ですよね。これも本当に素晴らしかった。主人公の心情が、次々と身体にしみ込んでくるようです。文学作品のすごさにようやく気づき始めたこの頃。すごいな、文豪たちって(#^.^#) どれもこれもあまりにも素晴らしすぎてなんと感想書いていいやら、筆力のない私にはわかりません(笑)とにかく感銘を受けました。=== 70冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年07月23日
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“地獄変”評価:★★★★☆ 短編集。全12話。● 大川の水 ● 羅生門 ● 鼻 ● 芋粥 ● 地獄変 ● 蜘蛛の糸 ● 奉教人の死 ● 蜜柑 ● 舞踏会 ● 秋 ● 薮の中 ● トロッコ 『秋』は初めて読みました。いいですね。この中で一番っていうくらいよかったです。心理描写が絶妙。深遠ですよ。なぜここまで人の深層心理を描き出すことができるのか?天才ですね。誰もが持っている汚さやずるさ、そういうものを文学に昇華できるって才能ですよね。ようやく文学のおもしろさがわかってきました(*´ー`)とは言うもののいまだによくわからない文学作品も多いんですけど(;^ω^A === 69冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年07月22日
【Amazonで購入】 “こころ”評価:★★★★☆ 長編。悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです(P78より) 小畑健さんの絵が好きで、ジャケ買いしました(笑)他にも『人間失格』、『地獄変』も買いました(#^.^#)これって集英社のナツイチ対象商品だったようで。一気にハチのストラップ4つももらっちゃいました(*´ー`) 閑話休題。『こころ』はあまりにも有名ですよね。しかし、私はいっさい読んだ記憶がないです。学校で読んだはずなんだろうけどまったく覚えてません(^~^;)ゞ でも、教科書に載せる理由がわかりますよね。すんごく素晴らしい。これぞ文学という感じがします。心理描写がすごいです。深遠で含蓄があって・・・。よかったです(*´ー`) === 68冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年07月18日
【Amazonで購入】 【楽天ブックスで購入】“雨月物語”評価:★★★★★ 短篇集。全9話。● 白峯 ● 菊花の契 ● 浅茅が宿 ● 夢応の鯉魚 ● 仏法僧 ● 吉備津の釜 ● 蛇性の婬 ● 青頭巾 ● 貧福論 鳥類を制するのは人間の気合ひとつにある。そして妻を制するのは、その夫の雄々しくしっかりとした気性ひとつにある(「吉備津の釜」より) 奇譚集です。どれもこれもおもしろい。特に好きだったのは、『菊花の契』、『浅茅が宿』、『吉備津の釜』、『蛇性の婬』、『青頭巾』。・・・ってこれじゃほとんど全部ですね(笑)『菊花の契』 --- 信義を貫くために男がとった驚くべき方法とは?この話を読んで、信義を貫き通すことは非常に大切なことだと感じながらも、ちょっとだけ『尾生の信』という言葉が頭をよぎったりしました(笑)『吉備津の釜』 --- 妻を裏切り女と逃げた男が迎える末路とは?女の嫉妬を侮ってはいけません。女は怖いのです!!そういえば、女は自分の男を他の女にとられると、なぜか自分の男よりも相手の女を恨んだりすることが多い気がします。どう考えても一番悪いのは自分の男なんだけどな・・・。まっ、相手の女も業腹ですけどね(笑)といった具合の怖くて不思議なお話ばかりです。お勧めですよーー♪ちなみに、ちゃんと現代語訳がついてますので、大丈夫です!!っていうか、現代語訳ぬきで読めたらすごいですよね??古文なんて大学受験以来読んでないのですっかり古文知識がぬけおちた私には、現代語訳は神様仏様です(笑)でも、こういうの原文で読めたらいいですよねーー(*´▽`*) === 4冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2008年01月29日
“谷崎潤一郎犯罪小説集”評価:★★★☆☆ 短編集。全4話。そっか。“犯罪”小説集だったか~orz勝手に“探偵”小説集と思いこんで読んでました(;^ω^A 途中でどうも探偵は出てこないしと不思議に思ってよくよく考えると・・・なるほど、犯罪小説ね。どれもほぉ~ってな感じで特筆すべき感想もなかったかな~~ヽ(´~`;)ただ、谷崎潤一郎って、文豪というイメージが強かっただけに、この手の話も書かれてるってことがひどく印象深かったです(*^m^*) === 218目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★ ---雑記---------------------------------------あーーーめちゃくちゃ久しぶりの更新です。なぜこんなに滞ってたのか?実は・・・フィリップが!!フィリップのせいなんです!!フィリップとは別に彼氏の名前なわけでもなく(笑)先回読んだ本『ジェノサイドの丘』の作者名です(笑)ジェノサイドの下巻を読んでるんですが、全く読み進められない・・・かといって上巻読んだだけで放り出すことも個人的にできず、毎日下巻とにらめっこ。読んでは挫折の繰り返しで一進一退。結局二週間近くねばりましたがまだ読み終えることもできず、最終的に主義をひんまげて下巻を読了せぬまま放置し、谷崎潤一郎本に手をだした次第です(笑)いや~一冊の本にここまで手こずるとは・・・やられました(´~`ヾ) でもなんとか下巻も読み終えようと思います。他の本読む合間に(笑)ってなわけで、今日からはしばらく更新停滞することもないと思いますので、よろしくお付き合いのほど(*^m^*) 追伸:遅ればせながら更新が滞ってた間に頂戴したコメントに返信させていただきました。コメントいただいてたのに返信が遅れてごめんなさいm(。-_-。)m
2007年12月23日
“堕落論”評価:★★☆☆☆ エッセイ。・・・ごめんなさい。ごめんなさいっ!!私には・・・わかりませんっ(;o;_;)o最後の方は読むのもつらかった。で、巷の評価はどんなもんかとAmazonを覗いてみたら・・・かなり高評価。ほとんどの人が★5つで、最低でも★4つ!!こういう結果をみると、私がおかしいのかとさえ思えてくる(笑)でもわからないものはわからない。きっと私が日本文学に暗く、浅学で下賤だから、この手の高尚で深遠なエッセイは理解できないのでしょう。←かなり卑屈(笑)私は、三島由紀夫の『不道徳教育講座』のようなエッセイを期待したんですが、ちと違ったようで。残念無念。日本文学作品を渉猟した後に、もう一回読んだらまた違う感想がでてくるのかも?果たしてそれはいつになるやら・・・(笑)散々辛辣なコメント並べてましたが、中には「これぞ真理!!」と思わず叫んでしまいそうなほど同感できるところもありました。P69より。(中略)知恵のないものは、一は常に一だと思い込んでいるから、智者が一から二へ変化すると嘘だと言い、約束が違ったと言って怒る。しかしながら場に応じて身を変え心を変えることは兵法のたいせつな極意なのだ・・・あと、P158より。だいたい恋愛などというものは、偶然なもので、たまたま知り合ったがために恋し合うにすぎず、知らなければそれまで、また、あらゆる人間を知っての上での選択ではなく、少数の周囲の人からの選択であるから、絶対などというものとは違う。いや~これは本当、私が常々考えてることなんですよね~。恋愛すると、相手を無数の選択肢から選び抜いたように思いがちですが、それってホントは、自分の行動範囲という至極狭く限定された中で知り合った数少ない男の中から選んだにすぎないわけで・・・。なんかそういう、狭い世界でチマチマ愛だ恋だ言ってる自分がひどく矮小に感じたりします。いや、いちいち恋愛するたびこんな理屈っぽいこと考えてるわけじゃないけどさっ(笑)最後に、P174より。親切にしてやったのに裏切られたからもう親切はやらぬという。そんな親切は始めからやらぬことだ。これは心底同感です。しばしば、「あんなにしてやったのに~!!」って裏切られて怒ってる人を見かけますが、なんかそれって?見返り求めて親切したんかいってちょっと嫌な感じがします。もちろん、会社対会社、国対国みたいな利害が絡む関係の場合は、損得勘定が働いてもいいと思うんですが、利害関係を抜きにした個人対個人の関係の場合は、やはり坂口安吾の言うとおりなんだなーーと思います。ん~文句言ってたわりに、こうやって書いてみるとわりと楽しんで読めてたのかも?まっ、理解しがたい範囲があまりにも広かったってなことで低評価はご了承くださいませーー。=== 192冊目 読了 === ← ランキング参加中デス♪よろしければポチッとお願いします★
2007年10月23日
“寝ぼけ署長”評価:★★★☆☆ 短編集。全10話。『寝ぼけ署長』そう呼ばれている彼は、しょちゅう居眠りをしている。そんな署長だが、実は語学堪能、目を瞠る読書力。そして、彼が赴任する先ではなぜか犯罪が少ない。彼の赴任先の町で起こる事件を署長は見事に解決していく・・・。探偵小説という惹句だが、実はそれ以上に深~い要素が隠されてます。時には遠山の金さんのように人情味溢れた解決をしてみたり。かと思いきや、感情に流されずに冷静な目で事実を暴き出し、正当な判断をしたり。探偵ものであり、文学的な要素もあって。文学とミステリーの融合ってとこかしら?なのに評価が高くないのは・・・実は途中から斜め読みしてしまったから(;^ω^A なぜかというと、次に読む予定の本が気になって集中できなかったから(ならそっちを先に読めばいいんだろうけど・・・(笑))それと、「あぁ~金さんみたいだな~」とどこかしらでパターンを読んだ気がして飽きてきたから。いや、でもこれは改めてちゃんと読もうと思います。なので評価は暫定だと思ってください(;^ω^A 現在読みたくてしかたのないものを読み終えたらまた読んでみます。=== 117冊目 読了 ===
2007年04月28日
“一房の葡萄”評価:★★★★☆ 童話。全8話。有島武郎が遺した童話が全て収められてます。好きなんだよね~童話。童話に込められた寓意って素晴らしいですよね。人間の根幹を形成するのに絶対一役買ってると思う。子供がいれば絶対読み聞かせたいもんです。私も子供の頃は毎晩母が読んでくれましたね~童話。今思えばそこで、今の私の倫理、道徳観が形成されたように思います(もちろんそれだけではないですけど)。実は他にも童話本買ってあるんです。早く読まねば(笑) ---雑記---------------------------------------先月の目標は45冊だったのですが、結果は40冊。( ̄~ ̄;) ウーン今月の目標は、先月の不足分を補って・・・←ってこればっか(笑)35冊!!件数合計322件。今月こそ、目標達成に向けて頑張りまーす(*^▽^*)
2007年04月01日
“遠野物語”評価:★★★☆☆ 岩手県遠野町に伝わる民話を収集し、まとめたもの。いや~民間伝承ってすごいよね~。古くから語り継がれてきて、その過程で脚色されたりして微妙に変わって伝わったりしてる。こういう話を後世にきちんと残していかねば!!ってことで柳田さんは本にしたそうで。偉大な功績を残されてますよね。感服の至り。それなのに評価が★3つなのは・・・ちょっと斜め読みしてしまったから(笑)はっきり読んでない部分は評価ができませんので、そこを差し引いて3つかな。ちゃんと読んだら4つかも?←ならちゃんと読めよ(笑)
2007年03月14日
“お艶殺し”評価:★★★☆☆ 表題作の『お艶殺し』と『金色の死』の2編。初・谷崎潤一郎でした。前に『文豪ナビ 谷崎潤一郎』を読んだことだし・・・ってことで早速読んでみました。うん。文学ってとりわけ何が言いたかったのかわからないことが多いんだけど(あくまで私の場合ですけど<(; ^ ー^) )これはテーマがかなり明確でわかりやすく、私としては次をまた読んでもいいと思える文豪でした。文豪ナビを読む限りでも、読んでみたいと思えたし、『細雪』とか『卍』『鍵』なんかは絶対読みたい。しかーし!!難点が一つ(;´д` ) それは・・・漢字が難しい(笑)いや、もちろん私が漢字を知らないってこともあるでしょうけど、それを差し引いても難しい。例えば、『希臘』。「きろうって何だ?」と思ってみれば、『ギリシャ』だし。まぁこれはかろうじて分かったたとしても、『禽獣』、『跼まる』、『汀』、『甍』、『纜』なんて読めますか!?(ちなみに答は順に、『きんじゅう』、『せぐくまる』、『みぎわ』、『いらか』、『ともづな』です。あなたはいくつ分かりましたか?・・・ってクイズじゃねぇーーー!!(笑))縦しんば読めたとしても意味がわかんないし・・・(ノ_<。)他にもこういう具合に読めない漢字がたくさんあって、かといってスルーできるタチではないので一々辞書を引き×2読んで・・・そうすると、160ページ足らずの薄い本なのに読むのに時間がかかる×2。読後は心身ともに疲弊しておりますヽ(  ̄д ̄;)ノ でも、こりずに頑張って文学挑戦して行きますL(@^▽^@)」
2007年01月19日
“河童”評価:★★★★☆ 全8編。私がこの本を買ったのは『或旧友へ送る手紙』を読みたかったから。この中で芥川は自殺の理由について「将来に対するぼんやりとした不安」と語っている。この描写を読んだときビビっときた。こういってはおこがましいけれど、芥川という文豪にシンパシーを感じたし、とても身近に感じた。人が自殺すると、周りの人は「○○が原因だ」って、なにかしら理由を欲しがるけど、実際はこれって理由はないんだと思う。色んな悩みが降り積もって、それがいつも頭の中を悶々としてて、最後に何かちょっとした引き金になることが起こって人は死を選ぶんじゃないかな。芥川龍之介って、すごく感受性が豊かで、ある意味で純粋で、純粋すぎて不純なものばかりの人世に耐えられずに、最終的に死を選ばざるを得なかったんじゃないかなぁ?彼は死ぬことより生きることの方がつらかったのかもね。『桃太郎』『河童』なんか読むと、厭世的っていうか、人間の汚さにたいする嫌悪感が読み取れる。『歯車』『或阿保の一生』読むと、精神をどんどん蝕まれてくる様子が手に取るようにわかる。不眠症。幻聴。幻覚。生きることに無気力になっていく。こんな文豪がなぜ夭逝せねばならなかったのかと嘆きたくもなるけれど、これほどまでに精神をやられてしまうほど、神経質であり、純粋であったからこそ、素晴らしい作品が残せたわけで・・・考え出すと堂堂巡り。ふぅ。今度は初期の作品を読んでみたいな~♪
2006年12月23日
“夢十夜・草枕”評価:★★★☆☆ 「夢十夜」は、短篇だし読みやすくておもしろかった。でも、「草枕」はめちゃ長い上に難解で、何度くじけそうになったか・・・。いつも文学作品を読んで「さっぱり理解できなかった」と感想を述べる度に、自分の浅識が露呈しているようで内心忸怩たる思いなのですが、いかんせん、わからんものはわからんもので(笑)でも、日本人として、文学作品はある程度読んでおかねばという気持ちが強いので、挫折しない限り、モチベーションがマックスのときにでもちょこ×2読んでいきたいと思います。
2006年12月14日
“不道徳教育講座”評価:★★★★☆ エスプリに富んだエッセイ集。タイトル通り、不道徳をすすめる話なんだけど、なぜ不道徳をすすめるのかに辿り着くまでの論理が、とてもおもしろかった。全編にわたって、パラドックスを巧みに用いて真理をついてた。感服の至りです。三島由紀夫って、慧眼鋭い。すごく怜悧な頭脳の持ち主だったことが、これ一冊読んだだけでもわかる。あと、この作品に関して言えば、三島由紀夫って、ペシミストにみえた。すごくシニカルに人世を捉えてるように感じた。恥ずかしながら、三島さんに関する知識は皆無に近くて、自決したことしか知らなかったくらいなんだけど、だからこそ、彼ってすごく固くて気難しい人だったんだろうと漠然と感じてたんだけど、これ読んで今までのイメージがみごとに瓦解した。こんなにアイロニカルにかつおもしろおかしく、逆説を用いて真理をつくって、かなり頭脳明晰でウィットがある人だったんだと知った。いや~自分の浅識を恥じるばかりです。遅蒔きながら、三島文学にも触手を伸ばしてみようかなぁ。
2006年09月13日
“怪談・奇談”評価:★★★★☆ タイトル通り、怪談や奇談が全42編おさめられてます。『常識』っていうのが一番好きだったな。案外、エリートとか聖職者って言われてる人って、世間ずれしてなくてどっか浮世離れしてて、俗世間を生きぬく力は、庶民の方が持ち合せてたりするもんなのかも。それにしても、小泉八雲って、イギリス人なのに(後に日本に帰化しましたが)、ここまで日本の古典に親しんでたなんてすごいよねぇ。日本独特の、“情緒”とかを理解できた、数少ない外国人の一人なのかも。でも、ところどころ解釈や読みを間違えて、訂正されてる箇所がいくつかありました。でもこれもご愛敬ってとこかな(笑)小さい頃に聞いた怖い話もいくつかあったなぁ。でも、大人になってからこうやってじっくり、ちゃんと読み返すと、結構人間のイヤらしい部分とかが絡んだ話もあったりして、また新たな怖さを発見できちゃったり。幼い頃聞いた童話とか、子ども向けの絵本じゃなくて、大人向けの文庫で読んでみるとおもしろいかも。そう思って早速、グリム童話、アンデルセン童話、ペロー童話、イソップ童話etc買い込んだから、また近いうちに感想を綴りたいと思います。
2006年08月09日
“日本の昔話”評価:★★★★☆ 最近日本昔話とか日本の古典にちょっぴりハマリ中。なので、日本全国の民話を集めたこの本はおもしろかったぁ(´ー`)小さいとき読んでもらったお話なんかもあったりして。『海の水はなぜ鹹い』なんて、夢があってよかったなぁ♪『二反の白』、『やせ我慢』はジョークがきいてて思わず笑ってしまった★あと、『養老の滝』って、日本の昔話から来てるって初めて知った~。ずっと居酒屋の名前としか知らなかったのよね(恥)教訓的なお話もあれば、単なる地元自慢に終止するものもあり、全部色んな意味で楽しめたなぁ♪老婆心ながら申し上げると、この著者は「やなぎたくにお」さんで、「やなぎだくにお」さんではありません。ハイ。
2006年07月31日
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