2012.08.20
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 勧善懲悪物、下克上物、お説教物、実はいずれも苦手な部類だったりします。観る前から結末がわかってしまうためです。



メタルヘッド

 メタルヘッドと聞いてもあまり期待はしていませんでした。
 有名俳優がへヴィーメタルを気取る映画はスパイナル・タップを除き、ハズレが多いためです。
 スパイナル・タップは別格のおもしろさですけどね。




 メタルヘッドもメタル音楽の使い方に関しては 大ハズレ の部類に入ると思います。

 映画はメタリカの Motorbreath で始まるところはポイントが高いと思いました。
 サウンドトラックには全盛期のメタリカ楽曲がふんだんに使われていますので、Master of Puppets、... And Justice for All あたりのアルバムを聴きまくっていた世代の方は、鳥肌が立つ瞬間が何度かあると思いますが、ファンでも何でもない方にとっては、恐らく雑音にしか聞こえて来ないでしょう。

Master of Puppets

 主人公のヘッシャー (ジョセフ・ゴードン=レヴィット) は確かにメタルをガンガン流し、普通では考えられない行動の数々をやらかしますが、ギターを演奏することもなければ、ステージで歌うこともありません。

 この時点でメタルヘッドを謳い、別室でギターを練習しているという設定(映像なし)はメタルヘッド(メタル狂)映画としてはアウトだと思います。



 ヘッシャー自身についてですが、本編では日常を壊す存在として描かれています。
 いじめられっ子少年の家に突然居座り、パンツ一丁になって洗濯機を回し始めたかと思うと、テレビ番組がつまらないと言っては、ポルノチャンネルに勝手に加入したり、いじめっ子の車に火を放ったりとやりたい放題です。

 映画の八割くらいは、悪ガキのように暴れまくるヘッシャーの姿を周りの人間が呆気に取られて見ているだけですが、全編を通してブレてないのは祖母だったりしますので、祖母とヘッシャーのつながりに注目しながら観ていれば大切なものが見えてくるかもしれません。

 失った人を取り戻すことはできない。いずれは別れが来るのだから、毎日を何となく生きるな。
 たとえ何かを失っても、その喪失感に溺れて屍のように生きてはいけない。もっと刹那的に生きろ。

 そんなメッセージを感じ取れたとき、まだ何も始まっていないが、こうしてはいられないという気持ちが湧き起ってくるのかもしれません。


おまけ:

 ヘッシャー役のジョセフ・ゴードン=レヴィットはコメディ番組 3rd Rock from The Sun で嵌ったクチです。



 子役時代からそのずば抜けた演技力で数々の難しい役をこなして来ていることで有名な俳優ですが、そろそろ普通の役を普通に演じるところも見てみたいですね。

 普通を自然に演じ切るのは意外ととても難しいような気がします。
 フランス語もできるので、フランス在住のサラリーマンの日常なんかを演じたら、さらにインパクトがアップするのではないかと期待しています……ってそんなストーリーの需要が果たしてあるのか。

 3rd Rock from The Sun はかなり有名な番組だと思っていましたが、どうやら日本では通常販売されていないようですね。輸入版のみの扱いのようです。



 地球征服を企てたとある星から、リサーチのために派遣された三人の宇宙人 + 通信機(人間に見える)が人間に成りすまし(しかも人間の姿では一番若いジョセフ・ゴードン=レヴィットが実は最年長の情報員)、地球生活を体験しながら人間を理解して行くというストーリーです。


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最終更新日  2019.02.13 17:54:47


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