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マーティン・キャンベル「MEMORY メモリー」109シネマズ・ハット 実は「探偵マーロウ」が見たかったんですね。その映画でフィリップ・マーロウを演じているらしいリーアム・ニーソンという人は、確か、「シンドラーのリスト」のシンドラーですよね。こっちの映画は見た記憶があります。でも、30年前の映画で、その後、彼は超一流の俳優の道を歩んできた人らしいのですが、ボクが見たことがあるのは、2017年の「ザ・シークレットマン」という邦題の、所謂、ディープ・スロート物で、主人公のMark Feltマーク・フェルトを、渋く演じていた1本だけなのです。 ところが、今年(2023年)になってフィリップ・マーロウをやっているというのです。ハンフリー・ボガードやケリー・グラントがやったあの役です。これは何とか見てやろうと思っていたのですが、見逃してしまいました。 で、109シネマズ・ハットのプログラムで見つけたのがマーティン・キャンベルという監督の「MEMORY メモリー」でした。原作は、20年ほど前に「ヒットマン」という題名で映画化されていて、所謂、リメイク作品だそうです。まあ、原作も前作も知らないわけですから、ボクには関係ありませんね(笑)。で、スクリーンに登場したのは、老齢の殺し屋でした。 人を殺す手口というか、動きがいいんですね。ワイヤーとか、素手とか、ピストルとか、方法は何パターンかあるのですが、始まるとアッという間に事が終わっているメリハリ感がスクリーンの空気を一瞬に支配していくんです。その「殺し」のシーンが、まあ、そういってよければ、爽快な印象でした。必殺仕事人のムードといえばいいのでしょうか(笑)。 ところが、この殺し屋さん、アルツ・ハイマーなんです。それに加えて子供は殺さないという、自らに課した「掟」の持ち主という、まあ、めんどくさい老人なのですが、そこが物語の展開の肝でした。 どうして子供はだめなのか、そこのところが、やや、説得力に欠けますが、とどのつまり、アルツ・ハイマーのせいで段取りをしくじってしまうというのは、なんというか、まあ、見ているこっちの年のせいもあってでしょうが、リアルな墜落感を感じました。 とはいいながら、とどのつまりには、「掟」が光るどんでん返しもあって、「よしよし、そうでなくっちゃね!」 という結末で、まあ、シンプルな映画でしたが納得でした。 お目当てのリーアム・ニーソンという俳優さんですが、年をとっても、いい役者ですね。拍手!でした。それから、リンダというFBIの女性捜査官役だったタジ・アトウォルという女優さん、なかなか、よかったですね。拍手!でした。まあ、顔立ちが好みだというにすぎませんが(笑)。 でもねえ、やっぱり、「探偵マーロウ」、どこかでやってくれないかなあ・・・。 でした。監督 マーティン・キャンベル原作 ジェフ・ヒーラールツオリジナル脚本 カルル・ヨース エリク・バン・ローイ脚本 ダリオ・スカーダペイン撮影 デビッド・タッターサル編集 ジョー・フランシス音楽 ルパート・パークスキャストリーアム・ニーソン(アレックス・ルイス:殺し屋)ガイ・ピアース(ヴィンセント:FBI捜査官)モニカ・ベルッチ(ダヴァナ・シールマン:お金持ちのおばさん)タジ・アトウォル(リンダ・アミステッド:FBI捜査官)レイ・フィアロン(ジェラルド・ヌスバウム:FBIの上司)ハロルド・トレス(ウーゴ・マルケス:メキシコの警察官)2022年・114分・R15+・アメリカ原題「Memory」2023・05・22-no062・109シネマズ・ハットno27追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2023.05.23
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シャノン・マーフィ「ベイビーティース」シネリーブル神戸 映画の冒頭から「ただならぬ出来事」 が始まります。まず、大きめのグラスの底に、血がついた「奥歯」がゆらゆらと落ちてきて、アップになります。 で、場面が代わって、精神分析なのでしょうか、カウンセリングを受けていたらしい女性と担当医師が、診察室(?)で、とりあえずという感じで「ただならぬ行為に」に及び、行為の途中で電話がかかり、行為を中断して女性は出て行ってしまうのです。「何ですか、これは?」 と、あ然として見ていると、女性と男性は「ご夫婦」で、二人の間の子供、高校生のミラちゃんが、この映画の主人公だと分かります。 この映画では、随所に「ただならぬ雰囲気」が漂い、一体、何が起こっているのか、あるいは、何が起ころうとしているのかということが、いまひとつわからないまま、最初の「奥歯」のシーンにたどりつき、「ベイビーティース(乳歯)」という題名の謎が解かれ(うーん、解かれたのかな?)、そこまでの「ただならぬ雰囲気」が「なんや大ごとやないか」という結末を迎え、シーンがかわって最後の「海辺」のシーンになります。 映画には、最初から「エピソード」の展開ごとにクレジットがついていました。もっとも、最初の「ご夫婦」のシーンのクレジットは忘れました。ザンネン! で、最後のシーンのクレジットが、たしか「海辺」だったと思うのですが、ひとつ前のシーンで、いったん結末を迎えた物語の回想のシーンでした。 このシーンの最後の最後に、まだ「ベイビーティース」が抜けていなかったミラちゃんがカメラを構え、「仲の良い」ご両親の写真を撮ります。そして。彼女が構えたカメラのレンズ越しに見える海辺の光景が、静かに広がりエンドロールが廻り始めます。 ここまで、実は何が「ただならない」のか、よくわからなかったにもかかわらず、このシーンは素晴らしいと思いました。まあ、このシーンにやられたという感じでした。 JR元町駅から神戸駅までの元町高架下商店街を「モトコ―」と呼ぶのですが、今日は、その「モトコ―」のシャッター街を歩きました。延々と閉まっているシャッターの通路を歩きながら、つくづく、「よその家のことはわからないものだ」と思いました。まあ、家の中のことに限らず、ひと様のことはわからないのですが。 人はそれぞれ「ただならぬ」なにかを抱えて、その上で、家族とか恋人とかになるのでしょうが、「一人娘が死にかけの大病だ」とか、「親から見捨てられた」とか、そういう、人から見てわかることとは違う「ただならぬ」ものが、それぞれの人を支え続けていて、それはお互いにわからないんですよね。 その、お互いにわからないことに耐えて、どう生きていくのか、この映画は、その雰囲気をよく伝えていたと思いました。 死を宣告された高校生ミラちゃんを演じたエリザ・スカンレンという、若い女優さんの表情も印象に残りました。 まあ、それにしても、変な映画でしたね。監督 シャノン・マーフィ製作 アレックス・ホワイト脚本 リタ・カルニェイ撮影 アンドリュー・コミス美術 シャーリー・フィリップス衣装 アメリア・ゲブラー編集 スティーブ・エバンス音楽 アマンダ・ブラウンキャストエリザ・スカンレン(ミラ)トビー・ウォレス(モーゼス)エシー・デイビス(アナ)ベン・メンデルソーン(ヘンリー)ベン・メンデルソーンエミリー・バークレイユージーン・ギルフェッダー2019年・117分・G・オーストラリア原題「Babyteeth」2021・03・03シネリーブルno86追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)
2021.03.21
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ピーター・ジャクソン「彼らは生きていた」シネ・リーブル神戸 ほとんど引きこもっていたような二月が終わろうとしていました。世間は新型のインフルエンザの話題で持ちきりのようです。ほんとに出かけていく気力を失います。 インフルエンザといえば、最近、第一次世界大戦物が目につきます。予告編を見ていて惹かれたのがこの映画でした。「ロード・オブ・ザ・リング」という映画を見ていませんからピーター・ジャクソンとか言われても、実は誰のことかわかりませんでした。妙に美しい戦場の色彩に惹かれたのでした。 神戸駅から元町商店街を歩いて、シネ・リーブルまでやってきました。いつものコースです。途中のイスズ・ベーカリーでアンパン、カレーパン、ソーセージ・パン、あれこれ買って、コーヒーは持参していましたから、これで映画鑑賞昼食です。 久しぶりのシネ・リーブルは、やっぱり、すいていました。コーヒーを一口飲んで、ソーセージ・パンをかじっていると、白・黒の記録映画の画面で映画は始まりました。見たのはピータ・ジャクソン監督の「彼らは生きていた」です。 イギリスから、戦争に行って、生きて帰ってきた人たちの「ことば」が語られていて、それが、今現在も生きている人が、実際にしゃべっているのか、すでに死んでしまっている人の「ことば」を誰かが、セリフとして読んでいるのかはわかりません。 イギリスは、この戦争に1914年に参戦したわけですから、いくら若くても、当時十代後半の人たちが、生きていれば120歳を越えるわけです。だから、誰かが従軍記録を読んでいる映画だとは思いますよ。 何人もの「行って、帰ってきた話」が続いていますが、画面は記録映画のままです。久しぶりのウトウト感に襲われて、ハッと目覚めると世界が一変していました。 さっきまでの記録映画的チカチカ白黒画面が、フル・カラーの現代映画画面に、世界で最初に創られたイギリス軍の「マーク」型戦車、砲塔のない菱形で全身キャタピラの戦車ですね、が写っていました。 ここから、戦場の様々な場面が、リアルなカラー映像で、音も人間の表情や言葉も、今、そこにあるシーンとして映し出されてゆきます。残念ながら飛行機と艦船のシーンがあったかどうかは、気付きませんでした。しかし、それにしても見とれてしまいました。ナレーションは続いています。 そして再び眠くなってしまいました。画面の中で動いている部分と、止まっている部分があるように感じました。その視覚的な違和感が気になり始めると、眠さが拡がってしまうのです。 戦場の青年たちは生き生きと生き返り、戦場での束の間の笑いに興じています。砲弾の炸裂するシーンは、もう、美しいというしかない様子です。地面に転がっている山盛りの死体たちはリアルに、もう一度、死んでいました。 しかし、何かが、決定的にずれているような、ある不安な感じが「眠り」に引き込もうとしているようでした。これは、ある種のカン違い、錯覚に気付かせない、大いなる錯覚じゃないでしょうか。そうでもないんでしょうかね。 再び白黒の画面に戻り、懐かしい音楽が流れてきました。何だか、いいようのない、ホッとした気分を味わいました。 いい、悪いはともかく、映画だからできることだと思いました。素直にドキュメンタリー映画とは言いにくい気分でした。それにしても、これには、相当な手間がかかっていることは間違いないだろうし、すごいことができる「時代」になったものだと思いました。監督 ピーター・ジャクソン 製作 ピーター・ジャクソン クレア・オルセン 製作総指揮 ケン・カミンズ テッサ・ロス ジェニー・ウォルドマン 編集 ジャベツ・オルセン 音楽 デビッド・ドナルドソン ジャネット・ロディック2018年 99分 R15+ イギリス 原題「They Shall Not Grow Old」2020・02・27シネ・リーブル神戸no44ボタン押してね!【中古】 ロード・オブ・ザ・リング コレクターズ・エディション トリロジーBOX /イライジャ・ウッド,ピーター・ジャクソン(製作、脚本、監督),イアン・マッケラン 【中古】【カード最大12倍!3/1限定、要エントリー】キング・コング / ピーター・ジャクソン【監督】
2020.03.02
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マイケル・グレイシー「グレイテスト・ショーマン」パルシネマ新公園 毎日通っていた仕事をやめて、映画館に通うようになって一年が過ぎようとしている。好みなのか、気が合うのか、だんだん通い慣れたところに繰り返し行くようになって、なんとなく気分がマンネリ化してしまいつつある。 映画館に行くこと以上に外に出ることが目的だったりするわけだから、最寄り駅をかえたり、近所を徘徊したり、気分を変えようと思うのだけれど、なかなか難しい。 ところが、座席に座って始まる映画は、今まで、あんまり見たことがなかったタイプのミュージカル仕立てだったりして、目を見はる。見たのはマイケル・グレイシー監督の「グレイティスト・ショーマン」。 なんか、舞台か、広場か、客席の後ろにシルクハットで、ど派手な燕尾服の男が、向こう向きに立ってて動き出す。ダン!ダダン!ダン!ダダン! 客席が一斉に足踏みして重厚でリズミカルな響きが広がって、もうこっちの気分は鷲掴み。 うまいなあ・・・・ 映画が始まって、男の回想。仕立て屋の少年と少女との出会い。少女の父親が少年に容赦のない平手打ち。「うちの娘に近づくな!」 何だか怪しげな手口で金を手に入れながら生きのびてきた、かつての少年P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、娘になった少女チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)を略奪、駆け落ち。「あっ、この女の人知ってる。息子が誘拐されて頑張ったゲティ家の人や。男も、どっかで見たことあるかなあ?わからんなあ。」 詐欺師で、ホラ吹きで、山師のバーナム。「ああ、こいつ、バーナム博物館のあいつや。なんでも見せもんにしよんねや。」 サーカスと蔑称されながら見世物小屋の成功で成りあがっていくホラ吹き男。成りあがるために手段を択ばないアメリカンドリーム。親指トムやひげ女をビクトリア女王拝謁の道具にする山師。美しすぎるほどの美女、歌姫ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)に執着する色男。 黒人奴隷が見世物だった150年前のアメリカ、ニューヨーク。のっぽ、チビ、ひげ女、狼男、アフリカゾウ、ライオン、空中ブランコ、インチキ、デタラメ、すべてが見世物。歌姫リンドですら、見世物だった。成り上がりのために妻や子供さえかえりみる余裕はなかった。 リンドに見透かされ、フリークスたちとの間には亀裂。興行は失敗。見世物小屋は放火され、妻や子供は去り、すべては灰燼に帰する。 もちろん、映画はここでは終わらない。 ラストのシーンのひげ女ルッツ(キアラ・セトル)の歌う「THIS IS ME」は圧巻だ。髭を生やした顔つきと目つきが素晴らしい。 サーカス小屋の大観衆とフリークスたちのレビューのクライマックスでため息。「うーん、やるなあ。」 「こっちも、おそる、おそる見ていたフリークスやったけど、、まさに、これが私!やもんなあ。髭ヅラの大女が素晴らしいってなんやねん。これが、アメリカ流なんかなあ。すごいなあ。エエ声しとんなあ。あのひげ女。」 映画館の出口で支配人のオニーさんに思わず声をかけてしまった。「二本ともよかったで!」「ありがとうございます、またお越しください。」 湊川公園の陸橋から煙草を喫いながら西を眺めると、夕日が沈みかけていて、大開通りの信号が、ずっと向うの高速長田の駅まで青やった。もうすぐ、春かなあ・・・監督 マイケル・グレイシー 製作 ローレンス・マーク ピーター・チャーニン ジェンノ・トッピング 製作総指揮 ジェームズ・マンゴールド ドナルド・J・リー・Jr. トニア・デイビス脚本 ジェニー・ビックス ビル・コンドン 撮影 シーマス・マッガーベイ 楽曲 ベンジ・パセック ジャスティン・ポール 音楽 ジョン・デブニー ジョセフ・トラパニーズ キャスト ヒュー・ジャックマン(P・T・バーナム ) ザック・エフロン(フィリップ・カーライル ) ミシェル・ウィリアムズ(妻チャリティ・バーナム) レベッカ・ファーガソン(歌姫ジェニー・リンド) ゼンデイヤ(空中ロープ アン・ウィーラー ) キアラ・セトル(ひげ女レティ・ルッツ) ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世(W・D・ウィーラー) サム・ハンフリー(親指トム ) エリック・アンダーソン ポール・スパークス バイロン・ジェニングス ベッツィ・アイデム 原題「The Greatest Showman」 2017年アメリカ 20世紀フォックス映画 105分2019/02/13no17追記2019・12・05「ゲティ家の身代金」はこちらをクリックしてくださいね。にほんブログ村にほんブログ村
2019.12.05
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