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引退を余儀なくされたソフトボール選手がこれからの人生に迷いつつプレイボーイのメジャーリーガーと詐欺の疑いで起訴されそうになっている青年実業家の間で思い悩む恋愛映画「幸せの始まりは」を見てきました。 封切り3週目日曜日、新宿ピカデリーの午前9時40分の上映は2割程度の入り。 かつてはソフトボールのナショナルチームを率いて金メダルをもたらしたスター選手だったが31歳になりメンバーから外されて、今更ふつうの人生に魅力を感じられず行く末に悩むサラ(リース・ウィザースプーン)は、手当たり次第に女と寝ているプレイボーイのメジャーリーガーマーティ(オーウェン・ウィルソン)と成り行きで関係を続けていた。サラの友人からサラの携帯番号を知らされて慰めるようにいわれていた青年実業家のジョージ(ポール・ラッド)は、はじめはその気がなかったが、父親の犯した不正で自分が疑われて失職した上に刑事訴追の危機にさらされ、恋人にも捨てられてどん底に落ちて、サラを食事に誘う。サラは、一緒に住みプロポーズしながらも他の女と行きずりのセックスを続け、自分本位にことを進めるマーティと諍いを繰り返し、ジョージの優しさに惹かれていき・・・というお話。 金持ちのセレブのイケメン男と失職して刑事訴追の危機にある落ちぶれた青年実業家の間で、サラが後者を選ぶ展開は、さえない中年おじさんとしては溜飲が下がりますが、でも考えてみればどちらも金持ちの中での話なんですね。桁が違うけれども。 サラの選択は、マーティのあまりの不節操ぶりとわがままさに対して、ジョージのサラの話を聞く姿勢やサラを尊重して待つ姿勢というところ。それ自体はわかりますが、サラとジョージが話した時間って、携帯でのわずかな時間の間抜けな会話、イタメシ屋での「沈黙のデート」、マーティのマンション(ジョージの会社も入っている)での荷物持ち、ジョージの部屋でのたぶん数時間くらいの会話(これもマーティからの電話で中断してサラはマーティのマンションに帰宅)、ジョージの部屋を訪ねたがすぐジョージの秘書が出産して産院に駆けつけた後でのバス停での数分くらい、マーティの開いたパーティでの数分くらい。たぶん、これで全部。これで圧倒的なお金持ちのセレブとすでに肉体関係も持ち将来を考えている女性の気持ちを奪えるって、そこはちょっと無理じゃない?って思います。 ジョージの秘書が、冷酷な会社のやり口に悲憤慷慨してジョージの家を訪ねつつ、守秘義務で縛られ、ジョージの方も守秘義務のあることは一切いうなと厳命するあたりや、会社側のジョージに対する姿勢、弁護士の態度(ホワイトカラー犯罪とはいえ、弁護士費用30万ドルって・・・)とか、アメリカだなぁって思います。もっとも、日本の企業の労使関係も、だんだんアメリカナイズされてきていて、使用者側の冷酷さが目に付くようになっている気がしますけど。
2011年02月27日
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韓流難病もの恋愛映画「私の愛、私のそばに」を見てきました。 封切り4週目土曜日、全国3館、東京では唯一の上映館となった新宿武蔵野館午前10時40分の上映は6割程度の入り。観客は若い女性が多数派でした。 離婚して父親が経営する葬儀社で働くジス(ハ・ジウォン)は、依頼者である母を亡くした車椅子の青年ジョンウ(キム・ミョンミン)から幼なじみだったことを知らされて気づき、ジョンウから難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に罹患していることを告げられ、ジョンウの中国での治療からの帰国後、交際を始め、2人だけの結婚式を挙げる。しかし、ジョンウの病状は次第に悪化し、思いあまってジスが連れて行った怪しげな鍼師の施術でジョンウの病状がさらに悪化して、ジョンウは入院生活に逆戻りすることになった。責任を感じたジスは病院に通い献身的な看護・介護を続けるが、ジョンウは病状の悪化につれて冷たい態度を取るようになり・・・というお話。 難病悲恋ものの典型的なパターンで、最近ではこのパターンでは一度は患者側が相手の将来を思って別れを決意させるためにことさらに冷たい態度を取るというのが恒例となっていますが、その点も含めて、いかにもの展開です。そういうあざとさというか、お涙ちょうだいの狙いが見え見えでもありますが、それでもなお、きっちり泣かされてしまうのが、私の単純さなのか(でも他の観客もたいてい泣いてたと思います)商売人の技なんでしょうね。 恋愛ものの割に、ジョンウの入院先の患者と家族の描写が比較的多く、筋萎縮性側索硬化症の患者の悲劇と看護・介護する家族の圧倒的な悲しみ・苦しみと少しの喜びが感じられます。 ジョンウが冷たい態度を取る前、医師の説明で病気の進行で感情がマヒして以前と違う態度・人格となることがあるというような説明が入り、そのような展開かなと思わされます。看護・介護する家族の側からすれば、愛情があればこそ続けていけると思えるところに、人格が変わってしまい傲慢な態度や冷たい態度が続くとなるとやりきれない思いが勝ちそうです。この映画の展開はさておき、そういう展開をたどる病気も現にあることを思えば、大変だなぁと考えさせられました。 ジョンウが法律を学ぶ青年(弁護士志望なんでしょうね)というあたり、個人的にはちょっと身につまされます。ジョンウが恋に落ちる相手がバツイチ(後で実はバツ2と告白しますが)という設定も今風でほほえましいですが、実はジスがバツイチで葬儀社で働いているという設定は、後のストーリーで巧みに効いてきます。 たいていの難病悲恋ものは、恋人になった後で発病しますが、この映画では、ジスは再会の時にジョンウから筋萎縮性側索硬化症に罹患していることを告げられていて、その上で交際を始めています。そのあたり、患者(患者団体)の心情に配慮されていると思いますし、そういう恋愛があっていいと思いますが、同時に本当にそういうことがあるだろうかという思いも持ちます。 自分がジョンウの立場だったら、病気を知って妻となってくれたジス、献身的に看護・介護を続けるジス、そしてピルを飲んでいると騙してまで(この騙してまでの点はちょっと引っかかるけど)自分の子どもを作ろうとするジスに、そんなに愛してくれることに感激してありがとうって涙ぐみ続けると思うんです。昨今の難病もので相手の将来を思って嫌われようという態度を取るのがスタンダードになってきているのは、どうもなじめません。ましてや最初はそれが珍しかったから衝撃的だったわけですが、今ではどうせそのパターンだよなと最初から見えてしまうわけですから、何か時間の無駄だよなとさえ思えてしまいます。まぁ、それで涙ぐむジスを見て、観客としてはますます泣かされるわけですが。
2011年02月26日
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