2006年02月07日
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カテゴリ: OPERA
コンヴィチュニー「魔笛」Part1

※中身を書きますのでこれから見る予定の方は絶対読まないで下さい。

舞台の幕の前に汚い絨毯が丸めておいてある。この絨毯が実は大活躍するんです。その横には紙袋。

オケピ。狭いのにさらに狭くなってる。なぜかというと、下手にでかいマットレスがどかーんとおいてある。
指揮者の上手に第一ヴァイオリンか?
オケピの上手にプロンプター。
オケ編成はシンプルで少ない。
指揮者のツァグロゼグ登場。

Ouvertuere
序曲


タミーノ(ヨハン・ヴァイゲル)が現れる。ジーンズの白い上下? 若者だ。若い。彼はいきなりパニクっている。

Zu Hilfe! Zu Hilfe!
「助けて、長蛇の列が追っかけてくる!」(字幕)
いきなり、笑。大蛇じゃなくて長蛇、ときたもんだ。
タミーノは社会不適合者で、集団恐怖症らしい。人の目が怖いようだ。パニックに陥り、いきなり、いなくなる。
例のマットレスが活躍。

実はここまで客電がずっとついている。すべてが演出だ。
3人の「女王」の侍女が現れ、じゅうたんを3人で担ぐ。紙袋に入っていた赤い小さくきった紙ふぶきのようなものを撒き散らす(大蛇の血の設定か)。

3人の「女王」の侍女は、3人のスチュワーデス。中年のオバサンたちで、若いタミーノにのぼせあがっている。一人のスッチーは自分のネーム・プレートをはずして、それにチュ~してタミーノの横に投げ入れる。もう一人は首の回りのスカーフをはずしてタミーノに。

タミーノは目を醒ましてうろうろオケピを動き回る。ほとんどオケの邪魔。ツァグロゼグの横で立っている。

パパゲーノ(フローリアン・ベッシュ)が現れる。
'Der Vogelfanger bin ich ja ' (Papageno)

lustig heisa Hopsasa!
Ich Vogelfänger bin bekannt
bei Alt und Jung im ganzen Land.
Weiss mit dem Locken umzugehn
und mich auf's Pfeifen zu verstehn.
D'rum kann ich froh und lustig sein
Denn alle Vögel sind ja mein.



大きな網をかぶっている。網には葉っぱがついている。オレンジのシャツを着ている。頭は坊主刈りで今風のあんちゃん。

タミーノ「おまえは誰だ?」
パパゲーノ「おまえこそ誰なんだよ」
タミーノ「俺は王子さ!」
いっせいに袖に引っ込んだ人々が不満の声を漏らす。笑。

「ここの支配者は誰なんだ?」
オケのメンバーがいっせいに思い思いの人を指差す。指揮者とか(笑)。

ここまでで既にわかるように、舞台上の主役以外の人々はオーディエンスである。我々はオーディエンスだが、舞台の上や袖にもオーディエンスがいるのだ。

パパゲーノ「俺はキラキラ星の女王に鳥を獲っているのさ」(字幕)
タミーノを助けたのは自分だと嘘をついたパパゲーノは3人の侍女たちにこらしめられる。ガムテープで口をぐるぐる巻きにされて、そのガムテはそのあとずっとパパゲーノの首にぶら下がっている。

'Dies bildnis ist bezaubernd schon' (Tamino) 
「これを見れば気が変わるわね」
スクリーンプロジェクターに映し出される映像。当然パミーナかと思いきや、そこに映し出されたのはどう見てもダイアナの挙式映像。顔だけ本人(歌手)にすげ替えている。こんなのあり!?

夜の女王が酒を飲みながらふらふらやってくる。彼女はアル中だ。


'O zittre nicht, mein liebe Sohn!' (Konigin der Nacht)


「あたしの娘を助けて欲しいの…ザラストロに誘拐されたの。」
酔っ払ってタミーノに迫る女王。タミーノは侍女に
(おい、助けてくれ、この人頭がいかれてるよ…)笑。
侍女が女王をタミーノから引き剥がす。

スクリーンプロジェクターに何かが映し出される。
侍女が歌う女王を撮影して映し出している。その画像はどんどんアップになり…(以下割愛)客大爆笑。

♪Hmm hmm hmm ---
としゃべれない窮状を訴えるパパゲーノ。
タミーノ「オレにいわれてもなー」
パパゲーノは許してもらう。ガムテがはがされる。

タミーノとパパゲーノは魔法の笛と魔法の鐘を貰う。なんとおもちゃのちっこい笛とおもちゃのブリキのオルゴール。(笑)笛には説明書がついていて、みんなで読む。

パパゲーノはさっそく網で侍女の一人をぐるぐる巻きにして連れ去ろうとしている。

「でもどこにあるんだ?そのザラストロのいる国は?」
「三人の童子が案内します。」

モノスタトスがパミーナを追っかけて出てくる。パミーナはへそだしルック。袖を切り落とした短いタンクトップにきたないパンツ。太いベルト。今時のねえちゃんだ。モノスタトスはマッチョなごっつい筋肉マン。でもテノール(笑)。モノスタトスはやる気まんまんでベルトを外して、パミーナに襲い掛かろうとする。そこにひかれていた絨毯の中からパパゲーノが現れる。お互いに
「化け物!」とびびって逃げていく。パパゲーノは下手から戻ってくる。パミーナに、
「あんた、夜の女王の娘だろ?」
「あんたを助けに来たんだ。王子が女王に頼まれたんだ。恋に落ちちゃってさあ…」
「恋ですって!」
パミーナは怒りまくっている。
「だったらなんでそのプリンツとやらが自ら来ないのよっ!」
「イタイとこつくなぁ~ ま、オレは先遣隊みたいなもんで。」

Bei Mannern welche Liebe fuhlen (Papageno,Pamina)


Bei Männern ,welche Liebe füheln,
Fehlt auch ein gutes Herze nicht.

Die suben Triebe mitzufuhlen,
Ist dann der Weiber erste Pflicht.

Wir wollen uns der Liebe freun,
Wir leben durch die Lieb' allein.

Die Lieb' versubet jede Plage,
Ihr opfert jede Kreatur.

Sie wurszt unsre Lebenstage,
Sie wirkt im Kreise der Natur.

Ihr hoher Zweck zeigt deutlich an,
Nichts Edlers sei, als Wein und Mann.
Mann und Weib, und Weib und Mann,
Reichen an die Gottheit an.


パパゲーノとパミーナのデュエット。
二人はいいムードになって、いちゃいちゃしまくり。
ふ~ん。

12歳ぐらいのTシャツを着た子供(ガキンチョ)が3人出てくる。
3人はタミーノを殴ったり蹴ったり。親父狩りかい。

タミーノがたどりついたザラストロの国。人々が椅子に座って見ている。
舞台に日本語で「自然」「叡智」「理性」と書いた扉が3つ並べられる。これがまたヘタな漢字で笑わせてくれる。
タミーノはまず、「理性」という扉を開ける。扉ごと外れる(笑)。
「自然」をあけるともっとひどい。扉をつけてある枠が壊ればらばらになる。
めげずに真ん中の「叡智」を開けると、弁者/第一の僧(モティ・カストン)が立っている。モティ・カストンは、シュトゥットガルトの「リング」「ラインの黄金」でドンナー役で出ていた人です。

弁者のアリア。
「君は、バカでおしゃべりな女に騙されているのだ…」
タミーノはここがザラストロの居城だと知り、去ろうとする。座っていた信者らしき人々はいったんいなくなる。しかしタミーノが態度を変えるとまた戻ってくる。タミーノはパミーナが生きていると知って喜ぶ。

タミーノは絨毯の上になぜかばらまかれた骨を、笛替わりにして吹く。すると袖からつがいのどうぶつのぬいぐるみを手にした大人たちが出てくる。正装した大人はぬいぐるみを床の上で遊ばせ、笛の音で踊る。それだけだったら微笑ましかったのに、動物達は交尾を始めた(笑)。いい年をした大人の信者達も踊っている。(笑)
「でもどこにいるんだ、パミーナ…」
「あっ、あれはパパゲーノの笛だ!」(退場)

パパゲーノとパミーナはモノスタトスにつかまってしまう。
パパゲーノは魔法の鐘を鳴らす。人々は踊りだす。かく、かくとロボットのように動く。(笑)

そこにザラストロ(アッティラ・ユン)が現れる。
ザラストロはカルト宗教の教祖。神父の着る長い式服を着ていて、信者も全員着ている。コンヴィチュニーはザラストロを善人として描いていない。ここがこのオペラのまさにポイントである。
第二の僧は、ハインツ・ゲーリヒ。同じく上記のリングの「ジークフリート」で印象的なミーメを演じた人。

パミーナは開き直って、
「そりゃああたしは逃げたけど、モノスタトスが迫ってきたからよ!」
ザラストロは、
「お前を自由にすることはできない。」と告げる。

ザラストロは女性差別主義者で(原作でもそうです)、パミーナは切れて殴りかかる。タミーノも捕らえられて連れてこられる。二人は初めて会ったのに、運命の人を認識して恋に落ちている。

ザラストロはモノスタトスを足の裏77回鞭打ちに処すと宣告する。
モノスタトスは連れて行かれる。

アッティラ・ユンはすばらしい声。
ザラストロが、「清めなきゃいかん」と、歌い終わって、ハインツ・ゲーリヒが日本語で「そうです!」と言ったので笑った。

タミーノは「試練」を受けることになる。タミーノとパパゲーノは袋詰めにされる。

休憩


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最終更新日  2006年02月19日 02時59分17秒
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