パルジファル

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2008年01月02日

カテゴリ： OPERA

Wagner - Parsifal

Levine, Metropolitan Opera (1993)

Directed by Brian Large
Music and libretto by Richard Wagner
production by Otto Schenk
sets and projections by Gunther Schneider-Siemssen
costumes by Rolf Langenfass
lighting by Gil Wechsler
stage director, Phebe Berkowitz

Daniel Anker and Suzanne Gooch, producers;
Peter Gelb, executive producer

Cast
Bernd Weikl as Amfortas
Kurt Moll as Gurnemanz
Siegfried Jerusalem as Parsifal
Paul Groves as First Knight
Heidi Grant Murphy as Esquire/Flower Maiden
John Horton Murray as Esquire
Kaaren Erickson as Flower Maiden
Gwynne Geyer as Flower Maiden

Franz Mazura as Klingsor
Waltraud Meier as Kundry
Jeffrey Wells as Second Knight
Jane Bunnell as Esquire/Flower Maiden
Bernard Fitch as Esquire

パルジファル

ベルント・ヴァイクル、マイヤー、モル、イェルザレムのMET版、1993年。

うちにDVDがあったのにまともに見ていなかった。

きのう、きょうで鑑賞。

この作品は基本的にワーグナーの作品のすべての要素を詰め込んだみたいな作品。

もちろん宗教的要素が一番強い。

聖杯伝説（グラール）、はローエングリンだし、

「同情して悟りを得る清らかな愚か者」、パルジファルは、第2幕までのキャラクターはジークフリート、＆タンホイザーのミックス。

彼の父ちゃん母ちゃんの描写はまさにジークムントとジークリンデ。

妖艶な花の妖精たちはタンホイザーのヴェーヌスベルクだし、

クンドリはエリーザベトとヴェーヌスの一人二役状態（タンホイザー）

聖なる槍は言うまでもなく、世界を司るヴォータンの槍とダブる。

ストーリーはタンホイザーやローエングリンに似ているが、非常に宗教色が強く、ちょっと引いちゃうところがあるなあ。
筋書きとしてはなんで最後にあの男が王になっちゃうのかというところが釈然としない。それじゃアンフォルタスの立場は？　彼は苦しんだだけで報われない。父ちゃんにも騎士たちにも情けないやつと思われ、救いの騎士を連れてきたのはグルネマンツとクンドリなんだから。

それに悟りを1幕では開くことができなかったパルジファルが、クンドリに迫られたから急に悟りを開く（アンフォルタスの痛みを感じることができるようになる）というのも釈然としない。奇蹟だからといわれればそれまでだが…　クンドリにママのことを散々教えてもらったからかしら？　とにかく脚本的にはこれまでのワーグナーの作品がごちゃ混ぜになっている感じで作者自身も違うものとして昇華しきれていなかったのではないかという気がする。

歌唱の面ではヴァイクルはやはり抜群。出番が少ないのがもったいない。

演出はすばらしい！　さすがオットー・シェンク。
こないだ変な演出で見ちゃったから…
聖杯に光が降り注ぐところは圧巻。
これってもうSFの世界に達している作品ですね。
台詞にも、
「空間が時間になる」みたいな四次元を理解しているようなものが出てくるし…

聖杯の騎士団自体が想像上の産物でしかも時間を超越しているワルハラの神々みたいだし…

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