2011年02月15日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
Ren? Pape as Gurnemanz Part 1

Mariinsky Opera Japan Tour 2011 Feb
Wagner's Night
15 Feb. 2011

Prelude to Act 1 from Lohengrin
Preludes to Act3 from Lohengrin

Overture to Tannhauser

Intermission

Ein Buhnenweihfestspiel Parsifal Act3


Conducted by Valery Gergiev

Gurnemanz : Ren? Pape
Parsifal : Sergei Semishkur
Amfortas: Edem Umerov
Kundry : Nadezhda Khadzheva

***

O~ Gnade~~~ Hoechstes Heil!
O~ Wunder! Heilig hehrstes Wunder!

と叫びたいです。
これぞ聖金曜日の奇跡!

ルネ・パーペ as グルネマンツ


すばらしい!
美しい声。
そしてやっぱりパーペのドイツ語はすばらしい。

METでは半分意識を失いかけていたので(時差ボケで)

こんなにじっくり聴けたのはスカラの日本公演のフィリッポ以来。



ちなみに、きょうメガネでした~(眼鏡フェチ)

開演前のサントリーホール前広場。

薄暗闇の中佇む男。

背が高くてすらあ~っと脚が長い。

なんとパーペさんじゃありませんか?

人待ち顔でいつものHALF神経質な表情。

日本人は誰も気づかない。

NYでは感じなかったがさすがに日本だと背が高いのがわかる
185 ぐらいあるかな?
カジュアルなジャケット。
細くてインテリのビジネスマンみたい。
あまりにもオペラ歌手に見えなさすぎ。

そして本番。
さすがに舞台映えする。
白蝶ネクタイに燕尾服にメガネ。
薄い茶色の髪。
瞳はブルー。

楽譜立てはあるが椅子はない。

***

最初に戻る。

開演。

開演時間を過ぎるとどやどやいっせいに入ってくるマリインスキー管弦楽団。

きょうはワーグナーの夕べ。オール・ワーグナー・プログラムだ。

指揮者のお立ち台はない。
ついでに譜面台もない。

最初の曲は

ローエングリンの第1幕の序曲。

超ピアニッシモの第1ヴァイオリンから始まる。

めちゃスローテンポ。

ものすごい緊張感。

そして美しい!

チェロが入ってきた時

涙がこぼれそうになった。

コンマスのヴァイオリンの音色が奇跡のように美しい。

曲が終わってもゲルギエフは手を挙げたまま。

案の定、そのままローエングリン第3幕の序曲に突入した。

圧倒的

終了。

はあ~短く感じた~

そして2曲目。また緊張感が走る。

タンホイザーの序曲。

この曲は昨年ここでティーレマン指揮ミュンヘンフィルでも聴いた。

ホルン難しいよね~

ホルンはこの曲で疲れ切っちゃってパルジファルまでもたなかった(笑

今度は終盤がやたら速くてリズミカル。

一部、コンマスの後ろに座った第一ヴァイオリンがソロを弾いていた。

コンマスの左側に座った第一ヴァイオリンがサフィンみたいな顔にひげでとてもかっこ良かった。一所懸命コンマスの楽譜をめくっていた。その素早さたるや…(笑

ヴィオラにもイケメンがいました~

第1部終了。
大拍手。

そして第2部。
今晩のメインディッシュです。

どやどやと入ってくる楽団、コーラス。
男声合唱が左右に別れて、テノールは中の方。
真中に女声。

燕尾服のパーペさまとセルゲイ・セミシュクール、そしてゲルギエフ。
今度は譜面台がある。

パーペは指揮者の下手。
パルジファル役のセミシュクールが指揮者のかみてで、椅子に座る。

譜面台が上手に二つ。アンフォルタスの分。

女性が出てこないのでどうするのかなと思っていた。

演奏が始まる。
第1部と打って変わって重々しい、どんよりとしたパルジファル第3幕冒頭に突入する。

やはり欲を言えば全幕見たかったな。

パーペはずっと立って待っている。

グルネマンツはクンドリを見つけて起こす。

パーペは語りの部分は楽譜を見ているが、歌う部分は楽譜から顔を起こし、譜面台から後ずさって歌う。(クンドリ、起きろ、春が来たんだぞ、のところ。)

声の強弱めりはりもいつものようにつけていて、すばらしい。
声を聴いただけでああ、パーペだ、とわかる声で歌い方だ。

グルネマンツはたいがい老人の声なのだが、パーペの声は輝かしく威厳に満ちていて王様のようだ。ケーニッヒ。

涙が出るほど美しい声。
そしてドイツ語の…t、、 k、、 とかもう すばらしいです。聴き惚れた~

クンドリはなんと女性合唱の真中にいた。

ディーネン、ディーネン。

もういいんだ。クンドリ。

オータークデアグナーデオーネグライヒェンン

そこへドン、ドン、ドン。ティンパニー。
パルジファルの現われる音楽。
鎧かぶとを着た禍々しき姿。

ダスイストデア・ブリューダー・カイナー
仲間じゃないようだな

吐き捨てるグルネマンツ

ハイル! ディル・マイン・ガスト!
お客人!

あいさつなしかよ?
ハイ! (高く)…ヴァス(低く)。
おい! なんだよ…
こっちも言いたいことは言わせてもらうぜ(超訳)
聖金曜日に武具をつけているとは何事だ!

鎧を脱いだ男に驚くグルネマンツ

クンドリに)あれはわかるな、白鳥を殺めた男だ。

そして目にしたものは。

聖なる槍だ。

なんと。生きてこの日を迎えられるとは!

パルジファルは第2幕でクリングゾルから奪った聖槍を大切に守ってきた。

どこから来たんだ?

誰を探してきたんだ?

おお恩寵よ、奇跡よ!

聖杯の騎士どもは待ちわびておりました!

あなたの救いを!

グルネマンツは聖杯の騎士たちの窮状を述べる。
アンフォルタスの自暴自棄な行動を語る。
悲惨ー

In dieser Waldeck' barg ich einsam mich,
des Todes still gew?rtig

このeinsam 白水社の対訳本(日本ワーグナー協会監修のすごい本)、では selber となっていて、これは間違いだと思います。パーペもローベルト・ホルもeinsam と言っていました。


私も我が師と共に死ぬ所存です。
ティトレルさまも亡くなりました。他の人間と同じように…!

アイン・メンシュ・ヴィ・アレ
(悲しみとあきらめ)

パルジファルは自分を責める

クンドリが水をくんでくる。

Nicht so
(そうではなくー)
グルネマンツは泉の水でパルジファルを清めようと言う。

Du Reiner
--
die letzte Last entnimm nun seinem Haupt

清らかな人よ!
最後のくびきを外したまえ。

このへんがもう圧巻でした!

パルジファルがクンドリの洗礼を施すシーンを歌っていますが目にも耳にも入りません。
感動が押し寄せてきて涙がにじんできました。
私はこの時クンドリになっていたのです。救済を受けて初めて泣くことができたクンドリのようにそこに私とパルジファルとグルネマンツが存在していたのです。
幼いころしのびこんだ教会の中で感じた宗教的陶酔の感覚。

パルジファルのセミシュクールは声が美しくて良かったです。
しかしわりと楽譜がん見だったのが残念でした。

これぞ聖金曜日の奇跡です、Herr!

聖金曜日についてパルジファルに説くグルネマンツの優しさ。

こっちの心まで浄われます

ミッターク!
さあ時間です!お供つかまつります。

パーペはグルネマンツの最後のセリフを歌うと
俺の仕事は終わったぜ、という表情で
楽譜を置いたまま
ゆうゆうと下手に消える。
あ~行っちゃった。

ここからが、う=ん。
まず合唱。
合唱はいいのですが
ゲルギエフとずれていたというか
合唱が速すぎて
なだめるのにゲルギエフが大変でした。

そしてアンフォルタスが何から何まで最悪でした~

楽譜を見て歌うのはまだいいのですが
音に乗っていないし、ドイツ語がぜんぜんだめ。
何語だよ?
という感じで…
シュテルベン ぐらいちゃんと発音しようよ。
ちょっと残念でした。

そして天上から鳩が舞いおりて聖杯が開陳され
あたりは光に包まれます。
(というのは想像ですが
そういう音楽でした~
ゲルギエフの最後の音が消えて数秒後に拍手した人がいてとても残念でした。

カーテンコールでブーイングしている人が1人いたようです。
お客は大喝采の大拍手でした。

パーペも気のせいかいつもよりも穏やかな笑みを浮かべて拍手に応えていました。

オヤスミナサイ。

すばらしいグルネマンツをありがとうございます。

CD買ったから聴くわ~(涙…






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年02月19日 12時39分20秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

サイド自由欄


YBGgi9BO.jpg


TENOR


小原啓楼


Ten.笛田博昭~2016
Ten.笛田博昭2017
公式サイト


小野弘晴(テノール)
UPCOMING


Ten.城宏憲 INDEX 2014~2017


Ten.又吉秀樹 INDEX
Ten.又吉秀樹2017


Ten.澤崎一了~2017
澤﨑一了2018~2019


Ten.小堀勇介2015
小堀勇介2016~2017
小堀勇介2018
小堀勇介2019


金山京介
2025


吉田連
UPCOMING
Ten.吉田連


Ten.前川健生


伊藤達人
UPCOMING
PAST


Ten.宮里直樹
UPCOMING
PAST
~2017
2018~2019


下村将太 テノール
2025

工藤和真
UPCOMING
PAST

BARITONE


青山貴
UPCOMING
2015


KS Tomohiro Takada, Bariton 概要
2024~2025


Bar.大沼徹
UPCOMING
2015~2016
2017
2024
His repertory 1


今井俊輔
UPCOMING


高橋洋介
UPCOMING
PAST


飯塚 学
UPCOMING


小林啓倫
UPCOMING
PAST


清水勇磨
UPCOMING


大西宇宙
UPCOMING


池内 響
UPCOMING
PAST


井出 壮志朗
UPCOMING
PAST


市川 宥一郎
UPCOMING
PAST


大塚博章
UPCOMING
Bs-Br大塚博章 2014-2015


Bs-Br狩野賢一2015


Bs河野鉄平


後藤春馬(バス・バリトン)
UPCOMING


水島正樹
UPCOMING

IL DEVU

HIGHLIGHT 2014
Francesco Meli Il Trovatore
Micheal Fabiano La traviata
Juan Diego Flórez IL BARBIERE DI SIVIGLIA
Tézier vs Kaufmann La forza del destino
OperadeLyonJapan tourHoffmann
Stefano Secco Madama Butterfly
Bryan Hymel Guillaume Tell
Dmitry Korchak I Puritani
Celso Albelo Lucia di Lammermoor
Teatrodell'OperadiRomaJapantour2014
Wolfgang Koch Arabella
Lawrence Brownlee I Puritani
Tomasz Konieczny Das Rheingold
Torsten Kerl Die tote Stadt


Best Opera 2024


Best Opera 2023


Best Opera 2022


Best Opera 2021


Best Opera 2020


Best Opera 2019


Best Opera 2018 Index

Best Artists in Opera 2017

Best Opera 2017
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist

2016 Best Opera
表紙10.jpg
2015 Best Opera
2014 Best Opera
2013 Best Opera
2012 Best Opera
2011 Best Opera and Ballet
2010 Best Opera and Ballet
2009 Best Opera and Ballet
2008 Best Opera and Ballet
[BALLET]
2009

2008 Ballet Top 10 in Japan
2008 BALLET INDEX
What's New 2007
What's New 2006
Past Articles 2005
Past Articles 2004
Past Articles 2003


[OPERA]
Simon Keenlyside What is NEW ?

Robert Gambill
What's new
Biography

2008 Opera Top 10 in Japan
2007 Top 10
What is NEW ? 2006
What is NEW ? 2005


STAGE What is NEW ?

Second Top -Sheva's Sporting World

Football
[José Mourinho - Chelsea 2007 Index]
[José Mourinho - Chelsea 2006 Index]
What Mourinho said - 抱腹絶倒モウリーニョ語録
Last edited 1 Jul 2007

FOOTBALL What is NEW ?
2005

Tennis

2006
Roger Federer First time in JAPAN - AIG Japan Open INDEX


Cinema, Books brand new and privat


Cinema
2005年5月3日


音楽関係更新 Classical Music


BOOKS 2006
BOOKS 2004年  
1月31日 Books by Jeffery Deaver


LINKS
Theatre official
Bayerische Staatsoper
Bayreuther Festspiele
Lyric Opera of Chicago
MET
Royal Opera House
Salzburger Festspiele
Teatro alla Scala
Wienerstaatsoper
ZurichOperaHouse
New National Theatre,Tk
Tokyo Nikikai
Singers official
Takashi Aoyama
Aris Argiris
Johan Botha
Fabio Maria Capitanucci
Massimo Cavalletti
Markus Eiche
Alex Esposito
Burkhard Fritz
simonkeenlyside.info
Wolfgang Koch
Tomasz Konieczny
Zeljko Lucic
Alexey Markov
Tetsuya Mochizuki
Ryoichi Nakai
Evgeny Nikitin
Toru Onuma
Takashi Otsuki
René Pape
Detlef Roth
Andreas Schager
Jörg Schneider
Kasumi Shimizu
Yuri Vorobiev
Koji Yamashita
Kwangchul Youn
Operabase Artist
Orchestra
Berliner Philharmoniker
NHK Symphony Orchestr
Opera Fan Blog
Alex Vinogradov(Valenci
By The Thames(dognora
Cafe Klassiker H(Hiroto
猫の日記(camelstraycat
FOOD FOR SOUL(Sarda
東海岸-音楽、食(Kinox
Impression(娑羅)
In fernem Land(galahad
Intermezzo
ネコにオペラ(kametaro)
Opera Chic
OperaOperaOper(Madok
右舷日記(starboard)
taqkkawanamiさんのブログ
備忘録(euridice)
Ballet Fan Blog
きょんのバレエ日記(きょん)
Web Radio
Oe1 Programm
Bayern 4 Klassik
Deutschlandradio Kultur
NDR Kultur
RBB Kultur
BBC Opera on 3
RAI radio3
WFMT-Chicago
Sydney ABC
Radio New Zealand Conc
operacast

劇場座席数・残響時間
SITE MAP

Sheva's Blog( What people tweeted )

Since Apr 2003

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: