月山そばの玉谷製麺所・スタッフブログ

月山そばの玉谷製麺所・スタッフブログ

May 1, 2009
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世間一般ではGW突入というか、真っ只中でございますので、早速こちらもUP致します。


第二弾でご紹介するお店は、西川町海味地区にある「六十里越ドライブイン」さんです。

昭和48年創業。
35年間変わらない店構えは、当時流行した「ドライブイン」を意識したものだそうで。

4月中旬。丁度、桜が見ごろな季節にお邪魔しました。


(広い駐車場と『お食事処』という看板に、ドライブインの雰囲気が感じられます)

名前にもある“六十里”とは、その昔、出羽三山の参拝者が通った「六十里街道」より。


店内に一歩足を踏み入れると、 元気な声でニコニコと出迎えてくれるのは、
ご主人(店主)である古澤幹彦さん。
この、懐かしくも暖かな気配… アットホームな雰囲気に、心がほぐれます。


(豪放磊落―ごうほうらいらく―なお人柄の幹彦さん、笑顔もチャーミング)

「家族3人だけでやってるから、あんまりメニューも増さんねし、手もかげでやらんねげっとな」
⇒(家族3人だけで営業しているから、あまりメニューも増やせないし、手を加えられないこともあるけどね。)
と笑うご主人。

実は、この「六十里越ドライブイン」さん、地方局だけでなく、全国区のテレビにも紹介されたことが。
某N●Kで月曜のゴールデンタイム「鶴瓶の家族に乾杯」という番組にばっちり、ご家族皆さんでご出演。
ワタシも見てましたけど、ご家族皆さんのお人柄や、あったかい雰囲気がすごくよく伝わってきました。

「あの後は、時期も良くて(取材が12月・放映が2月)お客さんも結構来てくれたっけねー」とのこと。




現在のご主人である幹彦さんは2代目の店主。
初代であった幹彦さんのお父さんが、脱サラして始めたお店なんだそうです。
当時、幹彦さんは高校2年生。
既にその時点で、最初からお店を継ぐイメージを持っていたとのこと。
若い頃に、仙台市内で7年間の修行を経て、戻ってきてからは、この店一筋。


「変えていいものと変えられないものがあるね」という、深いお言葉。

こちらのお店、実はそば以外にも「カツカレー」「もつ煮込み」などの多彩なメニューが並んでます。
ラーメンはなんと、驚きの【480円】!

「スゴイお値打ち価格ですよね?」と聞くと、創業当時は、1杯120~130円位で売っていたので
「これでも高くなったと思ってんだげっと」という謙虚なお答え。

ふと、店内を見渡すと、なぜか、ガスコンロがそこかしこに。
これは、ご主人のオススメメニュー「月山・山菜そば(はっと付)」に必要なんだそうで。


(一時はカセットコンロを使っていたこともあったけど、やっぱりガスの方が良いとのこと)

・・・ということで、早速その「月山・山菜そば(はっと付)」を注文。

『はっと』とは、そば粉を水溶きして、暖かいお湯で茹で、すいとんのようにして食べるもの。
こちらのお店では、そばを食べ終わった後の、山菜鍋に入れて、残りのスープと一緒に頂く形です。

全メニューが非常にリーズナブルなお値段の中で、こちらは【1,250円】也。


 (ちなみに「月山・山菜そば(はっとなし)」のお値段は、1,150円です)

こうして他のメニューと比べてみると、「山菜そば」だけ割高感があるような??…と思いましたが
しかし 「昭和50年の販売当時で、1050円だっけがら、実は一番値段が変わらねんだ」そうですよ。
それはそれでスゴイことですね…。

さて、注文が入って厨房に行くご主人。
お人柄の良さにつけ込んで「調理中のお写真いいですか?」と聞くと、コチラも快諾してくれました。
アリガトウゴザイマス!


(大鍋と格闘する姿が絵になります…まさしく職人!ですな)

こだわりは、山菜とそばの盛りの良さ。
「とにかくいっぱい食べて欲しいっていう俺の気持ちだね!」というご主人。アツいハートが感じられます。

お客さんの反応も様々。
太切りの田舎そばに対して「太すぎるねー」と呆れる人や、「やっぱり山形に来たらこれだよね!」という人。
「そばは要らないからはっとだけ食べたい」という人もあれば、「はっと」には見向きもしない人も。

さて、そうこうするうちに、肝心のおそばが運ばれてきましたよ!


(これで1人前。ホントに盛りが良く、生そばも山菜鍋もタップリあります。)

山菜鍋は1人前用~人数に合わせて大きな鍋に変わりますが、生そばのお皿とはっとの器は個人別。
なので、数人連れでやってくると、テーブルの上が一杯になります。


(この山菜とおそばのつやつや感がまたタマランのですよ…ウマウマー!)

スープの色は一見すると薄くみえますが、しっかりとした塩味と、山菜の旨みがよく出てます。
こくがありながらもあっさりとしている和の味は、きのこの出汁でしょうか?
山菜は加工のものだそうですが、きっちり水抜き・塩抜きをして、『店の味』になるように仕込み直すそうです。
醤油+塩+秘伝のタレで煮込んだ山菜は、くせがなく、まろやかで、食べやすいお味。
個性の強い太めの田舎そばと一緒に食べてもバランスよく絡み合うのは
「六十里越ドライブイン」さんの「山菜そば」ならでは。

さて、そばが終わったら、お次は「はっと」です。
山菜と蕎麦がなくなった後、ここで、鍋のガスコンロに火がつけられます。
はっとのために、タップリと追加のスープを入れてくれます(もちろんこのスープは無料サービス!)。

初めての方や、作るのが難しい、という人には、ご主人が練って作るところまでやってくれますが
ねりねりする楽しみも、はっと付の醍醐味。

ちなみに、ご夫婦やカップルなどのお客様の場合、主に男性がトライすることが多いそうです。
こういうチョットしたイベントって、ついつい張り切っちゃうんでしょうねえ(^^)。


(ねりねりー♪我々はご主人にお願いしちゃいました)

(もちもちー♪お箸で持ち上げると、その柔らかさに途中で零れ落ちそうになります)

そういえば、はっとについては、そば餅(かいもち)のイメージからか、堅くなきゃ駄目!
…と思っている方もいらっしゃるらしく、こちらのはっとを水溶きしていると
「こんなに柔らかくて固まるの?」と不安になる人もおられるとか。
でも、こちらのお店は、はっとの水を多めにするのがご主人のこだわり。
「やっこぐして食べる方が、絶対んまいど思う」⇒(やわらかくして食べる方が、絶対うまいと思う)

柔らかくてふわふわなのに、そばの味と香り、その主張がしっかりと伝わるのが
「六十里越ドライブイン」さんの「はっと」の特徴。
そば粉100%なので、『とにかく本当のそばの味を愉しみたい』という方に、超おススメです。



■所在地 ・・・山形県西村山郡西川町大字海味477-1 (TEL)0237-74-3069
■定休日 ・・・隔週水曜日(祭日営業)
■営業時間 ・・・午前11時~午後6時30分
■アクセス ・・・山形自動車道「西川IC」下車・国道112号線沿いに鶴岡方面へ車で5分



■取材MEMO

我々の取材途中、壮年の女性がお一人様でご来店されました。
ご注文時の説明の様子に聞き耳を立てていたら
 「ふつーのどんぶりに入ってなくて、鍋みたいのに入ってて、山菜のたっぷり入ったやつを」という話。
なるほど、目的はやっぱり「山菜そば」なんですねえ。
伺うと、埼玉から来られたというその方は、今回2回目のご来店だそうです。
「今まではおそばが嫌いだったんだけど、ここのお店のは食べられたのよ」とのこと。それはスゴイ!
我々に対して「そちらで食べていたのは何?」と聞かれて「はっとですよ」と答えると
「それ、とろろじゃなかったの!?」という驚きの表情。
次に来た時は、はっと入りを食べたいけど、量が多いから1人だとおなか一杯よね…とのこと。
(確かに我々もはっと付は、2人で1人前をシェアしたのに、おなか一杯になりました)

そうこうしているうちに、ご主人とお客様の、山菜談義が始まり。
地物の山菜や、山に入る上でのマナーなど、いろいろなお話に花が咲き。
山菜好きというお客様と、地元民のご主人ならではの和やかなやりとりが、とても印象的でした。






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Last updated  Aug 8, 2009 11:09:12 AM


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