禊ぎといえば、祓い清めであり、祓い清めといえば、掃除です。
日本では古来より六月のみそかに夏越しの 大祓 (おおはらい) 、十二月のみそかに年越しの大祓を行います。
そして、掃除を欠かしません。
掃除は単にその場を物理的にきれいにしているのではありません。
皆さんも数時間、黙々と掃除に没頭したことがあればお分かりでしょう。
余計なことは何も考えずに掃除に専念すると、掃除をし終えた頃には何ともいえない清々しい気持ちになります。
心をきれいにすることを 内清浄 (ないしょうじょう) といいます。
しかし、姿形のない心をきれいに磨くことは物理的には不可能です。
それに対して目に見える物質的なものをきれいに磨くことを 外清浄 (げしょうじょう) といいます。
そこで目に見える家屋敷や身体をきれいにする外清浄を通して、目に見えない心をきれいにする内清浄を行います。それが海、川、滝で行う禊ぎの行や掃除です。
掃除をしたり、禊ぎの行をしたりした後で、何ともいえない清々しさを感じるのも、外清浄を通して、内清浄を行ったからです。
日本人が風呂好き、掃除好きなのも、こうした生まれ変わりの精神を持った禊ぎの民族だからです。
そして、それはただの観念的なものではなくて、実際に世界が目を見張る成果を為していることからも、その効果は歴然として明らかです。
お正月もお盆も、その根底には禊ぎの精神があります。
そのことをきっかけに、人々は過去を過去として許し、新たに生まれ変わろうとするのです。
日常生活で常に生まれ変わりたければ、自分の行いも他人の行いも、その都度、いつまでも執着せずに、すべて水に流して許すことです。
もしそれが難しければ外清浄を通して、内清浄をすることです。
その一番手っ取り早い方法が掃除や入浴です。
掃除の効用が、ことあるごとに 謳 (うた) われるのもそのためです。
単に部屋をきれいにしたり、体を洗ったりするのではありません。
穢れを祓おうという 意識で行ったとき に、はじめて心の穢れは祓われます。
そして、意識すべきは外側ではなくて内側、すなわち自分の 心 です。
相手の 言動 、自分の 言動 という 外面 (そとづら) にいつまでもとらわれていてはいけません。
大切なのは「内清浄」です。
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