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2015年03月05日

次男、男子厨房に入らずと間違った？！職業選択

テーマ：息子の話、娘の話(1520)

カテゴリ： ☆息子と語らう☆

次男が、物心つき出す頃に台所の手伝いをさせた事があった。
それを見た同居していた姑が怒り心頭しつつ言った言葉は、

「男の子を台所に立たせるなんて！何てことしているの！！
男子厨房に入らずって知らないの？！、
　そんな事をしちゃ、出世できなくなるでしょ。
　私なんて主人を台所に立たせた事なんて一度も無いわ。」

そんな男尊女卑とも思える行為を今時実行している人は少ないだろう。

ま、そう言われても、怒られるのを覚悟で姑の居ない日は
けっこう炊事の手伝いをさせた私だった。
思えば現在一番台所に立って炊事ができるのは次男で、
やらせといて良かった～と思うのだ。

長男は長男で、高校時代に付き合った彼女ができた女性で、
食事の買い物や台所の片付け等の手伝いは率先して手伝う事を教育してくれた。

我が家で一番台所に立ってイマイチ使い物にならないのは主人かもしれない・・・

豚汁（次男作）

さて、話はちょいとかわるけれど
子供達の将来なりたい職業ランキング なんてのを調べてみると
そのランキングの中に食べ物屋さんがいつも上位にある。
中でも＜パティシエ＞とか＜ケーキ屋さん＞は食べ物屋さん全体の８割近くなんだそうだ。
＜食べるものを作る＞という職業は想像を膨らませる夢があるものね。

かく言う私も若かりし頃は食べ物屋サン（調理師）になりたかった。（父親に反対されて諦めた）
できれば息子ふたりいるうちの一人には、職人（作り手）になって欲しいという
母親としての願望（自己満足かもしれん）もあったりした。

好きというだけで洋菓子職人の道を進んだ時はけっこう嬉しかったものだ。
（私は次男の大学進学は気乗りしなかった）

次男作母の日ケーキ

しかし、次男は４年という短い歳月で崖っぷちにぶち当たり、
２年前に先に進む事をやめた。

それだけでもなかったという話も今更になって分かった。

次男は寡黙で泣き言はあまり言わないタイプなので、
ギリギリまで我慢してしまう節がある。
職場放棄したくなる気持ち も分からなくはない話だった。

「俺が勤めている間に辞めた従業員は４年間で１２人いるんだよ。
　　　そのうち違う店に行ったのが半分、パティシエを辞めたのが半分さ」

ちょいと驚いた。
私も洋菓子製造会社に９年勤務していたから
甘いものを作るからと言って、仕事の内容まで甘いワケではないのは分かっているつもりだ。
次男の職場が何しろ過酷なのは当時から見てとれていた。

給料は１５万～１８万円代。
早朝出勤、サービス残業は修行中だから当たり前。
最悪なのは 休日であっても呼び出し されて出勤したって
その分の給料が貰えるわけじゃなかったり。
200℃を超えるようなオーブンで一日中生地を焼いて
あっちこっち火傷 してしまうのは日常茶飯事。
大量の生地を練ったり、クリームを混ぜ続けたりで 手は腱鞘炎 。
重いものを持ったり、長時間の立ち仕事での 足腰への負担 。
おまけに先輩職人からの パワハラ やらナンやらと精神攻撃までされたら最悪だろう。

洋菓子を作るのが三度の飯より好きで、
お客に作ったお菓子を提供して喜ばれる事が生甲斐くらいでないと
やっていられない、苦労が山の様にある仕事だったりするのだ。

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今更ながら後悔するのは、息子にきちんとアドバイスもできなかった
親としてはありえない世間知らずの上に教養の無さもある。
こんな思いをさせるなら、もうひとつの選択肢（自衛隊）の方が次男自身の為にも、
親としての自覚形成（我が夫婦はコレが非常に薄い）にもなっていたろうと思う。

次男は職人の世界を飛び出して、
約２年間フリーターもどきのその日暮らしの仕事を続けた。
自主性（やるべきことが明確で、その行動を率先して人に言われないで自らやること）も
主体性（状況を判断して、自らの責任で最も効果的な行動をとること）も
イマイチ足りない次男に、もっと早く発破をかけるべきだった。
（こんなトコロも父親譲りだったりすると、益々申し訳ない）

数週間前に長男や私が 「いい加減に定職に就け！」 と尻を叩いた。
先月からなんとか定職となるかもしれない？職場で働く様になった。

次男、曰く
「パティシエの時に比べれば今の仕事の方がある意味、楽」

ともいう。

今回は、モノ的には１８０度転換した、
ケーキと比べるとケタ違いに重く巨大な、鉄骨を相手の仕事だ。
体力に自信のある次男には苦にならない様だし、今の所楽しそうに職場に向う。
休日も、就業時間も安定し、個人営業の洋菓子店に比べれば給料面も充実している。
人間関係はまだまだこれからだろうが、今のところ頑張れている様だ。
長男とも胸を撫で下ろしているこの頃だ。

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