( 承前 )
萩の花 尾花 葛 花
瞿麦 の花 野生の藤袴を見掛けることは先ず無いが、畑や庭や公園などで植えられているので、比較的よく目にする花ではある。
元々は中国の花で香料として使われていたものらしいが、我が国に入って来たのが遅く、万葉の頃には未だ一般には馴染みのない花で、生活と結び付くような花でなかったということが、上の憶良の歌を除き、万葉集に登場しない理由かも知れない。
フジバカマ (2)
フジバカマ
赤紫の花が多いが、白い藤袴もある。これを「紺屋の白藤袴」と言いますな。紺屋で連想。尾崎紅葉「金色夜叉」の寛一の台詞。
「今月今夜のこの月を、きっと僕の涙で曇らせてみせる。」
尾崎鷹揚「紺色夜叉」なら、
「今月紺屋のこのツケは、きっと僕の力で払はせてみせる。」
となって、少しも色っぽい話ではないのでありますな。これも亦「紺屋の白藤袴」なのであります。
フジバカマ (白)
ススキは尾花とも呼ばれ、藤袴と同じく秋の七草の一つですが、このススキにも色々と種類があるようです。下の写真のもススキなんでしょうが、普通見るススキに比べて葉が細く華奢です。ススキに似た植物で荻と言うのがありますが、これとススキとの区別がよく分らない。
ススキ
人皆は 萩を秋と云ふ よしわれは 尾花が
末
を 秋とは言はむ
(万葉集巻10-2110)
萩のよさこそ秋。万葉集に最多登場の花が萩であれば、人が皆そう言うのは尤もなことでありますが、この歌の作者は尾花の穂の良さこそが秋だと言って居りますな。まあ、これは人それぞれの好みでありますから、論じても始まりません。
チカラシバ
これは、実に立派なチカラシバです。道の辺によく見掛けるチカラシバは穂の色がもっと黒っぽいので、これはそれとは品種が違っているようですな。「お前はチカラシバか」と聞いてみましたが「シラバクレ」て答えませんでした。
色変り 太き株にと なりぬれば ここの芝草 気取り生ひにけり
(偐家持)
(本歌)立ちかはり 古き都と なりぬれば 道の芝草 長く生ひにけり
(田辺福麻呂歌集 万葉集巻6-1048)
そして、秋の果実、ナシの実もアリ。
次は、ガマズミの木。小さな赤い実が鈴生りに。ヤマヅミのガマズミの
実であります。
この実は熟すと食べられるらしいですが、小鳥たちに残して置くのが礼儀というものでしょう。
ガマズミ
そして、アケビ。やはりアクビをしていました。
アケビ
アケビ (2)
最後は、銀輪散歩ではなく、智麻呂邸で目にした珍しい花を掲載して置きます。小万知さんが下さった鉢植えだそうですが、名は不明です。近く智麻呂絵画展にこの花の絵も登場しますので、どうぞ、お楽しみに。
不明
不明 (2)
<追記>上の花はマユハケオモトとのこと。詳細は、下記、小万知さん
のコメントをご参照下さい。
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