風が強い。雨は止んだ。テントの外は真っ白だ。行動できるのか?
朝食は総菜パンとしじみわかめスープ。食後にコーヒー。
上半身が寒かったのは、身体の一番外側にダウンを着たから保温されなかったのだろう。着る順番が大事ですね。衣類の入れ替えが面倒臭くて上から着たのが失敗だった。
小物入れがテントの内壁に触れていたせいでビチャビチャに濡れてしまった。ティッシュペーパーが使えなくなった。
6:40 出発、気温0.7℃。釜谷山の東斜面を下る。グサグサな雪質。雪崩デブリは歩きにくいので避ける。
視界は数メートル。こんな状況で前情報のない谷を下降するのは相当な覚悟が要る。しかしエスケープルートはたくさんあるので、深刻には考えていなかった。
7:10 ガスが取れて、毛勝山南東2166峰が正面に見える。
7:26 1773m 釜谷山の北方2286コルからの谷と合流する。この谷はスキーゲレンデである。
出合いの下部も中谷が左にカーブする手前くらいまでは素晴らしい雪斜面が続いている。
滑走には最高な斜面であるが、アプローチは大変だ。最短は阿部木谷を詰めるルートだが、日帰りするなら二回毛勝山を登る体力が必要だ。メジャールートにはならんな。
やまやろうは、やったことがあるから提案している(2003年5月)。誰か挑戦してよ。
ライチョウの鳴き声が聞こえるぞ。中谷を下るとなると長いなあ。計画では西谷出合いまで中谷を下降して、2166峰まで尾根筋を登り返そうと考えていた。

改めて2166峰を見ると、尾根筋は樹木と岩が連続している。雪稜と思っていたが予想外。最低限の登攀具しか持参していないのであっさり尾根ルートを諦め、代案を検討する。
とりあえず西谷出合いまで下降した後、
(1)西谷を登り返して東又谷から帰る→つまらない
(2)猫の馬鹿尾根(中谷と折尾谷に挟まれた尾根)を猫又山まで登り返す→長い
(3)2286コルからの谷を少し登り返し、左岸ルンゼから毛勝山に直登する→意味あるの
いずれも魅力的ではない。
2166峰の手前にはルンゼが一本入っている。急斜面だが登れるのではないか、近づいてみよう。
7:44 観察の結果ルンゼを登ることにした。尾根筋の登攀が困難となったので、せめて2166峰は踏んでおきたくなったのだ。
7:57 幕営地から下降してきた谷。
8:09 ルンゼの中ではひたすらジグザグを刻む。
8:39 1980m シュルンドで休憩。再びガスの中。
8:49 左のルンゼは毛勝山頂に続く。右手は2166峰のコルに向かう。
薄手ウール手袋とテムレスでは、手指が冷たくなってきたので、厚手ウールに交換しようとした。ザックを置いて荷物を取り出した。
さあ着けようかというその時、厚手ウールの片方が急斜面を転がり出した。止まる気配はない。
空荷で数メートル追いかけたが、もしザックも転がり出したら遭難案件だぞ、と思いザックのところに引き返した。
手袋は失ったが、危機的状況に陥ることは避けることができた。厚手ウールの代わりにアイスクライミンググローブとテムレスを組み合わせた。
9:36 2166峰に登頂。強風とガスの中で景色は真っ白。取り敢えず写真は撮っておく。ジオグラフィカで進路を確認しないと、全く分からない状況だ。
9:51 コルからの毛勝山への登り返し付近では、何度も方角を確認した。山頂直下は斜面が広く、どちらに進めばいいのか分からない。
10:54 右に振っていって天国の階段に合流したら、ルートが分かるようになった。広斜面のスネラッセルがきつかった。
11:03 毛勝山頂。周囲は何も見えない。かろうじて三角点付近は見えた。雪が降る寒さ。GWでまさか真冬の天候に遭遇するとは思っていなかった。
あとは毛勝三山の縦走だ。どこまで進むかは天候次第。毛勝南峰からは縦走のトレースが明瞭、視界不良でも安心して進める。まつ毛が凍る-0.7℃。
12:49 釜谷山、気温0.2℃。写真を撮って通過する。
13:05 一日目の幕営地に到着。視界不良なので行動を早めに切り上げることにした。
崩れた雪壁を補強し、高さを増やした。ブロックの隙間に雪を詰め、風対策をしっかりやったつもり。
13:45 テントイン。昨日より風は穏やか、今日はずっとガスの中だった。
酒を飲んで落ち着く。Nとさんからウィスキーをもらった。二日分の500mlのウィスキーを、一日目でほぼ飲みつくしてしまったのだ。
酒不足になったのに手を付けなかったつまみが多かったので、酒とつまみのバランスを再考しよう。
全身が霧で濡れた。湿った靴下を乾いたものに交換する。スマホを充電し、タイベックシルバーを腰に巻いて保温する。服が濡れたので昨日より寒さを感じる。
行動水は550mlくらい消費した。気温が低く汗をかかなかったので飲む量が少なかった。テントに入ったら雨が降ってきた。行動を早めに切り上げて正解だったようだ。
15:13 暇なので水作りを始める。
15:53 4Lの水作りが終了する。ファイヤーメープルのヒートエクスチェンジャー付きアルミクッカーの熱効率が良好で、水作りの作業が大幅にはかどったのだ。OD缶1個で三日間が過ごせそうだ。今後のG会のテント泊で使ってみるか。
まだ16時、夕食には早い。つまみを食う。明日は4時起きにして、早めに出発しよう。昼に下山してやりたいことをやるのだ。
一日目で小物入れを濡らしてしまったことは反省点。面倒臭がらずに何でもかんでも防水袋に入れておくべきであった。
16:54 飯を作ろう。時間があったので、Nとさんとよく語ったわ。
夕食はラ王に辛スープを追加し、ウィンナー3本と乾燥野菜がたっぷり入る。辛いスープが食欲をそそる。食後に紅茶。
18:06 寝ます、気温3.0℃。風はなく外はまだ明るい。静かだ。
21:45 用足しに出るとガスは消えて、月と星と夜景がきれい。写真は撮れなかった。
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