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2008.02.11

口裂け女を探して

(6)

カテゴリ：駄文

　小学４、５年生くらいの頃、 口裂け女
　マスクをした白い服の女性が「わたし、キレイ？」と尋ねてきて、「きれい」と答えると「これでも？」と言ってマスクを外す。すると、口が耳まで裂けているという。「きれいじゃない」と答えようものならその場で斧か何かで殺され、「きれい」と答えても家までついてきて結局殺されるらしい。振り切って逃げようにも、 １００メートルを３秒 （！）で走るという。下校中に声を掛けられたら、もう死を覚悟するしかないのであった

　当時所属していたバレーボールクラブは、土曜午後から学校の体育館で練習があった。もし、行き帰りに彼女に声を掛けられたらどうしよう…　行くべきか休むべきか真剣に悩んだものだった。
　ある日、いつものように体育館で練習していると、
「ねぇねぇ、口裂け女を探しに行ってみない？」
と、６年生のクラブリーダーがみんなに声を掛けてきた。

私は「 ノストラダムスの大予言 」にさえ怖くて号泣した臆病者なので、彼女の声が聞こえないふりをした。
　結局、集まった勇者は３人。いずれも６年生だった。
「もし遭ったらダッシュで逃げてくるんよ！」
と、臆病組の誰かが勇者３人にアドバイスを送っていた。そんな無茶な…相手は１００メートル３秒なのに。
「じゃあ、行ってくる！」
勇者達はアドバイスをあっさりスルーし、探索を開始した。

　それからどれくらい経ってからだろう。
「キャーッ！！いた！いた！口裂け女、いたーッ！！」
勇者３人が大声で叫びながら戻ってきた。内一人は息を切らしつつ半泣きではないか。
「本当に口裂け女がいたって！なッ！」

「ええ～ッ!? どこにどこに!?」
体育館内はすっかりパニック状態で、悲鳴まで上がる始末
「でも、ウチら必死で振り切って逃げて無事だった」

　その言葉を聞いた瞬間、今まで抱いていた口裂け女に対する恐怖心の一切が抜けた。
“んなアホな！１００メートル３秒なのに、どうやって振り切れる!? 口裂け女なんて、やっぱりいないんだ

　それにしても当時の全国の小学生を震え上がらせた口裂け女、あれは一体何だったのだろう…？
そして、勇者達は一体何を見て口裂け女だと思ったのだろう？
ま、まさか本物じゃあ…

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