Pastime Paradise

Pastime Paradise

2009.04.24
XML
カテゴリ: 史跡巡り
金田一耕助 が初めて登場した作品といえば、日本初の本格的推理小説といわれ、第1回探偵作家クラブ賞を受賞した「 本陣殺人事件 」だが、作者・ 横溝正史 の日記によると金田一耕助は63年前の今日、昭和21年4月24日、横溝さんが疎開していた岡山県吉備郡真備町岡田村(現・倉敷市真備町)のこの家(←左写真)で生まれたことになるそうな。(案内板曰く。連載開始日ってこと?)
 金田一探偵の誕生を記念して、今日はその疎開宅に行ってきた。

 まずは岡山駅からJR伯備線で約25分のところにある 清音 駅へ。「本陣殺人事件」で金田一探偵が下車した“清-駅”というのは、この駅のこと。そこから井笠鉄道に乗り換えて、清音から1駅先の 川辺宿 で下車(井笠鉄道はこの絵のとおり、1両編成!)
川辺宿.jpg

 無人駅を出て案内板を見てみると、何やら駅前から横溝先生の疎開宅まで続く“ 名探偵・金田一耕助 ミステリー遊歩道 ”というものがあるらしい。おおッ、日頃の運動不足解消に良さそうだ。とはいえ、たまたま通りがかった地元の方に遊歩道について尋ねてみると、
「5分や10分で行ける距離じゃないわよ~。私は実際に歩いたことないけど」 とのこと。
だ、大丈夫かしらん…(^^ゞ

 覚悟を決めて、スタート!長閑な田舎道を案内表示に従ってテクテクと歩いてゆく。田んぼの脇には懐かしいシロツメクサやレンゲ、オオイヌノフグリなどが可憐に咲き乱れ、小川ではミズスマシが気持ちよさげにスイスイ泳いでいる。この心洗われる風景に、足取りも軽い軽い♪ 
 しばらく歩くと休憩所があり、一服しながらそこの案内板を眺めていると、
「おねえちゃん、おねえちゃん」
と、どこからか声がする。おねえちゃんて…もしかして私のこと? 辺りをキョロキョロ見渡すと、自転車に乗ったおっちゃんが呼んでいた。図書館に行く途中だというこのおっちゃんは、不安気なよそ者を気の毒に思ったのか、真備町の観光名所を回るバスがあることや、なぜか吉備地方の歴史についてまで教えてくれた(あのぉ、私も一応岡山県民なんですけど…)。二人で煙草片手にあれこれ喋っていると、野良仕事中らしい女性も参加。こういう予期せぬ触れ合いもまた楽し

 おっちゃん達と別れて再び歩き続けていると、 岡田大池 空蝉処女 」にはこの池が出てくるそうで、散歩中の横溝さんがこの池畔の竹藪でミステリアスな娘に出会うのだとか。
 そこから更に歩いていると、十字路の脇にポツンと“ 濃茶の祠 ”がある。江戸時代に藩家老の奥方が旅路で病に苦しんだ際、茶店の婆さんが神社に祈願して平癒したらしく、その奥方が祠を建てて祀ったものだとか。「 八つ墓村 」に登場する“ 濃茶の尼 ”のモデルだそうな。
耕助石 ”なる石があり、横溝さんは散歩の途中、この石に腰掛けて作品の構想を練ったといわれる。そういえば、以前読んだ「 金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲 」(赤川次郎、有栖川有栖、小川勝己、北森 鴻、京極夏彦、栗本 薫、柴田よしき、菅 浩江、服部まゆみ 著)で誰かがこの“耕助石”について書いてたなあ。
耕助石.jpg 腰掛けるのにちょうど良さそう(^^) 祠の石.jpg

 この祠のすぐ先に“ 横溝正史疎開宅 ”がある。道の正面にいきなり家があって、非常に分かりやすい。あいにく今日は休業日だったので(月・木・金曜は休業)外回りをぐるっと見ただけだったが、この家で「本陣殺人事件」や「 獄門島 」などの傑作が生まれたのか~。
 もう少し行くと、その「獄門島」に出てくる寺と同じ名前の“ 千光寺 ”もあるそうだ。

 川辺宿駅~横溝さん疎開宅までの往復所要時間は、およそ2時間。普段滅多に歩かないので足が痛たたた…(><)
 帰りの電車が来るまで40分もあったので、持参していた「 チューヤン日本旅日記 」をホームで熟読。 チューヤン (謝昭仁)が 電波少年 だったか 雷波少年 だったかのMCをしていた頃、毎週日本各地に連れていかれて自力で東京に帰る旅をしていた時の日記だ。困ったことに(!?)チューヤン熱、未だ冷めず。今日日(きょうび)チューヤンについて語っているのは、おそらくこのブログぐらいだろう(^^ゞ

 今回のミステリー遊歩道、余程の金田一耕助(もしくは横溝正史)ファンの方か、もしくは余程のウォーキング好きの方にはおすすめしたいが、然程興味のない方にはちょっくらキツいかも

makimono01.gif 本日の一冊

七人の役小角  (夢枕獏 監修:司馬遼太郎、黒岩重吾、藤巻一保、永井 豪、六道 慧、志村有弘、坪内逍遥) 桜桃書房

 この豪華執筆陣が書いた、修験道の祖・役小角に関する小説等を、夢枕獏さんが監修したもの。司馬さんの作品は、2000年にこの本が出版されるまで単行本未収録だった貴重なもの。また、かの坪内逍遥の作品もこれまた天下の奇書(作品)と言えるものだとか。
 役小角にあまり関心はないが、修験道には道教的な要素も多く含まれているという点にだけ興味が沸いた。 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.04.25 02:31:04 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Free Space

ぱすぱら趣味館
懐かし邦題アルバム 一覧
我的読書記録
「うわさの姫子」大百科
Mr.BOO! 広川太一郎 吹替伝説
80's MY FAVORITE SONGS 【BOX版】
80's MY FAVORITE SONGS 【BOX版】 VOL.2
Heavenly Rock Townとは?

ぱすぱら別館
ふらりと御朱印集め
(御朱印集め備忘録BLOG。岡山を中心に、関西にもふらりと出掛けます)

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: