ヘンリー・ダーガー(Henry Darger)の「非現実の王国で(IN THE REALMS OF THE UNREAL)」である。 正式には「THE STORY OF THE VIVIAN GIRLS, IN WHAT IS KNOWN AS THE REALMS OF THE UNREAL, OF THE GLANDECO-ANGELINNIAN WAR STORM, CAUSED BY THE CHILD SLAVE REBELLION」という、作品同様に長ったらしいタイトルだ。
何年か前にTVでヘンリー・ダーガーを紹介する番組を見て以来、なぜか彼と、彼のこの作品のことが頭から離れない。といっても勿論、作品を読んだことはないのだけれど。 物語は、「非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語」というタイトルが示すとおり、主人公であるヴィヴィアン・ガールズ率いる“アビエニア”とよばれるカソリック国家と、“グランデリニア”とよばれる子供奴隷制を持つ軍事国家との戦争を描いたものであるらしい。 そしてこの作品にはダーガーの手による300枚もの挿絵が描かれており、更には同じくヴィヴィアン・ガールズを主人公とした、これまた8,500枚からなる続編「シカゴにおけるさらなる冒険(CRAZY HOUSE : FURTHER ADVENTURES IN CHICAGO)」もあるというから驚きだ。