『夜ごとに太る女のために』 キャラヴァン 「For Girls Who Grow Plump in the Night」Caravan(73)
「ロッキン・コンチェルト」と双璧をなすキャラヴァン、1973年の不朽の名作! A面 1.メモリー・レイン・ヒュー 2.ヘッドロス- Headloss 3.ホーダウン- Hoedown 4.サープライズ・サープライズ- Surprise, Surprise 5.シースルースルー- C'thlu Thlu B面 1.ドッグ・ドッグ- The Dog, The Dog / He's at It Again ビー・オール・ライト / チャンス・オブ・ア・ライフタイム- Be All Right / Chance of a Lifetime 3.いのししの館 / 狩へ行こう / ペンゴラ / バックワーズ / 狩へ行こう(反復) - L'Auberge du Sanglier / "A Hunting We Shall Go / Pengola / Backwards / A Hunting We Shall Go (reprise) 英国のカンタベリー・シーン(Canterbury scene)を代表するバンドの一つであるキャラヴァン夜ごとに太る女のために(For Girls Who Grow Plump in the Night)」。ほぼ原題直訳の邦題だが、夜ごとに太る女って…私のこと!? 何だかチョコザップ(chocoZAP)やらカーブス(Curves)やらの誘い文句にありそうなタイトルは面白いけど、曲名の邦題が手抜きでよろしくない。ザッパ(Frank Zappa)やカーカス(Carcass)、コルピクラーニ(Korpiklaani。フィンランド出身のフォーク・メタルバンド)あたりだと、“目盛0(レイ)、ヒューッ!”(ザッパ風)、“獄門打首頭顱喪失(カーカス風)”、“歌えや踊れやドンジャラホイ”(コルピ風)てな感じになって楽しめただろう。
さて、カンタベリー・シーン(日本ではカンタベリー・ロック)というジャンルであるが、これは英国南東部のケント州カンタベリー出身者を中心とするプログレッシブ・ロック系のバンドやミュージシャンによる音楽を指す。64年にカンタベリーで結成されたワイルド・フラワーズ(The Wilde Flowers)からカンタベリー・ロックを代表するソフト・マシーン(Soft Machine)とキャラヴァンが生まれ、メンバーの離合集散とともに人脈がさらに広がり、ジャンルとしてくくられるほどの存在感を示すようになったとのこと(Wikiさんより)。 以前、ケヴィン・エアーズ(Kevin Ayers)の「夢博士の告白(The Confessions of Dr. Dream and Other Stories)」を取り上げたが、彼もワイルド・フラワーズのメンバーだった。ワイルド・フラワーズが67年に解散した際、メンバーはソフト・マシーンとキャラヴァンの2派に分裂したらしく、ケヴィンら4人はソフト・マシーンを、他の4人はキャラヴァンを結成した。 キャラヴァンの創設メンバーはg&voのパイ・ヘイスティングス(Pye Hastings)、bのリチャード・シンクレア(Richard Sinclair)、keyのデイヴ・シンクレア(Dave Sinclair)、drのリチャード・コフラン(Richard Coughlan)。その後ちょこっとメンバー交代があり、このアルバム作成時にはbがリチャードからジョン・G・ペリー(John G. Perry)に交代、そして新たにgやviola等を担当するジェフリー・リチャードソン(Geoffrey Richardson)が加わって5人組になっている。パイとジェフリーは現在もキャラヴァンで活動中のようだ。