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2022.03.02
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カテゴリ: 歴史散歩
『ベケット』でピーター・オトゥールがヘンリー2世を演じたという映画で思い出したのですが、私がイギリスに留学していた1980年9月に、ロンドンの演劇界で一つの“事件”が起きました。
それが、ピーター・オトゥール主演の劇『マクベス』です。
私はその“事件”をロンドンのオールド・ヴィック劇場で観ています。

オトゥールは当然主役のマクベスを演じたのですが、作品自体は批評家らから「演劇史に残る粗悪な演技」であったとこき下ろされました。
特に不評だったのは、マクベス演じるオトゥールの戦闘場面など深刻な場面での演技です。
もちろんオトゥールは真剣に演じているのですが、お粗末なチャンバラにしか見えず、観客席から笑いまで起こる始末だったと書かれていました。

私はそうした批評を見ずに、ただロンドンでオトゥールがマクベスを演じるからというミーハーな理由で観に行ったのですが、確かに思わず失笑するような場面が散見されました。
ロマン・ポランスキーの映画『マクベス』の不気味さを100としたら、オトゥールの『マクベス』は30くらいでしょうか。

イギリスの演劇界では『マクベス』は呪われているともいわれます。

あの不気味さを舞台で演出するのは結構難しいんですね。
だから失敗に終わるケースが多いのです。
それが都市伝説の背景にあるように思われます。
オトゥールは果敢に挑戦したのですが、そのジンクスを破ることができませんでした。

オトゥールがマクベスを演じるに当たっては、演出家に注文するなど口出しができるという特約があったそうですが、演出の失敗の責任はオトゥールにあるという内輪もめも露見して、場内外の“乱闘”にまで発展した事件でした。

しかしながら、散々な酷評にもかかわらず、オトゥールの『マクベス』は興行的にはそれほどの失敗ではなかったようです。
メディアを巻き込んだ論争は、逆に格好の話題を提供したことになり、私のようなミーハーの観客や、騒ぎの顛末を見届けたいという観客が結構集まったということでした。

話しが脱線しましたが、なぜ私が文学作品の解釈に易を使うかを、もう一度説明しておきましょう。
(続く)





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最終更新日  2022.03.02 22:58:55
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