この男同士の語り合い(なぐさめ合い?)と妖しいルックス(特に左上の奴)でもって、テリーさんをして彼らをおかまグループと呼ばせしめているのだろうけれど、おかまさんの持つ感性は特殊な輝きを持つ場合が多いから、この曲の醸し出す特別濃厚な妖しさや一風変わった洒落たグループ名とともに、このC# = おかま説 により一層の説得力を持たせているな、と感じさせます。またちょっと短いですが、FADE OUT 直後にはファルセットが、まさにチンポ玉乱といった風情のシャウトを繰り出し、なかなかの味わいとなっています。
因みにこの曲の元歌となっている J.R.FUNK & THE LOVE MACHINE / I JUST HOPE YOU UNDERSTAND LP「GOOD LOVIN'(BRASS 12011)'81」収録 甘茶ソウル百科事典P.29,171,TERRY'S SELLECT 030 も又、語り中心の無茶甘茶な曲で、プッシュ音、テレフォントーク、キッス音、と擬音もてんこ盛りです。しかも、こちらもかなりのグレードの高さ!
【 TERRY'S 009 】SISTERS LOVE / ARE YOU LONELY ? (A&M 8581)
プロデュースはGENE CHANDLER。アレンジはTOM TOM。かなりDEEPな歌声なのに何故かテリー氏はセレクト。コーラスや全体の曲調は明るく軽やかでポップとさえ言える。メロディは甘いと言えば甘いが、甘い辛い云々というよりも何より素晴らしく良く出来た旋律である。そして更に特筆すべきなのはリードの女性のドDEEPな歌声だ。情感たっぷりに歌い上げ、起伏は激しく、感情表現も豊かだ。特に盛り上がり部分の絶唱ぶりは鳥肌ものでグレイトすぎ!彼女達はフリーソウル/クラブシーンでも「GIVE ME YOUR LOVE」(FREE SOUL PARADE収録)が人気のようだが、この「ARE YOU LONELY ?」の方が音楽史的には圧倒的に重要だ。
【 TERRY'S 013 】SANDEE' / LET'S STAY IN LOVE P.38
フラミンゴ・テリー、ムーニー&ビリー架空対談【SANDEE'編】
(1A)SANDEE' / LET'S STAY IN LOVE (VOCAL) 12"(GOLD 101) '86 (1B)SANDEE' / LET'S STAY IN LOVE (INST.) (2A)SANDEE / YOU'RE THE ONE 12"(EAST WEST 3002)'87 (2B)SANDEE / YOU'RE THE ONE (MIAMI MIX),DUB (3A)SANDEE / YOU'RE THE ONE 12"(ATLANTIC 1036) '87 (3B)SANDEE / YOU'RE THE ONE (MIAMI MIX , ORIGINAL MIX , NEW YORK MIX),DUB (4A)SANDEE' / ALWAYS BESIDE ME (CLUB) 12"(EAST WEST 3005)'87 (4B)SANDEE' / ALWAYS BESIDE ME (DUB),(BONUS BEATS)
ムー:MYSTERIOUS のKEVIN FOSTER , JULIA LOFTON が KEYBOARD と CHORUS を担当しているんですけど、この二人がFIRST KLASSのメンバーってことなんでしょうかねえ?たしかにバックの音にはFIRST KLASS / LOVE ME AGAINに通じるSWEETNESSを感じさせますね。出来は甲乙つけ難いけど、歌の甘茶度の差で僕はLOVE ME AGAINの方がいいなー。
このカバー曲、私は非常に高い評価をしています。LL COOL J / I NEED LOVE のカバーですが、こちらは確かラップ曲初の全米ナンバー1ヒット。所謂ラブラップのはしりともいえる非常に歴史的価値の高い名曲な訳で、その事に対するリスぺクトは欠かせないのですが、こと甘茶という観点から捉えると、この FROSTY のバージョンの足元にも及ばないと私は言い切ってしまいましょう。
曲の基本は同じくTERRY'S SELLECT 060の「REFLECTIONS OF TIME featuring PADRO / JOY」タイプで、ヴォーカル・レスで延々語り中心に構成されている。REFLECTIONS OF TIMEとの違いは、この曲の方は女性コーラスが付くことと、バック・サウンドにポピュラリティが無いこと。スカスカのバックは幾ばくかのトロリとしたギターとヒャラヒャラと捉えどころのないシンセ音で構成されている。これが何やらユーロ・プログレ風というか前衛音楽的というか、全く温かみとか甘い情感とかソウルを感じさせない代物。時折何の前触れもなく突然切れ込んでくる女性コーラスは悲しみと物の哀れを感じさせるようもので一応は効果的に働いている。語りの方はあまり抑揚もなく、取り立てて甘くもなければ渋くも無い感じ。
何にせよヴォーカルが無いんだからソウルとして聴くにはとてもツラく、更に全体として捉えどころが無い、スカスカとした空間と曲そのものが分かりにくいという点においては、あのREFLECTIONS OF TIMEのトンデモ曲が名曲に思えてしまう程。なのにテリー氏は「甘茶度」、「妖しさ度」、「エロ度」の3部門において満点の星5つをあげているのだからどうにも理解不能(笑)。ただ、甘茶か甘茶じゃないかと言ったら甘茶以外の何物でもないんだよなあ、、、。
【 TERRY'S 060 】REFLECTIONS OF TIME FEATURING PADRO / SWEET ROMANTIC AND SEXY JOY (PLG777)
この事実は相当情けない。多くのソウルファンがレア高値盤だからといって邪道な「REFLECTIONS OF TIME」は聴いても、王道の「MOMENTS」は聴いてないことの証左とも言えるし、「MOMENTS」のレコードを持っててもろくに聴きこんでないからその事実に気づかない人が多い、ということであろう。レコードコレクターの悲しい側面をまざまざと見せつけられた思いだ。それとこんな完全なブートレッグを堂々と販売している大手レコード店もどうかしてるな。
それが聴けたのは最初にこの話を読んでから実に10年近くたってからのことなのですが、その間ずっとこのお皿に想いをめぐらせていた私は、何よりも聴けたという満足感が先にきまして、音の方は最初はピンときませんでしたね。このALBUMから代表曲を選ぶとなるとやはりこのタイトル曲「I'LL GET OVER IT」になるのでしょう。ちょっと痛みのかかったゴスペルチックな曲で崇高な香りがします。トローリ甘いというのとは違って、ちょっと期待はずれにも思いましたが曲の水準はやはりかなり高いですね。
元歌はORAN"JUICE"JONES / THE RAINで、86年のヒット曲。ヒットしただけあってこちらは分かりやすいんだけど、STEPHAN版を聴いた後ではなんとも薄くヌルくて煮え切らない出来。一応TERRY'S 054ということで選曲されている訳だけど、私はORAN"JUICE"JONES版はちっともイイと思わないなあ。特にバックの打ち込みサウンドのチープ感はナサケナイ、、、。
ヨーク様、青少年を手がけました。このシングルのB面は「WOULD YOU BE MINE」という甘い曲で、やはり少女を手がけたPETITEの健全さとは違った何かが確実に潜んでいます。うっかり聴くといつのまにか妖しい青少年の禁断の世界に導かれてしまいますよ。
100.PETITE / SO FINE
PETITE TEENS がグループ名ではなく、ジャケに描かれているTEENSとは彼女達のアルバムタイトル。どなたか聴かれた方いらっしゃいます?私が持ってるこのシングル皿はPASSION LABELのファンクラブ向けのプロモ盤のようで、簡易ジャケにこのグループの詳細が説明されています。プロモ盤ってのはこういうもんだよ、とでもいいたげなヨーク様のこの辺の細かい仕事振りが、らしくっていいのです。
それによるとこの曲は彼女達のアイドル、MICHAEL JACKSON , NEW EDITIONに捧げられた曲とのことで、ネタ的には NEW EDITION / MR.TELEPHONE MAN 使いです。とまあ話題としては古いものがありますが、ちょっと凝ったヨーク様の甘いバック音は意外と古臭さを感じさせない、エバーグリーンなものがあるのです。これも彼の作る音世界のひとつの特徴ですね。