吉田裕貴 / Faraway so close 作曲編曲Funczion SOUNDS '05 「ONE☆BOKU Faraway so close! ~お姉ちゃんとボク~」主題歌
お姉ちゃんにまったり癒されADV「ONE☆BOKU Faraway so close! ~お姉ちゃんとボク~」の主題歌でウォール・オブ・サウンド仕様曲。初回ロット特典「お姉ちゃんからのお手紙CD」収録。音壁仕様というかズバリ「大滝詠一 / 君は天然色」のトラックを真似たトリビュート曲という感じでしょうか。君は天然色アレンジとしては、本ブログで既出のKEN GOLD版の JODELLES / MY BOY
が有名ですが、出来的にはあまり差がないかと。曲はエロゲ主題歌ということで萌えのある女性ヴォーカルの明るめの曲。前者同様やはりメロディに奥深さは無いけれどネタものとして捉えれば十分なクオリティじゃないですかねえ。果たしてこの曲が山下達郎氏のサンデーソングブックでオンエアされる日は来るのだろうか?
BAY CITY ROLLERS / ANGEL BABY 「ONCE UPON A TIME」'75
70年代に一世を風靡したイギリス出身のアイドルグループ、ベイシティローラーズ。当ブログでも既に、 「SUMMER LOVE SENSATION」
、 「ひとりぼっちの十代(MY TEENAGE HEART)」
、 「I ONLY WANT TO BE WITH YOU (二人だけのデート)」
の3曲を取り上げていますが、他にも紹介したい良曲、ヒット曲が多数ある非常に優れたポップ・グループです。「キング・オブ・ポップ」という呼び方が有るけど個人的にはNO.1が圧倒的にBEATLESで、彼らをロックと考えるのならば、ABBAとBCRが1位を競ってる感じかな。それで3位がQUEENと。BCRは10代の女の子に大騒ぎされたグループだからと馬鹿にしている音楽ファンが大多数派だと思うけど、そうした先入観から彼らの音楽的価値を見損じている人が多いだろうことを残念に思いますね。(漫画は本秀康氏のレコスケくんより)
曲は「RONETTES / BE MY BABY」を意識したトラック使用の情緒的なバラード。音壁的にはカスタネットが目立つ程度で、特にドラムスにもう少し重量感が欲しかったかな。ただこの曲はメロディがいいんですよねー。甘酸っぱいメロディにレスリーの過剰なまでに情に訴えた唱法。子供の頃聞いた時は甘すぎるなあって感じだったけど、高齢になって聞くと心に染み入ります。メンバーによる自作曲であるところも彼らが単なるアイドルグループでないことを証明していますね。
三人組黒人ガールグループによる明るく軽快な音壁ポップ。一聴すればお分かりの通り、ずばり81年の「大滝詠一 / 君は天然色」に直接的に影響を受けたものですね。音頭風アレンジも加わって大滝詠一サウンドそのものって感じ。これのプロデューサーがなんと「Delegation / Oh Honey」や「Real Thing / You To Me Are Everything」でソウルファンにはお馴染みのKEN GOLDだというのだから驚きです。能天気なパーティ・ポップという感じでメロディにも奥深さは感じられないけど、フィルスペクターによる60年代ガールポップのヒット曲を80年代風に解釈したら「こんなの出来ちゃいました」って感じなんですかねえ。
基本トラックは「RONETTES / BE MY BABY」でそれを現代風な楽器の音色で彩っている。エコーのかかったカスタネットやドラムなどナイアガラ的音壁度の高い作品。ストリングスの調べは崇高な感じを出していてなかなかお上品。英語のコーラスが全体をリードする感じもあり洋楽的雰囲気もある。然しながら全体のムード、メロディは落ち着いたもので少し湿っぽく小雨でも降ってそうな雰囲気。ポップ感は少ないがメロディは良く出来ているので人によっては高評価もあり得るか。
麻倉未稀 / リメンバー・ターン '84 作曲いけたかし(池毅) 編曲戸塚修
「BE MY BABY」トラックなフィルスペクター/大滝詠一系音壁ポップ。作曲はアニソン中心に多くの流麗でポップなメロディの作品を残した池毅。ここでは熟女系シンガーへの提供ということでポップさは減退しつつも流麗なメロディは健在です。歌い手はアダルトなフェロモンを漂わせてセクシーな雰囲気だけどちょっと喉越し良すぎる感があるかな。トラックは重量感のあるドラム、軽やかなカスタネット、優雅なストリングス、きれいなエレピなどで構成され派手さは無いがバランスは良い。こういうのはAOR音壁サウンドと言っていいかも知れないですね。
メロディは全体として暗く湿った内容ですが、バラードとしてなかなか魅力的。行進曲として使えそうなテンポの「STOP! IN THE NAME OF LOVE」リズムは軽やかでいい。これでベースやドラムなど、もう少し音壁要素があればかなりの良トラックと言えただろうにね。そして残念ながら前者同様、彼女の歌声に全く魅力が無いのが非常に大きなマイナスポイント。(っていうか聴くのツライ、、、。)将にバラドルのイメージそのままの声質で、音痴なのは止むを得ないとしても、これじゃあ興醒めですよね。
ポップなアニソンを探して遠い図書館から取り寄せた子供向けアニソンCDなどを聴いていたところ(笑)とても面白い曲を発見しました。それがこのテレビアニメ「モジャ公」エンディング曲。作曲、編曲とも岩崎元是という人がやっているのですが、これがなんと大滝詠一サウンドが大炸裂しとるのですよ。出だししばらくはアカペラなんだけど、途中からはいわゆる「君は天然色」そのものの音造りで、大滝詠一とタメ張るほどの分厚い音の壁。鐘の音やきれいなエレピなどが深いエコーに包まれています。高揚感のあるコーラスなんかは山下達郎そっくり。ヴォーカルはおそらく地声ではなくあえて幼稚な声を出していると思われるのだけれど、普通に歌っていればかなりいい線行っていたのではないかと悔やまれる。大滝詠一ファンは一聴の価値あり。*元ネタ=「MFQ / THIS COULD BE THE NIGHT」
出だしなどのメロディが「大滝詠一/カナリア諸島にて」に似ています。カスタネットも入って、その後にすぐフィルスペクターの「RONETTES / be my baby」みたいなブレイクが入り、結構ナイアガラ系な明るいポップスです。メロディが少し弱く、ハーモニーがないのも残念。B面はベンチャーズ編曲で軽快な60S風ポップスに仕上がっています。
ハーマンズ・ハーミッツの67年のヒット曲 「THERE'S KIND OF A HUSH」
のカバー。歌うは当ブログでもお馴染みの音壁プリンセス原めぐみ嬢。コンピCD「ミート・ザ・ブリティッシュ・ビート!」収録。ほのぼのとした明るい曲調に甘くキャッチーなメロディで私も大好きな曲ですが、ここでは原曲とは全くアレンジが異なり 「RONETTES / BE MY BABY」
をベースとしたウォール・オブ・サウンド仕様になっています。さながらマージービートMEETSフィルスペクターって感じの夢のある組み合わせですが、相性はいまひとつだったかな。
「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」ネタ曲としては、より「BRUCE SPRINGSTEEN / BORN TO RUN '75」フレーズを強調した同じく岩崎元是作曲編曲の「辻本夏実&小早川美幸 / ありがとう」(逮捕しちゃうぞOST3収録)もあります。(尚、岩崎元是さんはご本人曰く「音壁炸裂しまくり、多分ここ10年で最もウォール・オブ・サウンドな仕上がり」な新作を近日発表される予定です。)
森末慎二 / BECAUSE I LOVE YOU '91 作曲編曲岩崎元是 「君のいないクリスマス」収録
1984年ロサンセルスオリンピック体操競技の金メダリストの森末慎二さんが歌う、ちょっと異色の音壁バラード。CDS「君のいないクリスマス」のカップリング曲。作曲編曲はウォール・オブ・サウンドの第一人者の岩崎元是氏で、「君のいないクリスマス」は元是P自身も後にセルフ・カバーしています。この「BECAUSE I LOVE YOU」は、 「Bruce Springsteen / Hungry Heart」
風のバラードで、その大仰さを更に数倍にしたかのような分厚い音造りが堪能できます。
BRIAN ENO / ON SOME FARAWAY BEACH '74 「HERE COME THE WARM JETS」
鬼才ブライアン・イーノのファースト・ソロ・アルバム収録曲。当ブログではポップに拘って曲を取り上げているので、イーノの曲は無縁に近いのですが、個人的には大好きなアーチスト。環境音楽時代もいいのですが、初期のボーカル入りソロワークも甲乙つけがたいぐらい大好きです。特に「Another Green World」収録の「I'll Come Running」、以前 セレクト大会
でも取り上げた「Golden Hours」や「Before and After Science」収録の「Here he comes」、「By this river」、「Spider and I」などはどれも最高!イーノの体温の低い、人間離れした、俗世離れした、将に神の領域に達したかのようなヴォーカル、メロディ群の隔世感は尋常ならないものがありますね。
その二枚のアルバムと比べると大部地味なイメージのある74年の 「HERE COME THE WARM JETS」。先日久々に聴きかえしてみたら、ぬわんとウォール・オブ・サウンドがあるではありませんか。イーノで音壁?って意外過ぎですよね。上品なピアノの音色をベースに、荘厳な雰囲気を醸すコーラス。やはりどこか非日常感の漂うメロディの後ろでは、エコー感のあるドラムが転がりまくります。静かな出だしから徐々に盛り上がっていく展開もドラマチックですが、僅かながら人間臭い暖かみを感じさせるところは若かりし頃の未完成なイーノって感じですかねえ。
宮前真樹、羽田惠理香、大野幹代、三浦理恵子、瀬能あづさの5人組アイドル女性グループによる92年のアルバム収録の音壁曲。「RONNETES / BE MY BABY」風ベース&カスタネットに時折エコーを効かせたドラムが鳴ります。とはいえ、そこはアイドルグループものということで、ドラムのエコーはお付き合い程度のショボイもので重量感も無い。全体として音壁ものというよりはフィルスペクター風といった方が正確かな。サビのメロディもオールディーズっぽくて、どこかで聴いたことあるような感じですしね。そのキャッチーなサビを含めてメロディは湿ったセンチな内容でポップとは言い難いけど出来栄えは良く、個人的には結構愛聴しています。特に三浦理恵子のソロパートで聴けるオヤジ必殺のロリータ・ヴォイスが美味。「YOU TUBE」で見れる ライブ版
の方は歌の出来は劣るけどドラムにエコー&重量感が加味されています。
【 工事中 】
岡田有希子 / DREAMING GIRL 恋、はじめまして
TOKYO POLICEWOMAN DUO / 待たせて、ゴメンね 作曲編曲岩崎元是(IWASAKI MOTOYOSHI) 「逮捕しちゃうぞ限定解除ソングコレクション」収録
WALL OF SOUND / HANG ON CD「THE WIGAN CASINO STORY VOLUME THREE THE FINAL CHAPTER」(GOLDMINE GSCD90)収録
「Phil's Spectre: A Wall of Soundalikes」にも収録。いわゆるノーザン・ダンサー・タイプで音壁ものは珍しいかも。