空のかなたへ

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2016年11月02日
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Mさんが会堂前で私を手招きしている。何だろうと近づくと「この本を読んでみない?おもしろいわよ」と差し出されたのが松本清張の「黄色い風土」。全748ページ。フォントサイズ10.5ぐらいの小さな文字。長編なので3週間かかって読み終わった。




中島河太郎さんの解説から抜粋

見送り人のなかった新婚旅行者が、熱海のホテルに泊って、花婿は錦ケ浦で死体となり、花嫁は失    踪する。警察当局は自殺で片づけるが、たまたま駅頭とホテルで二人を見かけ、印象に残っていた週刊誌の記者の胸に、疑惑の波及が次第に拡がっていく。発端から奇奇怪怪な謎を、これでもかと誇示するのではなく、ありふれた情景の中から、何かしら心にひっかかるものを導入したサスペンスが心憎い。克明な聞きこみと執拗な意志に支えられた記者の追求は、北海道から中部日本に及ぶが、別々の土地で起こっ八つの事件は、それぞれ孤立した様相を呈しながら、鎖の輪のようにどこか一点のつながりを持っている。丹念な捜査が繰り返されても、一連の事件の全貌は雲をつかむように見当がつかない。しかし、徐々にヴェールが剥がれるにつれ、強烈な犯罪工作の意図の一端が現れてくる。

週刊誌記者 若宮四郎。25歳か26歳ぐらい。編集部部長の木谷は事件性がありと判断し若宮四郎に十分な捜査費用をだす。若宮は東京から熱海、小樽、真鶴、名古屋、犬山、小田原、横浜、駿河小山と事件現場を歩く。事件は遠く日華事変までさかのぼる。日本陸軍が中国経済をかく乱するために大量の偽札を使っていたことにつながっていく。最後の80ページは胸が締め付けられそうなほど。首謀者から富士山の樹海青木ケ原に誘い込まれていく若宮四郎に「若宮、気付け!!、その人が犯人なのよ、なぜ気付かないの、若宮四郎」と叫ぶ私。小説のさいご(おわり)に目が行き、胸はどうきを打っていて、しばらく体がざわついていた。松本清張さん、どうしてこんな終わり方をするんですか!!!と思った。。東京から熱海までは知っている土地。有楽町、銀座、山下公園、熱海、小田原、真鶴、そして駿河小山は先日訪れたばかり。東京から熱海までどの位の時間と距離があるか。どんな風景が広がっているか。頭のなかに風景が広がってくる。時代は40数年まえの話だけど。

しかし、Mさんが推理小説を読んでいるなんてちょっと面白い。聖書と信仰書しか読まないんだろうなぁて思っていたから。

そして、思うのだ。聖書を読むときにこの小説を読むように時間も風景も地理もその場にいるように体感できれば、もっと深く知ることができるのにと。聖書と小説の読み方を比べるのがそもそも違うか(苦笑)

それにしても読んでいるときはストレス解消してた。推理小説って面白い! 松本清張ってすごい。





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最終更新日  2016年11月02日 11時15分23秒
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