臼井不動産．横須賀不動産コンサルティング

2012年12月22日

★老人ビジネスの難しさ。淘汰の波とクレームの波に押しつぶされる★

カテゴリ：住まい

老人ホーム関連企業の苦境が聞こえてくる。デイサービスから老人ホームに至るまで、高齢化社会に関連するビジネスとして急成長し、沢山の企業が参加してきたがここに来て色々な問題に遭遇し苦悩している。

老人ビジネスは難しい。　まず人手の問題がある。看護資格を持つ従業員の確保が厳しい。
入居者を集めるよりスタッフを集める苦労が大変なのだ。更に労務費の高騰も経営を圧迫している。

訴訟の多発も命取りになりつつある。
老人を預ける家族は「高い入所費を払っているのだからしっかり面倒を見て」と言う気持ちが底流にある。

だからスタッフや施設経営者に対する要求は高い。
入所している老人が転んで怪我でもしようものなら大騒ぎになる。
「虐待して怪我をさせた」と弁護士を立てて訴訟に出てくる。その対応に使うエネルギーで精神を病むスタッフがいるほどだ。

トラブルが深刻化するとせっかく集めたスタッフは、次から次へと退職してしまう。慢性的な人手不足に拍車をかけ、入所者に満足な対応も出来なくなると入所者も他に移ってしまう。

人手不足やトラブルに加え、大手資本の加速度的な進出は零細業者のシェアを奪ってゆく。
このところ個人経営のディサービスが次々に消えている背景は業界人以外には分からない深刻な問題をはらんでいるのだ。