シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2006年10月11日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前々回からのパラケルススの医術からも、洞察されるとおり、太古の医術は、主に、人体内や自然のエーテル体の相互作用をみていたことがわかるだろう。ヒポクラテスが、ヒポクラテスの樹と呼ばれる木の下で、講義を行った意味が、ここからわかるだろう。それは植物と人間の共通の生命力の源であるエーテル体について語ったのである。古代の哲学者は、現代のような抽象論に陥ることはなく、実際に体験し、学ぶことを基本としたのである。アリストテレスは、水を語るときは、弟子達を、実際に、水のなかに頭を突っ込まさせて、体験させ、学ばせたという。自らの体験を糧として、そこから自ら学ぶことを経験づけたのである。

 これと同じように、ヒポクラテスも、植物そのものになることはできないので、自分のなかに、人体における植物的なものの体験を導いたのだろう。「百聞は一見にしかず」というべきだろう。だから、植物の樹が生命の講義として必要だったのである。現代医学では、これが物的な死体になってしまい。唯物的原子論的な解剖学からはじまる。現代人は、しばしば不要になったと思われる部分を分類し、取り除くことで、医学が成り立っているという錯覚に陥っているが、それでは、ただ、死を待つのみであり、死からの再生など絵に描いた餅といわざるをえないだろう。現代科学が、非物質的で、理解不能なものを否定する傾向にあるのは、この性質故のことなのである。

 これらがさも当然のごとく行われるのは、悪というものが、時流に沿っていない善であり、無駄なものが、時代とともに移り変わるということをわかっていないからである。パラケルススが現代の医学をみたら、まるでフランケンシュタインを扱うような、それでいて、フランケンシュタインに生命を与えられずに、死に近づいていくに従い、肉体を切り刻んでいる道化師のように映るだろう。

 それはともかくも、話を元に戻して、太古の医術をつづけて語るとする。腸組織全体の形態変化を、一面においては魚類から両生類、爬虫類を経て鳥類に至る変化として記述し、他面においては、哺乳類そして人間にまで至る変化として記述し、比較研究を行ってみれば、器官の特殊な形態変化が生じていくイメージが浮かび上がり、例えば盲腸ができてくるという。人間の場合には後に盲腸となるものが現れ、下等な哺乳動物の場合や、鳥類の組織から、盲腸の原基が現れてくる場合には、魚には全く存在していない大腸から、より完全な秩序による進化の上昇を通じて、大腸が、更には複数の盲腸、人間の場合は1つの盲腸として現れてくるのがみえるという。

 人間を、心臓を基準として上部の人間と、下部の人間として分けると、上部の脳が下部の腸に該当することがわかり、人間の盲腸のような、外に向かって閉じたものの存在は、上記の人間の二元(二極)性として理解でき、それは上部では、脳すなわち思考器官にあたり、腸器官の負担のお蔭で、脳ができ、腸器官は脳器官の忠実な裏面であるといえるという。このように人間の物質的世界に現れている最高の霊的-魂的活動は、脳の完全な形成と結びついているのと同時に、その一部である腸の形成とも結びついているという。

 この人間における上部と下部間に、絶えず緊張が存在しており、この緊張の制御の二極としての1つは、松果腺といわれる粘液腺のなかに現れていて、松果腺においては、上部の力である全ての力が現れており、もう一方の下部の力である粘液腺の力、脳下垂体の力に対して緊張関係を成しているという。

 この人体内の二極化は、上部から下部に下降するにつれ、腸内植物相を形成する力から、腸内動物相を形成する力へと下降し、他方逆に、人間の上部へと昇っていく場合は、内部の植物相が克服される領域から、絶えざる鉱物化、いわば人間の硬化が克服されねばならない領域へと上昇するという。いわば外的に、頭部の骨化が他の部分より顕著であるということから見ても、人間は上へ向かって進化するほど、その器官を通じて正に鉱物的になる傾向が強まるという。この上昇への抗鉱物化を、塩プロセス、下降の動物相形成を、硫黄プロセスとして、太古の医学は名付けたという。

 人体内のエーテル体の作用は、塩プロセスと硫黄プロセスによって二極(二元)性として表されるのである。これが中世錬金術に顕れるエリクサーと賢者の石の意味を表したのであろう。 この概念は、また腫瘍と硬化の描像を与えるものでもあることがわかる。腫瘍とは、硫黄プロセスであり人体の下部に向かうエーテル体の過度に不活性なもので、硬化とは、人体の上部に向かうエーテル体の過度に不活性なものを現すといえるだろう。これらの状況を、松果腺と脳下垂体との緊張関係を用いて、制御することも考えられることである。

 神秘学では、エーテル体の制御を用いた治療法として、リッターの治療といわれる光力学的な療法と、ホメオパシー原理を用いた鉱物療法を提唱している。





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Last updated  2006年10月11日 21時43分19秒
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