シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年03月05日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、精神的な世界において、ブルネット・ラティーニのような人物と共にいることが、重大なことだと気づくだろう。けれども、もし、必要な(秘儀参入の)準備ができているならば、自分が夢に幻惑されているのか、或いは精神的な現実の中にいるのかを、見究めることができるという。そのため、我々が受け取るメッセージを評価することは可能であるという。

 では、37歳のときに精神的な世界においてブルネット・ラティーニと語り合うことを想像してみる。勿論、このようなことは文字通りに受け取られるべきではない(秘儀参入して本人が自分で受け取るべきだから)。彼は多くのことを語るだろう。

 そして、多分、そのとき、もっと正確で詳細な情報が必要だと、秘儀参入者は思うかもしれないが、それに対して、彼は、「その場合、我々は現在の20世紀から19、18世紀、そして私がダンテの師として生きた世紀にまで遡って足跡を辿らなければならない。もし、あなたがこの道を辿って、私について来ることを望むならば、あなたがもう少し(現世で)歳を取るまで、つまり、あなたがあと何年かの年月を後にするまで待たなければならない。そのとき、私は全てを話し、あなたの知への渇きを満たすことができるだろう。あなたは高次の秘儀参入者になることができるが、現実には、精神的な意欲だけでは過去に至る道を通って私についてくることはできない。」と言うという。

 というのも、このようなことが可能であるためには、秘儀参入者はもっと歳を取る必要があるからで、もし、問題の人物と共に精神世界へと障害なく帰還することを確実なものにしたいならば、少なくとも42歳をこの世で通過して60歳に達していなければならないという。

 精神世界を見る(精神的な)感覚器は、現世での人生体験を土台に構築されるので、人生経験の年数に応じて、感覚器が構築されるといえる。つまりは、人生は、このような精神的な感覚器を構築するための課題としての教科からなり、課題の元に、体験や経験を積むことで、それからなる精神的な感覚器の性質が決定されるといえるのである。

 これらの事柄は人間存在のより深い側面と、それらが若年期や老年期において果たす重要な役割を、人間に示すことになるという。何故ある人は若死にし、別の人は熟年まで生きるのか、というようなことが理解できるのは、これらの事柄に注意を払うときのみ得られるという。このことについては後で、もう少し記述する。

 人間が成長、進化していくとき、いかに精神的な世界に関する知覚を益々深め、広げていくかを見てきた。つまり、ブルネット・ラティーニのように肉体を脱いだ魂として精神世界にある存在との関係が、彼の進化状態と共に、すなわち精神的知覚に使用される(感覚)器官が、若年期に発達させられたものであるか、或いは老年期に発達させられたものであるかによって、いかに変化するかが示された。

 このような世界の俯瞰的な探求と、そのようにして人間の魂の前で展開する進化は、その他の領域に拡張することができるという。問題は、人間の意識、人間の洞察力をどのように拡張し、それに別の方向性を与えるかということだという。そのような一つの方向性を示し、更なる詳細については次回以降で述べることにする。

 地上生活における通常の覚醒意識の中で、誕生から死までの間の地球の環境についてだけ、現代人は知っている。もし、混沌とした夢の生活に終わりがあり、通常の覚醒意識ではなく、深く夢のない眠りの状態において、知覚をもつことができたならば、我々は、もはや周囲に、純粋に地球という環境を経験してはいなかったという。そして、我々は、実際、覚醒意識からなる、通常認識とは異なる知覚と意識状態を付与されていたという。



 では、我々の日常意識が、地球の身近な環境と関連していることを考えてみる。地球内部を深く覗き見ることはできないので、我々を直接とりまく環境が通常の意識の領域になる。宇宙に存在するその他あらゆるもの、太陽や月、そして、その他の全ての星は、この意識領域へと輝き入る。

 太陽と月は、他の天体と比較して、宇宙における、それら太陽と月の存在をより明確に示すものを送り込んでいるという。もし、物理学者たちが、彼らの手法で(というのも、彼らは、秘教的アプローチを全く考慮しないので)、月と太陽の領域において、卓越する状態を経験できたとしたら、驚愕するという。というのも、天文学や天体物理の教科書に書いてあることは全くの的外れで、間違いだからだという。それらは非常にただ漠然とした示唆を与えるだけであるという。

 例えば、通常の生活において、誰かと知り合いになることを望み、後でその人と話す機会を得たならば、通常、このとき、この人物に関しては、物証的には漠然とした印象しかないので、この人物は、自分の視界からほとんど消えるほど遠くに退いている存在に思える、と、科学的には言わずに、そのような場合には、私は、その人に関して、もっとハッキリした印象を持ち出し、その人の様子を、自らの感性のなかから、できるだけ記述しようとするだろう。

 勿論、物理学者に選択の余地はなく、当然の帰結として、物証を基に、彼らは遠く離れた地球から、星々を記述することができるだけである。けれども、変化し、拡大した意識は、我々を星の世界へと引き上げ、そして、このことから最初に学ぶのは、通常の生活において語るのとは、全く異なる方法で、これらの星の世界について語ることができる、ということであるという。

 通常の意識の中で、我々自身がこの地上に立っているのを見る。そして、夜空の月は、我々の上にかかっている。その光景を別様に見るには、我々は異なる種類の意識の中に入っていく必要があるという。そして、それには、ときとしてかなりの時間がかかるという。我々が、この意識を達成し、自らの経験、すなわち誕生から7才の歯牙交代期までに通過したあらゆることを、死者と連なる意識、つまり、インスピレーション(霊感)を達成し、それによって内的な視覚力(心眼)となった意識をもって知覚が可能なとき、我々は、周囲に完全に異なる世界を見るという。通常の世界はボンヤリとして、はっきりしないものになるという。

 この別世界とは月の領域のことだという。我々が、この新しい意識を達成するとき、もはや月を独立した実体としては見ないという。我々は、実際、月の領域にも住んでいるという。(物証的な)月の軌道は月の領域の最も遠い境界を通っているという。この意識に達したとき、我々は、自身が月の領域の内部にいることを意識するという。

 さて、もし、8歳の子供が秘儀に参入することができ、その人生の最初の7年を振り返ることができたとしたら、その子は、このようなやり方で月の領域に住むことができるという。実際、子供はまだ後の年齢期の影響によって、ダメになっていないので、月の領域に入っていくことに、ほとんど困難を感じないという。

 このことは確かに理論的には可能だが、勿論、8才の子供を秘儀に参入させることはできない。





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Last updated  2007年03月05日 18時46分53秒
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