シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年03月26日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 睡眠時の夢の探求から始めて、誕生から死までの間に住む、我々の世界(この世)とは異なる世界(あの世)への参入を可能にする、更なる意識状態に関する考察へと進んできた。最後に、霊媒意識、人間が夢遊病の状態で経験する意識、何故なら、霊媒状態とは常に、夢遊病の性格をもち、そのような状態に関して議論した。 

 さて、これら霊媒と夢遊病の経験は、通常生活においても、魂の真の姿、状態を示すという。それらが真の道、もしくは偽りの道へと分かれていくのは、魂のこの状態が克服され、促進されたときだけであるという。 

 今回は、夢の生活をもう一度検証してみる。人間が、通常の意識において、覚醒状態から睡眠の状態に移行するときに、夢を見、アストラル体は、睡眠状態にある間、エーテル体や肉体の中にあるときの体験の残響を記録している、ということを見てきた。

 そして、真に、混乱し、途方もない夢の経験が、日常の覚醒時の生活体験の残響に続くが、このことを正しく説明できるのは秘儀参入者だけであり、何故なら、精神世界の本性により深く沈潜しない人は、夢のような混乱した経験に、ただ当惑するだけだからだという。 

 これまでまた、瞑想や集中等の訓練を通じて、いかに夢の生活の横糸が、より高次意識の縦糸に織りなされるかを見てきた。だから、秘儀参入者は、驚くほど混乱した夢の世界に移された人間(死者)を、目の当たりにしても、通常の生活と同等の現実さをもって、夢の中にあっても、完全な意識を保持しているという。

 そして、秘儀参入者は、死者を、その死後の存在においても、追跡可能な別世界の洞察力(月の意識)を獲得し、我々の世界(この世)に比べて遙かに大きな現実性を有する世界(あの世)に、自分が包まれていると感じることができるという。

 さて、問題は、この接触する世界の真の本性とは何か?ということで、このことに関しては既に述べたが、今回は別角度から、この問題に触れてみる。 

 かつて地球には、肉体ではなく、繊細なエーテル体を住処とし、従って、地球を包むエーテルの中に受肉できた偉大な(人類の)教師たち(月存在)が生きていたことを述べたが、彼ら月存在は、インスピレーション(霊感)を通して人間を指導し、地球上における古代の文化の基礎を築いたという。

 適切な意識状態(月意識)によって、これら太古の時代を振り返るなら、これらの教師たちが人類と生活を共にしていたことが分かり、その後、彼らは月の領域へと退き、今日では、月領域から、今まで一度も地上に生きた(受肉した)ことのない、あらゆる種類の存在たち(精霊、自然霊)を、彼らの目的に仕えさせているだけであるという。



 丁度この地上の生活においては、社会や社会関係を無視できないように、より高次の認識を達成するためには、これらの別存在たち(月存在)と共に働かなければならないという。

 太古の時代に、地上の人間の教師であった、これらの月存在と彼らが従える存在たち(精霊、低次の自然霊)の助けを得て、我々は、我々の世界(この世)に直接境を接する精神世界(あの世)を探求するという。

 我々は、そこで地球の以前の時代(地球の前世)と人間の以前の受肉への鍵を見つけ、そのとき、かつて地上に生きていた人物たちを、彼らと自分とのカルマ的な関連の有無に関わらず、見ることになるという。

 このことを示すために、我々がこのレベルの意識(月~水星意識)を更に発達させることによって、いかにブルネット・ラティーニ、ダンテ、アラヌス・アブ・インスリスやその他の、今日ではもはや地上には受肉していない存在たちと、次第に接触をもつようになるかを指摘した。

 だから、この意識状態は夢の状態が照らし出されたもの、半透明に光るもので、通常の生活においては、夢は、いわば(精神的世界の)初歩的な基礎を示しているに過ぎないものであるという。

 さて、ここでやっと、秘儀参入者と通常の意識レベルで生きる人との違いを示すのが、非常に簡単になる。 

 通常の睡眠状態下では、人間の肉体とエーテル体が後に残される一方、アストラル体と自我は身体の外にあり、夢の状態での経験では、自我だけが本領を発揮するという。夢の中で経験される出来事が、まだ肉体とエーテル体の外にあるアストラル体に属するのは確かだが、通常の意識という意味では、自我だけが夢を経験することができるという。 

 ところが、秘儀参入者は、自我のみならず、特に彼のアストラル体によって経験するという。なので、秘儀参入者と普通に夢を見る人との違いは、後者が肉体とエーテル体の外にあるときには、自我だけで経験するのに対し、秘儀参入者は、アストラル体によっても(夢を)経験することが可能であるという。 

 さて、この知覚様式(アストラル体による夢意識の知覚)は特に古代の秘儀において、超感覚的な世界を探求する目的のために高度に発達させられ、その後、退廃した形だが、中世とその後の時代全体を通して、更に発達させられたという。

 その古代の秘儀は、近代においては実質的に消滅したが、日常の睡眠中の夢の中で、完全に意識的状態に留まることが可能な方法に関して、太古の秘儀の教師たちから精神的な方法、或いは伝統を通して教えを受けてきた人々が、僅かながら存在していたという。

 そのような人々はいつの時代でも、これらの世界に沈潜することができたが、その試みは危険に満ちたものだったという。



 未熟な秘儀参入者は内的な解放の感情、宇宙の海の中に吹き飛ばされるかのような、もはや、しっかりと(重力により)アンカー留めされていないために、自分に対するコントロールを容易に失ってしまうかのような感じを経験したという。 

 シュタイナーの著書「より高次の世界認識」の中で述べられている精神的な訓練の目的はこの危険を回避することだという。正しい仕方でこの瞑想に取りかかる人ならば誰でも、魂の「翼」を発達させることができ、重力を克服して、翼を広げることが可能であることが分かるという。

 秘儀参入者が足下の物理的、エーテル的な大地を失うのに、アストラル体と自我の「翼」を発達させていない場合には、危険な状況が生じるという。ここでは概略的に表現しているが、この意味が分かるだろう。

 危険は十分に現実的なものであるという。これらの訓練の結果として、参入する世界に怠りなく準備できるならば、あらゆる危険の可能性は排除されるという。我々は、丁度、肉体とエーテル体を通して物理世界に与るように、これらの世界に徐々に参加することができるようになるという。

 天使の翼とは、重力を失っても、地球で生きていたように、自我に重みを与え、魂を統御できるバランス感覚のような翼を意味するものと思われる。 



 太古の人間の存立とは、我々の覚醒意識とは対照的に、以前に記述した、カルディア人たちの間で見られたような精神的な視界、いわゆる、我々の夢の意識と類似した、1つのイマジネーション(想像)的な知覚形態の状態の自然に囲まれ、既に恩恵を受けたものだったという。

 他の人間に出会ったとき、当時(古代カルディア)の人は、周囲や環境に、その物理的な輪郭(物体)を知覚したのではなく、人間を取り巻くオーラのように、夢のような印象を知覚したという。それは本物のオーラであって、主観的な幻想ではなかったという。

 肉体のオーラを知覚する、この才能に加えて、古代カルディア人は別の能力(というのも、それらはお互いに関連しているからだが)、肉体に受肉していない精神的な存在のオーラも知覚可能な能力を有していたという。なので、当時の人は精神的な存在の姿を夢見れたという。

 これらの違いに注意する必要があり、つまり、太古の時代において、人間が肉体に対応するものを見るときには、その周囲のオーラを真の夢の中で、イマジネーション(想像)的に知覚したという。精神的な存在、天使や元素(精霊)存在に出会うときには、最初から、そのオーラについての精神的な知覚をもち、その存在が有する形態を「夢見た」という。 

 つまり、現代人が、肉体から、オーラをイメージするように、古代人は、オーラから、肉体をイメージしたという。このことは、現代でも、量子力学において、電子雲を確率解釈するのと同じである。ハイゼンベルグの不確定性関係により、電子の位置と運動量は、同時にはっきりと捉えることができない、つまり知覚できないのである。

 現代人は、神様がサイコロを振った後の目を(1/6と)確率解釈するが、古代人は、神様のサイコロを振る意図(意志)をみていたといえる。このことは、現代人が物質世界に適応しやすい性質をもち、古代人が、なんらかの神様信仰の宗教の存在を必須としていた証となるだろう。

 最初期の画家たちは、このような観点から、天使の翼や頭上の環のオーラを描いたが、今日、そのことに気づいていない。これらの画家たちは精神的な存在を見て、それに対応する形態を「夢見た」という。

 天使のヒエラルキア(階層)に属する存在はほとんど人間に似た形で、大天使については、身体は明確ではないが、はっきりと規定された翼と頭をもつものとして、アルカイ(権大使)は翼の生えた頭だけをもつものとして描かれたという。古代人がそのように描写したのはその形を実際に「夢のなかで見た」からだという。

 つまり、画家たちは、現代人が、物質的視点から、自然を描写するように、太古の当時にあっても、当時の霊的視点からだが、実際にみたように、自然を描写したにすぎないという。画家たちは、いつの時代も、常に、自分がみえたように忠実に筆をとったにすぎないという。

 ちなみに、人間の上の位階に天使があり、その上に大天使、更にその上に権天使がいるとされ、これら天使群は、第3位階の天使群と呼ばれる。





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Last updated  2007年03月26日 21時06分02秒
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