シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年07月04日
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カテゴリ: 神秘体験空間
これは前回の問いに対する、シュタイナーの答えの続きである。

 例えば、a×b=0が成り立つのは、その項の1つが零であるときである、というのは正しいのか?

 aかbが零に等しいときには、その答えは確かに零だろう。けれども、両項とも零でなくても、答えが零に等しくなる可能性があるではないか?

 実際、現実の状況が、超経験的現実に対応するような超虚数に向かうように強いるなら、それは可能になるといえる。本当に、現実と虚数の関係、超虚数と虚数や実数との関係を明確にすべきだが、同時に、計算を支配する法則を変更する必要がある。

 最初の質問(曲面や多様体上の各点の関係を通して超虚数を規定する試みは現実に即したものか?)に関していえば、人間の中に見て取れるのは、ある水準以上に存在するもの、そして、ある水準以下に存在するものだけであり、この領域を、ほとんどの人が理解可能なように説明すると、人類の代表として中心に位置するキリストが、両端にアーリマンとルシファーを従えたドルナッハにある木彫を髣髴とさせるようなもので、その像をみた人に、私(シュタイナー)は常に以下のように説明した。

 我々人間は、出会う人間を、均衡状態にある存在(キリスト)として、真に想像する必要がある。片方には超感覚的なもの(ルシファー)が、他方には感覚以下のもの(アーリマン)がある。個々の人間は、超感覚的なものと感覚以下のものとの間で、絶えざる均衡状態にある存在のみとして表現されうる。

 勿論、人間は兎に角、小宇宙として大宇宙に関連づけられている。なので、人間の各細部と、それらに対応する大宇宙における現象との間の結びつき(関係)を説明できなければならない。

 そのことを、次のようにイメージする。バランス(均衡)面として、人間の中の感覚以下の要素を閉じた曲線(超複素空間)として想像し、そして、超感覚的要素、もしくは人間がその意識の中にもつものを開いた曲線(複素空間)として想像するなら、得られる形態は、下方において結び目を有し、上方において外側に開いたものになるだろう。

 このイメージ図はまた、人間がどのように大宇宙に組み込まれているかを表現している。



 人間の自由意志による決定の領域は、およそこの中間あたりに位置している。自由意志のレベルより上では、人間の力は大宇宙に出て行くのに任される。このレベルより下にあるもの全ては大宇宙の力を包み込んでいるが、それによって我々は特定の形姿(物質的形姿)を取ることができている。

 この(超複素)曲線によって形成される、幾つかの平面図形の内部に、我々が探求できる宇宙的な思考を表現する一連のデータをXとして記述する。すると、ここに、我々が探求し得る宇宙的な力があり、ここに宇宙的な動きがある。もし、上部にある、これら変数を含む式を立てるならば、下部の人間の中にあるものに対応した式が得られる。そして、X、Y、そして、Z要素に関する式が必要になる。

 けれども、この関係を表現する数を見つけようとしても、この平面上で手に入る代数システム(系)の領域の中では見つけることはできない。超感覚的な人間と感覚下の人間を結びつけるためには、曲面上に存在するシステム(系)に属する数を含む式に依存しなければならない。

 これらの面は、放物線を対称軸の周りで回転させてできる図形の表面、つまり、三角錐を形成する各点が絶えず速度を変化させるような仕方で回転するときに生じる表面として、より正確に定義できる。

 もっと複雑な放物線の回転体もあるが、その各点は、お互いの関係を固定的に保持するのではなく、ある法則性の範囲内で変化できる。このように、探求の目的に役立つ表面(曲面)とは、生きた(回転により常に変化する)放物線の回転体である。

 いま記述している関係は究めて難解なもので、今まで、何人かの人が想像してきた。そして、その必要性が見出されてきたが、公式化した計算が可能になるのは、秘教的、人智学と、数学との共同作業が可能になったときだけであるといえる。

 いまここに、その概要が示された道は、1の始まり、すなわち、頂点が一点で接する2つの回転放物線(1つは下方で閉じており、1つは上方に開いている)上の数システム(体系)に適用される関数の組み合わせに対応するものを見出すという課題に対する、最初の可能な答えとなるだろう。いま述べたように、我々に必要なのは、これらの現実の状況に実際に対応した(立体幾何学構造の)表面上の数を見出すことに他ならない。

 幾何数学の将来の発展に関して言えば、多くのやるべきことが残され、多くのことが可能であることを認める必要がある。次に述べることは幾何数学における不当な扱いになるかも知れないが、それは、近年、その幾何学を構築することに、ついて行くことが、私(シュタイナー)にはより困難になっているせいである。

 私(シュタイナー)が、この分野で何が起きているかを十分承知していたのは随分前のことなので、事態は変化しているかも知れない(19世紀末~20世紀初頭)。けれども、世紀の変わり目以前には、常に、幾何数学の分野で公表される論文は、それらの計算や作用(働き)が、とにかく実際に可能かどうか、或いは、それらは何らかの現実の状況に合わせて、いずれかの点で変更される必要があるかどうかについて恐ろしく無関心という感じを持っていた。

 例えば、1次元の多様体に2次元の多様体を乗じたときには何が起こるか、と問うことができる。

 そのような問題に答えることは可能だが、それでも、このような操作がそもそも現実に対応しているのか、少なくとも想像可能な何かに対応しているのか、と問わなければならない。どこかに行き着くには、「単に計算が可能である」ということが、一体どういうことなのかをはっきりと規定する必要がある。



 数の計算を行うとき、自然数の範囲内に止まる限りは、単なる数であって、特定の空間領域における数システム(体系)について語ることはできない。これが2次曲面では可能であることをみた。しかし、通常の空間を離れなければならず、純粋に形式的な数学が単に象徴的に表すことが可能な数(そして、ある意味、抽象化とは、付随的対応点を、特定の空間領域に適用することだが)を設定する前に、自然数ではない高次の数を幾何学の助けなしに想像することが、いかに可能かを、つまり一連の数を通して線形の関数を表現できるという意味で、可能なのかを検証する必要があると、私(シュタイナー)が感じたのは、この自然数の範囲内に止まるのなら、限界がある理由による。

 正と負の数の関係を純粋に基本的レベルで想像するには、どうしたらよいかという質問に答える必要がある。

 私(シュタイナー)は、その課題に取り組んできたわけではなく、それに関して十分に知っているわけでもないので、はっきりとした答えを提供できないが、ガウスの解法(つまり、正と負の違いを純粋に概念的なものと仮定すること)は、不十分のように見えた。

 負の数とは、被減数のない引き算という概念以上のものではないというデューリングの説明も同様に不十分のように見える。

 デューリングは虚数(-1の平方根)も同様の方法で説明したが、この数は、その表記法こそ存在するが、現実においては実行できない操作を遂行する試み以外のものではない。



 デューリングのアプローチもまた一方的のように見え、解決の方法は恐らくその中間(ガウスとデューリングの方法の中間)にあると思われる。けれども、これらの問題が解決されない限り、形式的な数学において、どこにも行き着くことはないといえる。

 注釈;今回の内容は非常に難解だが、シュタイナーは、その霊的体系を、超虚数で記述できるものとと考えていた。霊的体系とは、超感覚的世界と感覚下世界の均衡の法則で、しばしば、超感覚的世界をルシファー、感覚下世界をアーリマンとして捉え、その均衡点として、キリストを見出し、人間の自由意志に必須の領域であるとした。

 そして、これを三位一体の宇宙の創造法則と呼んでいる。病気においては、ルシファーが炎症性のもの、アーリマンが腫瘍性のものとし、その中間の均衡状態、つまり健常性をキリストと表したのである。つまり、キリストとは、調和、均衡、バランスをもたらす実践の教えであり、宇宙に不必要のものはなく、悪と善がうまくバランスをとって創造活動を行い、進化するうという考えなのである。

 これを超虚数(複素数を超えるもの)で表すなら、閉じた結び目をもつ超複素曲面と、開いた超複素曲面の合成による均衡点により幾何学的に記述されるだろうと予想している。この均衡点を、ピタゴラスの定理を元に、純粋に代数的に展開してみたが、自然数では無理という見解に至ったという。

 ピタゴラスの定理を、以上の超虚数(複素曲面上の回転群(行列)のファイバーバンドルのようなもの)展開するとフェルマーの定理が浮かび上がるように思われる。これは非常に抽象的だが、ブラックホールの蒸発のモデルによく類似しているように思われる。ブラックホールがまるで細胞のように生まれたり消滅したりして、大きなブラックホールを形成しているというような感じである。ブラックホールを結び目のある弦とすれば、超弦とD-ブレインとの類似が現れるかもしれない。





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Last updated  2007年07月04日 21時55分26秒
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