シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年03月10日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 もし、「献身」の次の段階を正しく理解するなら、次のような問いを自らに投げかけるべきである。

「我々は、一体どうやって感覚世界の知識を得ることができるのか」、と。

 その答は単純で、我々の感覚によって得ていることがわかる。耳によって、音の世界の知識を獲得し、眼によって、色や形の世界の知識を獲得する等々である。我々人間は、感覚器官の仲介によって感覚世界を知る。通常の日常的方法で、この感覚の世界に向き合う人は、その印象を受け取り、自らの判断を形成する。

 「献身」を学んだ人は、第一に自らの感覚を通して、印象を受け取り、そしてそれから、いかに対象から自分に向かって活動的な、「支配する意志」が流れてくるかを感じる。その人は、まるで対象と共に支配する意志の海の中を泳いでいるかのように感じる。

 そしてその人が目の前の対象の中に、意志の存在と支配を感じる地点まで至ったとき、自身の進歩が、当人を次のより高い段階へと自然に駆り立てる。

 というのも、当人は「献身」へと続く全ての前段階、世界の叡智との調和の中で自分を感じる事と呼んだ段階、その前の「敬虔」、そしてその前の「驚き」の段階を経験した後、これらの状態から、最終的に獲得される、「献身」の状態へと浸透することを通して、いかにして肉体と同様に、エーテル体(肉体の背後にある)をもって、対象と共に成長するかを学ぶことになるからである。

 その状態に至った人間は、活動的な、「支配する意志」の中で、肉体を持って、つまり感覚器官をもって、対象と共に成長する。

 見たり、聞いたり、匂いを嗅いだり等々をするとき、「献身」の状態にある人間として、目や耳を通して、「支配する意志」が自分の中に流れ込むのを感じる。

 そのとき、その人は、自分が対象と真に対応していると感じる。



 そして、このエーテル体の成長が生じるとき、人間は、自分が全く新しい世界の観点(見方)をもっていることを発見する。その人が、感覚に現れるものを通して、「支配する意志」へと至ったとき、世界は、以前見慣れた景色よりも更に大きな変化を遂げている。

 人間のエーテル体が世界の事象と共に成長するとき、これらの事象が、アイデア、概念、そして思考の中に、従来の在り方のままに留まるべきではないというような印象を与える。それらの事象は、その人と関係を持つ瞬間に、変容を遂げる。

 既に「献身」の気分を魂の中で経験した人が、樹液に満ちた緑の葉を見ることを想像する。その人は魂の目を、目の前の対象に向ける。そして直ぐに、その人は、この瑞々しい葉っぱを、従来あるような姿のままにしておくことはできないということを発見する。

 つまり、その人は、緑の葉に見入る瞬間、緑の葉が自身を越え出て成長するのを感じる。その人は、いかに緑の葉の内に、何か従来とは全く違った存在になる可能性を持っているかを感じる。葉は植物の中で上方に行くほど、徐々に成長し、遂には色のついた花形の葉、つまり花弁に変わる。

植物全体は、実は、変化した一枚の葉に過ぎない。

 この事を、ゲーテの自然に関する研究から学べるが、是を学ぶ人が葉に見入るとき、彼は、それはまだ完結していない、それは、それ自身を越え出て成長しようとしている、ということを理解する。要するに彼は、その緑の葉が、彼にいま与えている以上のものを見る(予見する)。

 その緑の葉は、その人を刺激して、その人の内に何かが芽生え、成長する生命のようなものを感じさせる。このように、その人は、自身のなかにも生命の芽生え、成長を感じながら、全く文字通り、その緑の葉と共に成長する。

 しかし今度は、その人が、乾燥し枯れた木の皮を見ることを考えてみる。もし、その人がその枯れた葉と共に成長すべきなら、死の感情に圧倒される以外のことはない。その人は、枯れた樹皮のなかに、現実以上の発展(成長)ではなく、それ以下の衰退(退行)を見る。

 もし、誰かが、その樹皮を外見だけ見るなら、死んだ樹皮を称賛でき、それから喜びをも与えられるだろうが、いずれにしても、死んだ樹皮の中に、自らの魂をいわば縮ませたり、突き刺したり、死の考えで満たしたりする以上の存在を見ることはない。

 エーテル体が共に成長するとき、世界のどこにも成長や芽生え、生成の感情、でなければ、衰退や消滅の感情を生じさせる。あらゆるものは、そのいずれかの側面において、自らを現す。





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Last updated  2008年03月10日 19時11分46秒
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