シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2009年01月14日
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カテゴリ: 神秘体験空間

 前回の事実から、いわば、植物による治療全般が、とりあえず、原理として特徴づけられたことがわかる。少なくとも植物による療法が、何に依拠しているかがわかるだろう。いま、述べたいのは、内と外との相互作用において生じている実際のプロセス全体を(包括的に)見通すことである。

 しかし、この事実から、全く特殊なものにも既に目を向けている。例えば、「香り」というよりむしろ「味覚」への傾向を持つような植物、つまり、当の植物を噛み味わいながら、その植物の「香り」に辿り着けるような、実際、「香り」と「味」との統合を知覚できるような、メリッサ(メリッサ、レモンバーム、西洋ヤマハッカ)やカキドオシのような植物の「香り」を考察できる。

 すると、既に、その植物の内部には、多少の塩化が存在し、既に、その内部では、塩化と芳香発生の共同作用が存在することがわかる。この事から、メリッサ他等のような植物に、親和性を持つ器官は、より外に向かう、(下方から)胸に向かう位置にあり、一方、非常に芳香を放つような、菩提樹や薔薇のような植物に親和性を持つ器官は、下腹部にあるか、下腹部に向かう位置にあることが示される。

上腹部器官に親和性がある植物;「香り」と「味」の強いメリッサ等
下腹部器官に親和性がある植物;「香り」の強い菩提樹や薔薇

 さて、上部人間において、嗅覚や味覚の領域に位置する全組織間を、器官的に観察すると、ある別のプロセスが、より深い意味で、人間にとって重要な生のプロセスが、組み込まれていることに気づく。この重要な別のプロセスとは、この位置に組み込まれている呼吸プロセスのことである。

 この呼吸プロセスに対しても、対極的に組織されているプロセスを探すことができる。この(呼吸プロセスの対極の)プロセスは、消化プロセスが、排泄プロセスに通じ、上部器官の表象(イメ-ジ)プロセスに対して対極となる限り、消化プロセスから、いわば区別できるプロセスでなければならない。

 丁度、呼吸が、器官的に見て、嗅覚-味覚プロセスの近くに限定されるのと同じように、器官的に消化プロセスの近傍にあり、上部のように限定される必要がある。これは、リンパ-血液プロセス、血液形成プロセスにおいて生じる全て、或いは、消化から内部へ向かって押し進められたもの、つまり、リンパ腺他のような器官、血液形成に関与する全器官のプロセス全般である。

上部;臭覚-味覚の近傍の呼吸プロセス
下部;消化-排泄の近傍のリンパ-血液プロセス

 このように、ここに2つの対極的なプロセスを見ることができる。

 1つは消化から分離されたプロセス、もう1つは、更に外に向かって配置された感覚のプロセス(経過)から分離されたプロセスで、すなわち、いわば感覚のプロセス(経過)の背後にある呼吸プロセス(表象は魂の栄養であり、その中間に呼吸プロセスが組み込まれる。)と、消化が更に排泄に通じ、消化の前に配置された血液-リンパ形成プロセスである。

 本来、このように、プロセスから人間全体を考察していくのに対し、奇妙にも、今日では通常、目の前にある器官からだけしか人間の観察がなされない(現代では、細胞や核酸の遺伝子や蛋白質)。なので、ここでは、プロセスに通じ、人間と、人間の外の世界との関係全体から、人間を認識し、洞察を試みる。

 そして実際、真に直接、人間におけるエーテル活動全体の写像(イメージ)の諸関係を見い出すことができる。なぜなら、結局、いままで研究してきたことは、人間におけるエーテル作用に他ならないからである。そして、この二つのプロセス、呼吸プロセスと血液形成プロセスに、再会する。

 この出会いは、人間の心臓で起こり、人間の外をも含むという意味において、外界全体が、(外と内との)二重性として、人間の心臓で堰き止められ、人間の心臓において一種の均衡状態を目指す二重性として、現われてくる。

 このように、ある独特のイメージ、人間の心臓のイメージに到達できる。この心臓の内面では、体の全面にわたって、外から作用してくるものの統合(融合)がなされ、外界では、分散(分裂)がなされている、つまり心臓のなかで、いわば膨張したもの(統合、融合)が、(外界では)至る場所で拡散(分散、分裂)させられる(図参照)。

med1-13.gif

 ここで、重要な考えに到達する。これは例えば、次のように言い表せる。

「宇宙を見渡し、心臓の周囲のこの円周を目にし、自問する。この円周のなかに、何があるのか、この円周から働きかけてくるものは何なのか。この円周に親和性のある、同じようなものを、私のなかのどこに見い出せるのか」 、と自問する。

 (自身の心臓を覗いてみよう! この心臓にはいわば、反転した天が、天と対極に配置された存在がある)。

 一方で、人間の周囲に、天というべき周辺があり、いわば幾何学的に、無限の彼方へと拡張された点があり、他方で人間の心臓に集中された円がある。宇宙全体が、この構図のなかに存在する。

 大雑把な比喩を使うなら、簡単に次のように言える。

「人間が山の上に立って、遥かな彼方を見渡し、宇宙の広大な円周を見ることを想像する。それから、非常に小さな小人を人間の心臓に置いて、この小人が、心臓を通して、そのなかに何を見るかを、思い浮かべてみる。

 この小人は、心臓内部の回転のなかに、宇宙の完全像が縮小され、統合(融合)されるのを見る。この事は、単なる具象的な表象、一種のイマジネーションにすぎないものだが、同時に、正しく受容すれば、正規の、調整的なイメージ、調整原理として作用するもので、まさに、個別的に認識できるものを、正しく総括する手引きとなるものである。」


 この事で、個別観察の為の大体の基礎を作った。この基本的認識はまた、提出された様々な質問に個々に答える為の土台ともなるだろう。






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Last updated  2009年01月14日 21時26分59秒
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