シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2009年04月06日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、次のような問いが生じてくるのも当然だろう。

 「霊視獲得の上で起こる全ては、同様に、動物にも観察できないのか」、と。

 さて、人間の霊視獲得プロセスを、動物にも観察すると、間違いの素となる。この事実は公開講演でも、よく強調してきたが、ここで、更に厳密に強調しておく。人々は次のように考える。

 「眼は眼であり、器官は器官であり、肺は肺であり、肝臓は肝臓で、人間も動物も同じである」、云々、と。

 しかし、これは真実ではない。人間の眼は、動物でも、目として現われている器官ではあるが、この器官は、人間の場合、自我が組み込まれ、修正されている。

 そして、器官のなかで生じる自我、特に病人の場合に、究めて重大な役割を演じている自我に、浸透されるということは、動物の場合、自我に浸透されていない器官よりも重要である。

 (人間の器官は自我に浸透され、動物の器官は自我に浸透されていない。動物は、自分を認識しない。)

 この事実の考慮は、ほとんどなく。従って、この分野では、相変わらず次のような判断をやめない。

 「いま、2つのナイフがある。このナイフは、通常どこにでもある形のナイフであり、両手にもてば、左手のナイフを、右手のナイフで説明できる」、と。



 このような動物に基づく研究は更に、人間の場合のある関係の、正確な研究を妨げる。なぜなら、そのような関係が、正当に、魂の前に現われるには、人間では、ほとんどの場合、自我に浸透されるように、形成されるのが、人体の周辺部に位置する器官である、という意識によるからである。

 (人間の自我によって、人体の周辺部の器官が形成される。自我の境界が、皮膚等を形作るという。つまり、自我の境界まで、肉体を形成できない場合、自我が剥き出しになり、露になるので、炎症を生じるという。端的にいえば、自我が肉体という衣をまとわず、未熟のまま、外界に剥き出しになるので、痛いと感じ、炎症になるわけである。)

 さて、人間の耳は、眼とは全く異なった形で形成されている。判断力に適う眼の理解を習熟し、更に、眼の理解を通じて、エーテル体の霊視へとアプローチすると、同じように耳も理解でき、同様の方法で、判断力に適う耳の理解へと習熟できる。

 人間には動物と同様に、耳が組み込まれているが、この耳形成は、更に人間の自我機構に浸透されているのという事実を、正しい形で見ることができるように、自らを教化できる。

 更に耳形成を研究していくと、この耳形成は、エーテル体の眼形成が、人体の周辺部に配置されている器官に関連するのと類似した形で、人間の生体組織の内部に配置されている器官と関連していることがわかる。

 いわば直観力(霊聴力)を、耳形成へと方向づけができるようになると、自我が眼形成に関わるのと全く同じように、耳形成にも関わっていることがわかるようになる。また、自我は、生体組織のなかに、今までに特徴を述べたのとは、別の骨格をも組み込む。

 この別に、自我により、組み込まれる骨格に親和性をもつ存在は、生体組織のなかで、耳形成の基礎を成す全体である。従って、更に、もう1つ骨格を描く必要があり、この骨格を青点線(下図)で描く。

 この青点線の骨格は黄色(で描かれた骨格)よりも、内部にあって、他の骨格ほど四肢の中に拡がらずに組織化され、この骨格を人間から取り出せるとしたら、腕も脚もなく、切り株のような腕と脚のような骨格である。

 つまり、この骨格は、その形成を幼児期の段階で止めてしまっていると言ってよい。この骨格は、他の骨格よりも、頭部に向けて細分化されている割合も非常に少ない。

 とはいっても、また、この骨格には、人間の耳形成の組織化力と、聞くという経過(プロセス)全体の根底に存在する骨格が対応している、ということが見出せる。

 この聴覚による骨格を、視覚の骨格の黒点線に対応して、(下図参照)菫(スミレ)色で暗示する。この骨格も人間の生体組織のなかで、ある種の特性を持っている。自我が、内部で、過度に強く作用するとき、この聴覚の骨格は、いわば異常になる。以前、扱ったのは、自我が(視覚の)表面において、過度に強く作用する場合だった。

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 また、多少の徴候学を駆使し、究めて、痩せる傾向にあるか、痩せる傾向はないが、肥満傾向のない人たちを考えてみると、このような人たちの場合、自我が内部に向かって、過度に強く作用し、この骨格を強化しているということがわかる。

 けれども、この聴覚の骨格は、先に述べた(眼形成の)骨格に対して、別の特性を持っている。その特性とは、内的に増殖する、という特性である。最初の(眼形成の)骨格が崩壊し、散乱する傾向を持つのに対し、この(耳形成の)骨格は、内的に増殖する傾向を持っている。

 特に、この眼の崩壊傾向と、耳の増殖傾向の、二重の方向に向かって学ぶ必要がある。

 この自我による耳形成(青点線)の骨格は、自我が、いわばその正常な輝きにより、増殖するのではない。なぜなら、増殖、崩壊に関わらず、自我が、この骨格内の適切な輝きの位置を占めずに、自我が、この骨格から逸脱することに常に関連するからである。

 自我が、この骨格から逸脱し、生体組織のなかで、自己の一部を維持できるほど、充分強いと、その魂的な帰結や、肉体的な帰結が現われ、つまり、ヒポコンデリー(2)という魂的帰結と、その肉体的帰結の便秘、或いはそれに親近性のある現象の帰結が生じる。





 自我ではなく、その相関物、つまり物質的骨格が崩壊への切欠を与えるのではなく、自我自身が崩壊への切欠を与える。

 このとき、いかなる独特の現象が生じるかを、考えてみる。ここで、生じるのは、いわば、自我があまりに弱すぎ、自我の破片が生体組織のなかに付着する、という現象である。自我が弱い為に、破片が付着するという現象である。

 自我の破片が付着する理由は、そのように組織された人が眠りに入るとき、輝き逸脱する自我の一部を常に完全に連れていくことができない状態だからである。この自我の破片は、生体組織のなかに止まり、その内部で魂的な自我として増殖する。

 (人智学では、睡眠中に自我は、肉体から離れ、霊界へと帰るという。だから、この場合、自我形成が弱いため、自我の一部を肉体に残したまま、出て行くことを指す。)

 特に睡眠中によく起こる、このような魂的自我の増殖傾向にある生体をもつ人が、腫瘍形成傾向の人たちなのである。

 この事実を見ていくと、限りなく重要なプロセスがわかる。腫瘍形成傾向の人たちとは、眠りに入るときも、生体組織のなかに、自我の破片が残っている為に、適切に眠れない人たちなのである。

 (自我が完全に肉体から抜け出ていないため、睡眠不足に陥るわけである。)

 このとき、目の前にあるものは、このような自我の破片で、これが悪性腫瘍の本質的な原因となり、今挙げた複合的な徴候全体と関連する。

 実際、一方で、ヒポコンデリーと便秘が存在し、他方で、その人が、ヒポコンデリーや便秘により、生体組織を防御できなければ、生体組織が、内的に増殖して、悪性の腫瘍ができる。この事実については、更に述べていかなければならないが、今は、この原則だけに注目しておく。

 (自我が過剰に外に形成される場合、肉体がそれについていけずに炎症傾向になる。逆に、自我が過剰に内に形成される場合、自我の一部が残され、自我が強ければ、生体の循環が滞り、自我が弱いと、自我全体で処理できずに、その余分な存在が独立し、腫瘍傾向になる。)





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Last updated  2009年04月06日 19時39分35秒
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