シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年02月13日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 実に、人間はミクロコスモスであり、外の大宇宙(マクロコスモス)の秘密を含み持っている。つまり、人間が内(精神)から見る、思考や、感情や、意志や、記憶のイメージを、また別の側、つまり外から、マクロコスモス的に見ると、これらを自然界のなかに再認識することになる。

 この事実から、真実を見渡せる。この真実は、思考では理解できない。思考では、真実というのはどうにでも解釈できる。思考が尊重するのは論理だけだからである。

 しかし、論理では、現実における究めて様々な事実を覆い尽くせない。このような現実を具象的に理解するために、次のような喩え話を最後に述べ、更に次回の説明につなげていく。

 アフリカの黒人部族、フェラタ(フルベともいう。中部アフリカのプール[Peuhls]族)には、多くを具現する実に素晴らしい喩え話がある。

―――あるとき、ライオンと狼とハイエナが旅に出かけ、1頭のカモシカに出くわした。カモシカはこの動物たちの1頭に殺された。3頭の動物たちはお互い親しかったので、殺されたカモシカを、ライオン、狼、ハイエナの間で、どう分け合うか、ということになった。まずライオンがハイエナに向かって次のように言った、「君が分けろよ」、と。

 ハイエナにはハイエナの論理があった。ハイエナは、生きた肉ではなく、死んだ肉に執着する動物である。ハイエナの論理は、勇気というよりむしろ臆病さによって決定される。ハイエナは、その臆病さがどれ位あるかに応じて、論理という形で現実的処理に向かう。

 ハイエナは次のように言った、「カモシカを3等分しよう。1つはライオン、1つは狼、1つはハイエナ、つまり自分が貰う」と。

 するとライオンはハイエナを殺してしまった。さてハイエナはいなくなり、また分け前の問題が生じた。

 ライオンは狼に向かって言った、「御覧、狼くん、今度は違った分けかたが必要だね。今度は君が分けてくれ。どういうふうに分けるんだい」。



 君が、ハイエナの分を取り除いたのだから、ライオンとしての君は当然、ハイエナの貰う三分の一を貰らわなくちゃいけない。次の三分の一はハイエナが言ったように、君のものだ、そして最後の三分の一も君がとらなくちゃいけない、君は動物のうちで一番賢くて勇敢なのだから」。

 さて狼は以上のように分けた。するとライオンは言った、「その分けかたを君に教えたのは誰だい」。狼は次のように言った、「ハイエナが教えてくれたのさ」。するとライオンは狼を食べてしまわずに、狼の論理に従って、3等分した分全てを取った。―――

 この喩え話のように、ハイエナが分ける場合や狼が分ける場合でも、数学的な論理や、主知主義的分割法は同じで、ハイエナも狼も三分割するような割り算を行った。しかし、両者は、この知性的分割法、つまり算数を、異なる方法で現実に適用したのである。それによって、運命もまた本質的に変わったわけである。

 ハイエナは分割法と現実との対応において、狼とは異なったので食べられてしまった。狼は、ハイエナの論理との関係で(狼自身が、ハイエナから習ったと言っている)、この同じ論理を全く別の現実と対応づけたので、食べられなくて済んだが、狼は、この同じ論理を、ライオンが狼まで食べてしまう必要性がもはやなくなるように、現実へと結びつけた。

 ここからわかるように、ハイエナの論理は狼にもあるが、その現実への適用において、その知性や論理は、全く異なった結果となる。

 このように、知性や論理は、あらゆる抽象化を伴う。抽象化を様々な現実に適用する形に応じて、宇宙での、あらゆる事柄を為せる。従って、ミクロコスモスとしての人間とマクロコスモスとの対応のなかのリアリティ(現実性)にも着目すべきである。

 人間を論理だけで観察するのではなく、主知主義的知見から、宇宙規模の芸術的知見への転換をはかることで到達できる感覚をもって観察すべきである。

 主知主義的知見から芸術的把握への、いわばメタモルフォーゼ(変容)を遂行し、芸術的感性を、認識原理として育成できれば、人間のなかに人間的な形で、つまり無機質な形ではなく、有機的に生命をもった霊的存在(宇宙言語)が、外のマクロコスモス、つまり大宇宙のなかに見つけられる。

そのとき、真の感覚をもって大宇宙(マクロコスモス)と人間(ミクロコスモス)との親和性(宇宙言語)を見い出せる。





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Last updated  2010年02月17日 17時00分45秒
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